『グレイテスト・ショーマン』「X-MEN」シリーズで、エンターテイメント界の最前線を駆け抜けてきたヒュー・ジャックマンが主演する映画『レミニセンス』(公開中)。監督は『ゲーム・オブ・スローンズ』の視聴者数を抜き、全米を騒然とさせたHBOドラマ『ウエストワールド』のリサ・ジョイ。製作として参加したのは、『ダークナイト』『ダークナイト ライジング』『インターステラー』などの脚本を兄クリストファー・ノーランとともに手掛けたジョナサン・ノーラン。
リサとジョナサンは公私にわたるパートナーで、Amazonスタジオに拠点を置く製作会社キルター・フィルムズを設立(2011年〜)し、テレビと映画の両方で手腕を発揮している。私生活では、2人の子宝にも恵まれた。ORICON NEWSでは、8月下旬にオンラインでインタビューを実施。お互いを尊重しあい、自然とのろけ話になってしまう、微笑ましいお二人だった。
――映画『レミニセンス』は、都市が海に沈み、世界が水に支配された近未来が舞台。専用の装置を使って、依頼人の記憶や潜在意識にアクセスし、該当する記憶を抜き出して再生することができるニック(ヒュー・ジャックマン)のもとには、過去の記憶、美しい思い出の中に居場所を求める人々が足繁く通っています。リサ監督によるオリジナル脚本とのことですが、映画に出てくる装置を使って再体験したい記憶はありますか?
【リサ】ジョナサンがどう思うかわからないけど、二人が初めて出会った時に戻ってみたいです。それは、『メメント』(2000年)のプレミアで、私にとっては初めて参加したプレミアイベントだったんです。初対面の時って、相手のことをよく知らないし、信頼できるかどうかもわからないから、ちょっと怖さもありますよね。とてもチャーミングな人に思えたけど、中身はどうなんだろう?って。それが、いまでは子どももいて、すてきな人生をともに歩んでいる。二人のアニバーサリーがくるたびに、初めて会った時のことを再体験できたらいいな、と思います。
※補足=『メメント』は、クリストファー・ノーラン監督の出世作であり代表作の一つ。ジョナサンが書いた短編小説が原案で、脚本も兄弟で執筆し、米アカデミー賞にノミネートされた。時系列を逆向きに映し出していくという形式を取りながら、妻を殺した犯人を追う男性を描いた作品。時間軸マジックとサスペンス要素は、『レミニセンス』にもあり、リサ・ジョイ監督がノーラン兄弟から受けた影響の大きさが伺える。
【ジョナサン】もちろん、僕もそれがファーストチョイスだよ(笑)。それにもう一つ加えるなら、子どもが生まれたばかりの頃に戻ってみたい。親になって面白いな、と思ったことなんだけれど、子どもって日に日に成長していくでしょう。スマホの中には赤ちゃんだった頃の写真も残っているけど、見違えるほど成長しているから、赤ちゃんだった頃はどんなだったっけ?と思い出すのが難しくなってきた感覚がある。当時の写真を見て、いろんな感情が喚起されるけど、それは今に至るまでに経験したことが加味された重層的なものだと思うから、純粋に生まれたばかりの頃の感覚を味わうために、戻ってみたいですね。子ども生まれてからの数ヶ月は特別なものだったから。
――お二人が関わった作品はどれも面白いです。一体、どういう時にアイデアが浮かぶのでしょうか。逆に何かアイデアが浮かばず行き詰まった時はどうしているのですか?
