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2022年に出版から75周年を迎える「アンネの日記」。09年にユネスコの「世界記憶遺産」に登録され、「世界で最も読まれた10冊」のうちの1冊に挙げられた、不朽の名作だ。その著者として知られるアンネ・フランクの生涯をアニメーションでしか表現し得ないアプローチで映画化した『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)より、場面カットが解禁となった。 これまで幾度となく映像、舞台化されてきた「アンネの日記」を、本作では、アンネが生み出した“空想の友達”キティーの視点でたどっていく。監督は、アニメーション映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネート、ゴールデングローブ賞では受賞を果たした『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン。「アンネの日記」をもとにイマジネーションと遊び心に満ちた現代のパートを新たに創出し、ふたりの少女の姿を等身大に瑞々しく描く。 解禁された場面カットには、第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下の中を生きるアンネ・フランクと、時空を超えて現代のアムステルダムにやってきたアンネの“空想の友達”キティーがそれぞれの時代の中で描かれている。現代のキティーは、ライダースジャケットにキャップと今風の服を身にまとい、凍った川をスケートで走り滑る。学校で人気者のアンネは大勢のクラスメイトを引き連れて、まるでパレードのように街を歩く。 アリ・フォルマン監督は、多くの戦争映画が用いる色彩設計とは真逆のことを試みたという。「現代のアムステルダムをモノクロームの色調で、アンネの目を通して見た過去は豊かでビビッド、そしてカラフルに描くこと。それがこの映画のガイドラインになった。僕らは制限することなく、色をたくさん使用した。とりわけ、アンネの空想や夢を表現するシーンはね」と本作の世界観の構築を明かす。 ほかにも、アンネがペーターと隠れ家で過ごす様子や、ペーターと同じ名前を持つ少年と出会ったキティーが一緒に旅をする様子などが切り取られ、対照的に描かれる。また、ナチスが支配するおどろおどろしい街の様子もアニメーションだからこそできる表現手法。鎧をまとった悪の権化SS装甲集団の威圧感などは当時の人々の恐怖そのままに体感させられることだろう。

この記事の画像

  • 『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
  • アンネ=『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
  • キティー=『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
  • 『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
  • 『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
  • 『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
  • 『アンネ・フランクと旅する日記』(3月11日公開)(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND

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