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タイのアピチャッポン監督最新作『MEMORIA メモリア』 頭内爆発音症候群から着想

 2010年『ブンミおじさんの森』でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞したタイの映画監督アピチャッポン・ウィーラセタクンが、初めて南米コロンビアで撮影した映画『MEMORIA メモリア』が3月4日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開される。

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督、映画『MEMORIA メモリア』(3月4日公開)

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督、映画『MEMORIA メモリア』(3月4日公開)

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 カンヌ国際映画祭では、『ブリスフリー・ユアーズ』(2002年)、『トロピカル・マラディ』(04年)、『ブンミおじさんの森』に続き、4度目の受賞となった「第74回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門でのプレミア上映では、「『MEMORIA メモリア』を観た後は、どんな映画でも満足できない」との評を引き出し、審査員賞を受賞。監督が初めてタイ国外で制作した作品で、監督自身が経験した「頭内爆発音症候群」から着想を経た記憶の旅路が描かれる。

 主人公は、コロンビアのメデジンで農ラン業を営むジェシカ(ティルダ・スウィントン)。病床の妹を訪ねるため、首都ボゴタに滞在した夜、ある不穏な【音】を聞いたことから、物語は動き始める。

考古学者アグネスを訪ねたジェシカ

考古学者アグネスを訪ねたジェシカ

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 病床の妹を見舞った病院でジェシカが出会う考古学者アニエスを演じるのは、『バルバラ セーヌの黒いバラ』でセザール賞主演女優賞を受賞したフランスの名優ジャンヌ・バリバール。白衣を身にまとい、整然とした研究室で自らの研究について語り、やがてジェシカを人骨の発掘現場へと導く。ジャンヌ・バリバールが、アニエスをよりファニーな要素を湛えた、魅惑的で謎めいた人物として演じるさまを見たアピチャッポン監督は、「私はアニエスをとらえていない」と驚きとともに感じたそう。

ジェシカと音響技師のエルナン

ジェシカと音響技師のエルナン

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 ジェシカが、頭に響く【音】を再現すべく訪れた音響スタジオで出会う音響技師のエルナンを演じるフアン・パブロ・ウレゴは、実際に音響技師としての経験を積むため、撮影前に2ヶ月間の特訓を行った。本編では、彼のオペレーションによってジェシカの頭に響く【音】が再現されている。フアン自身は「エルナンはジェシカの話を聞き、寄り添ううちに、彼女と独自の友情が生まれていくような役です。監督とティルダ・スウィントンとトライ&エラーを繰り返しました。とても素晴らしい経験でした」と振り返っている。

ジェシカが山間部の町ピハオで出会う、川のほとりの男、エルナン

ジェシカが山間部の町ピハオで出会う、川のほとりの男、エルナン

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 ジェシカが山間部の町ピハオで出会う、川のほとりの男、エルナンは、コロンビアのTVシリーズなどに出演してきたエルキン・ディアスが演じている。「この映画に出演できたこと、そしてティルダ・スウィントンとの共演は神様からの贈り物のようだ」と最大級の賛辞を寄せる。また、アピチャッポン監督については「限界まで連れて行ってくれる監督と出会えて、俳優としてとてもうれしく思っている。経験したことすべてが、映画としてスクリーンに映っている」と話している。

(C)Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF/Arte and Piano, 2021.

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