【リサ】シャワーを浴びている時や車を運転している時にアイデアが浮かぶことが多いわね。デスクの椅子に座って、「さぁ、いまからアイデアを出すぞ」といったところで出てくるものでもない。どちらかというとリラックスしている時、瞑想状態に近い時に思いつくことが多いです。何もアイデアが浮かんでこない、となればフラストレーションがたまるし、悲しくなるし、不安にもなる。そういう感覚というのはジョナサンも私もお互いに理解しているから、私たちはよくお互いに話をする中で刺激的なものを見つけたり、異なる経験を持ち寄ることでアイデアが生まれてたりしてきたから、私にとってはインスピレーションを与えてくれる彼と一緒にいることが大事なんだと思います。
【ジョナサン】どうやったらいいアイデアが浮かぶのかわかっていたら最高なんだけどね。運がよければやってくるという感じかな。リサが言ったことに近いけど、散歩に出かけたり、いまやらなければいけないことをとりあえず横に置いて、ほかのことをしてみたりするけど、どうやったらいいアイデアがやってくるかはいまだにミステリアス。だけど、僕のこれまでのキャリアを振り返ると、傍らにはいつもリサがいた。僕のアイデアはリサとの会話の中から生まれてきたように思う。彼女と会話をしていると自然と正しい答えが見えてくる感じがするんだよね。
――すてきなパートナーシップの関係、理想的ですね。
【リサ】ありがとう。(ジョナサンに出会えて)私は運が良かったと思っている。
【ジョナサン】ありがとう。
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公開中の映画『レミニセンス』は、人の記憶に潜入し、その記憶を360度の空間映像に再現することができるエージェント、ニック(ヒュー・ジャックマン)が主人公。ある日、ニックのもとに検察から仕事が舞い込む。それは、瀕死の姿で発見された新興勢力のギャング組織の男の記憶に潜入し、ギャングの正体と目的をつかめ、というものだった。男の記憶から映し出された謎の女性メイ(レベッカ・ファーガソン)を追って、多くの人々の記憶潜入を試みるニック。膨大な記憶と映像に翻ろうされるニックは、やがて予測もしなかった陰謀へと巻き込まれていく──。
■リサ・ジョイ&ジョナサン・ノーランの今後に注目
『ウエストワールド』で成功を収めたジョナサン・ノーランとリサ・ジョイの製作会社キルター・フィルムズは、Amazonスタジオが製作するウィリアム・ギブソンのSFサスペンス小説(2014年)をもとにしたテレビシリーズ「The Peripheral」(出演:クロエ・グレース・モレッツ、ゲイリー・カー)の撮影に入っている。また、Amazon向けのホラーアンソロジー「Unknown」の企画開発にも着手。加えて、世界的ベストセラーゲームシリーズ「Fallout」のテレビシリーズを手掛けることも決まっている。
このほか、ジョー・ネスボの小説をもとにしたHBO放送のシリーズ「The Son」(監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本:レノア・ザイオン、出演:ジェイク・ギレンホール)、「アイアンマン」「アベンジャーズ」シリーズのロバート・ダウニー・Jr.と妻スーザン・ダウニーの製作会社チーム・ダウニーと提携し、マイケル・クライトンの小説原作の「Spheres」の企画も進行中。
今後間違いなく、世界のど真ん中で活躍していく2人が手掛けた映画『レミニセンス』もチェックしておいて損はない。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
リサとジョナサンは公私にわたるパートナーで、Amazonスタジオに拠点を置く製作会社キルター・フィルムズを設立(2011年〜)し、テレビと映画の両方で手腕を発揮している。私生活では、2人の子宝にも恵まれた。ORICON NEWSでは、8月下旬にオンラインでインタビューを実施。お互いを尊重しあい、自然とのろけ話になってしまう、微笑ましいお二人だった。
――映画『レミニセンス』は、都市が海に沈み、世界が水に支配された近未来が舞台。専用の装置を使って、依頼人の記憶や潜在意識にアクセスし、該当する記憶を抜き出して再生することができるニック(ヒュー・ジャックマン)のもとには、過去の記憶、美しい思い出の中に居場所を求める人々が足繁く通っています。リサ監督によるオリジナル脚本とのことですが、映画に出てくる装置を使って再体験したい記憶はありますか?
【リサ】ジョナサンがどう思うかわからないけど、二人が初めて出会った時に戻ってみたいです。それは、『メメント』(2000年)のプレミアで、私にとっては初めて参加したプレミアイベントだったんです。初対面の時って、相手のことをよく知らないし、信頼できるかどうかもわからないから、ちょっと怖さもありますよね。とてもチャーミングな人に思えたけど、中身はどうなんだろう?って。それが、いまでは子どももいて、すてきな人生をともに歩んでいる。二人のアニバーサリーがくるたびに、初めて会った時のことを再体験できたらいいな、と思います。
※補足=『メメント』は、クリストファー・ノーラン監督の出世作であり代表作の一つ。ジョナサンが書いた短編小説が原案で、脚本も兄弟で執筆し、米アカデミー賞にノミネートされた。時系列を逆向きに映し出していくという形式を取りながら、妻を殺した犯人を追う男性を描いた作品。時間軸マジックとサスペンス要素は、『レミニセンス』にもあり、リサ・ジョイ監督がノーラン兄弟から受けた影響の大きさが伺える。
【ジョナサン】もちろん、僕もそれがファーストチョイスだよ(笑)。それにもう一つ加えるなら、子どもが生まれたばかりの頃に戻ってみたい。親になって面白いな、と思ったことなんだけれど、子どもって日に日に成長していくでしょう。スマホの中には赤ちゃんだった頃の写真も残っているけど、見違えるほど成長しているから、赤ちゃんだった頃はどんなだったっけ?と思い出すのが難しくなってきた感覚がある。当時の写真を見て、いろんな感情が喚起されるけど、それは今に至るまでに経験したことが加味された重層的なものだと思うから、純粋に生まれたばかりの頃の感覚を味わうために、戻ってみたいですね。子ども生まれてからの数ヶ月は特別なものだったから。
――お二人が関わった作品はどれも面白いです。一体、どういう時にアイデアが浮かぶのでしょうか。逆に何かアイデアが浮かばず行き詰まった時はどうしているのですか?
