1997年に公開され、密室サスペンスの先駆けとして世界中でカルト的人気を誇る映画『CUBE』(1997年)を、菅田将暉主演でリメイクした日本版『CUBE 一度入ったら、最後』(10月22日公開)。本日、9(きゅう)月2(ぶ)日は、<CUBEの日>ということで、原作オリジナル版『CUBE』の監督であり、リメイクを初公認し、クリエイティブ・デザイナーとして日本版にも参加するヴィンチェンゾ・ナタリのコメントが到着。あわせて、日本版『CUBE』の撮影現場レポートを紹介する。
2020年10月にクランクインした本作。「CUBE」のセットのデザインは、限られた空間の中でどの壁をどちら向きで撮影をするか、カットごとにパズルのような困難な状態をクリアするため、事前に作成した全カットの絵コンテを見ながら進められた。
ライブ・コンサート環境に匹敵するLED照明など多様な照明セット、袖の長さ・ポケット・ボタンなど細部まで綿密に設計した衣裳など、『CUBE』を彩る要素を加え、4.5メートル四方6面体の四角い箱、荘厳で圧倒的な存在感を放つセットを完成させた。オリジナルでは予算の都合上1つしか部屋が作られず、成し得なかったあらゆる角度からの撮影とCUBE間の一連での移動撮影を実現させるために、本作では四角い6面体の部屋が二つ隣り合わせとなっているものと、その上に半分の部屋、さらに移動できる壁面が作成された。
CUBE内のトラップ構築は、清水康彦監督と演出部が練り上げた数々の案に加え、オリジナル版のナタリ監督からもアイデアをもらい、日本式に進化を遂げた独創的なトラップが完成。撮影現場でのリアルな描写にこだわる監督の意向を踏まえながら、綿密にトラップのプランを詰めていった。
膨大なカット数の撮影の助けになったのは、事前に作成した絵コンテと演出部発案の大量の立方体で作られたミニチュア模型と撮り順表。使用するセル、ハッチ間の移動、カメラの角度など、詳細に書かれた資料が毎日配られ、ミニチュア模型と照らし合わせながら検証することで、大きな混乱もなく撮影を進めることができた。
終盤、毎日同じ閉塞的な空間でのハードな撮影に、キャスト・スタッフ共に、本当に「CUBE」に閉じ込められた感覚に陥り疲弊していった。が、楽屋では、座長の菅田を中心に、知恵の輪やルービックキューブで脳トレに励んだり、子役の田代輝の誕生日をコンサートさながらのLED照明で祝ったり、過酷な撮影の中でも楽しみを見つけながら、撮影を完遂することができた。
■異なる文化的側面を持ち込んで新鮮なものに
原作オリジナル版『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督は「本当にうれしいことだと思ったよ。アメリカでも『CUBE』のリメイク版の話が進んでいたんだけど、そっちはそれほど興味が持てなかった。僕の感覚だと、オリジナルと同じものになりそうな感じがしたから。日本版の場合は、異なる文化的側面を持ち込んで、スペシャルで新鮮なものになると思ったんだ」と、日本版リメイク製作を公認した理由に表明。
完成した日本版『CUBE』について「オリジナル版で上手く機能したものがなにかとてもよく理解してくれていたと思う。ストーリーの根本的な部分もうまく機能していたし、デザイン的な部分もそう。リメイクとしてうまくいったと感じた。キャラクターもそうだし、キューブの中での彼らの衝突もある。オリジナルとは異なる種類の映画だ」と、満足げ。
また、「『CUBE』のキーは、他のSF映画と同様に、何ができるのかというアイデアを弾ませ、これを維持すること。トラップは内臓を揺さぶるような高いショック度と信憑(しんぴょう)性がないといけない。自分が観客の立場になればなるほど、映画そのものよりもキャラクターと一緒にその場所に自分がいるとより感じることができる。日本版の『CUBE』はこの点が上手くいっていると思う」と振り返り、「ストーリーの転換は興味深かった。とても良かったね。キューブの中にいるキャラクターたちがお互いの関係を発展させていく様を描くのが上手だと思った」と、日本版リメイクを大絶賛している。
