小学館は3日、同社発行の漫画誌『週刊少年サンデー』の連載作品を無断掲載していた海賊版サイトへ誘導する、いわゆる“リーチサイト”の「漫画天国」について、運営者が著作権法違反の容疑で警視庁東村山警察署により書類送検されたと発表した。

　同社は「漫画天国」について「『少年サンデー』連載作品のみならず、出版各社が発行する多数のコミック作品を海賊版サイトに誘導していたたいへん悪質なリーチサイトでした」と断罪。2020年2月、同社が警視庁に被害相談を開始し、同時に運営者情報の開示を大阪地裁に申し立て、仮処分決定を取得した。「同サイトは同年3月、自ら閉鎖しましたが、閉鎖の告知文で他の海賊版サイトを紹介するなど、最後まで悪質な姿勢を崩しませんでした。その後も捜査は続き、この度の摘発に至ったものです」と説明している。

　続けて「被疑者が開設期間中を通じ、広告掲載等によって多額の利益を上げていた事実は、本来、漫画家が受けとるべき正当な報酬を収奪したことによる犯罪行為にほかならず、サイトが閉鎖されたとしても、決して許されるものではありません」とし、「弊社は、クリエイターが心血を注いで創作した作品を無断で盗み取り、これを糧に荒稼ぎする卑劣な犯罪の一掃を目指し、刑事、民事両面からの法的手続きをはじめ、海賊版サイトに対し、今後も断固たる対応を続けて参ります」と違法サイトの根絶へ強い決意を示している。