【リサ】シャワーを浴びている時や車を運転している時にアイデアが浮かぶことが多いわね。デスクの椅子に座って、「さぁ、いまからアイデアを出すぞ」といったところで出てくるものでもない。どちらかというとリラックスしている時、瞑想状態に近い時に思いつくことが多いです。何もアイデアが浮かんでこない、となればフラストレーションがたまるし、悲しくなるし、不安にもなる。そういう感覚というのはジョナサンも私もお互いに理解しているから、私たちはよくお互いに話をする中で刺激的なものを見つけたり、異なる経験を持ち寄ることでアイデアが生まれてたりしてきたから、私にとってはインスピレーションを与えてくれる彼と一緒にいることが大事なんだと思います。
【ジョナサン】どうやったらいいアイデアが浮かぶのかわかっていたら最高なんだけどね。運がよければやってくるという感じかな。リサが言ったことに近いけど、散歩に出かけたり、いまやらなければいけないことをとりあえず横に置いて、ほかのことをしてみたりするけど、どうやったらいいアイデアがやってくるかはいまだにミステリアス。だけど、僕のこれまでのキャリアを振り返ると、傍らにはいつもリサがいた。僕のアイデアはリサとの会話の中から生まれてきたように思う。彼女と会話をしていると自然と正しい答えが見えてくる感じがするんだよね。
――すてきなパートナーシップの関係、理想的ですね。
【リサ】ありがとう。(ジョナサンに出会えて)私は運が良かったと思っている。
【ジョナサン】ありがとう。
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公開中の映画『レミニセンス』は、人の記憶に潜入し、その記憶を360度の空間映像に再現することができるエージェント、ニック(ヒュー・ジャックマン)が主人公。ある日、ニックのもとに検察から仕事が舞い込む。それは、瀕死の姿で発見された新興勢力のギャング組織の男の記憶に潜入し、ギャングの正体と目的をつかめ、というものだった。男の記憶から映し出された謎の女性メイ(レベッカ・ファーガソン)を追って、多くの人々の記憶潜入を試みるニック。膨大な記憶と映像に翻ろうされるニックは、やがて予測もしなかった陰謀へと巻き込まれていく──。
■リサ・ジョイ&ジョナサン・ノーランの今後に注目
『ウエストワールド』で成功を収めたジョナサン・ノーランとリサ・ジョイの製作会社キルター・フィルムズは、Amazonスタジオが製作するウィリアム・ギブソンのSFサスペンス小説(2014年)をもとにしたテレビシリーズ「The Peripheral」(出演:クロエ・グレース・モレッツ、ゲイリー・カー)の撮影に入っている。また、Amazon向けのホラーアンソロジー「Unknown」の企画開発にも着手。加えて、世界的ベストセラーゲームシリーズ「Fallout」のテレビシリーズを手掛けることも決まっている。
このほか、ジョー・ネスボの小説をもとにしたHBO放送のシリーズ「The Son」(監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本:レノア・ザイオン、出演:ジェイク・ギレンホール)、「アイアンマン」「アベンジャーズ」シリーズのロバート・ダウニー・Jr.と妻スーザン・ダウニーの製作会社チーム・ダウニーと提携し、マイケル・クライトンの小説原作の「Spheres」の企画も進行中。
今後間違いなく、世界のど真ん中で活躍していく2人が手掛けた映画『レミニセンス』もチェックしておいて損はない。
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2021/09/19