※記事初出時、タイトルが別の記事のものになっていました。ここにお詫び申し上げます。
2020年10月にクランクインした本作。「CUBE」のセットのデザインは、限られた空間の中でどの壁をどちら向きで撮影をするか、カットごとにパズルのような困難な状態をクリアするため、事前に作成した全カットの絵コンテを見ながら進められた。
ライブ・コンサート環境に匹敵するLED照明など多様な照明セット、袖の長さ・ポケット・ボタンなど細部まで綿密に設計した衣裳など、『CUBE』を彩る要素を加え、4.5メートル四方6面体の四角い箱、荘厳で圧倒的な存在感を放つセットを完成させた。オリジナルでは予算の都合上1つしか部屋が作られず、成し得なかったあらゆる角度からの撮影とCUBE間の一連での移動撮影を実現させるために、本作では四角い6面体の部屋が二つ隣り合わせとなっているものと、その上に半分の部屋、さらに移動できる壁面が作成された。
CUBE内のトラップ構築は、清水康彦監督と演出部が練り上げた数々の案に加え、オリジナル版のナタリ監督からもアイデアをもらい、日本式に進化を遂げた独創的なトラップが完成。撮影現場でのリアルな描写にこだわる監督の意向を踏まえながら、綿密にトラップのプランを詰めていった。
膨大なカット数の撮影の助けになったのは、事前に作成した絵コンテと演出部発案の大量の立方体で作られたミニチュア模型と撮り順表。使用するセル、ハッチ間の移動、カメラの角度など、詳細に書かれた資料が毎日配られ、ミニチュア模型と照らし合わせながら検証することで、大きな混乱もなく撮影を進めることができた。
終盤、毎日同じ閉塞的な空間でのハードな撮影に、キャスト・スタッフ共に、本当に「CUBE」に閉じ込められた感覚に陥り疲弊していった。が、楽屋では、座長の菅田を中心に、知恵の輪やルービックキューブで脳トレに励んだり、子役の田代輝の誕生日をコンサートさながらのLED照明で祝ったり、過酷な撮影の中でも楽しみを見つけながら、撮影を完遂することができた。
■異なる文化的側面を持ち込んで新鮮なものに
原作オリジナル版『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督は「本当にうれしいことだと思ったよ。アメリカでも『CUBE』のリメイク版の話が進んでいたんだけど、そっちはそれほど興味が持てなかった。僕の感覚だと、オリジナルと同じものになりそうな感じがしたから。日本版の場合は、異なる文化的側面を持ち込んで、スペシャルで新鮮なものになると思ったんだ」と、日本版リメイク製作を公認した理由に表明。
完成した日本版『CUBE』について「オリジナル版で上手く機能したものがなにかとてもよく理解してくれていたと思う。ストーリーの根本的な部分もうまく機能していたし、デザイン的な部分もそう。リメイクとしてうまくいったと感じた。キャラクターもそうだし、キューブの中での彼らの衝突もある。オリジナルとは異なる種類の映画だ」と、満足げ。
また、「『CUBE』のキーは、他のSF映画と同様に、何ができるのかというアイデアを弾ませ、これを維持すること。トラップは内臓を揺さぶるような高いショック度と信憑(しんぴょう)性がないといけない。自分が観客の立場になればなるほど、映画そのものよりもキャラクターと一緒にその場所に自分がいるとより感じることができる。日本版の『CUBE』はこの点が上手くいっていると思う」と振り返り、「ストーリーの転換は興味深かった。とても良かったね。キューブの中にいるキャラクターたちがお互いの関係を発展させていく様を描くのが上手だと思った」と、日本版リメイクを大絶賛している。
※記事初出時、タイトルが別の記事のものになっていました。ここにお詫び申し上げます。
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2021/09/02