東京五輪に出場した卓球チームが7日、都内で会見を開き、伊藤美誠（20）との混合ダブルスで金メダル、男子団体で銅メダルを獲得した水谷隼（32）が現役を引退する意向であることを明かした。

　水谷は「東京でオリンピックが開催されると決まったときから、僕はこの大会が集大成だと思ってやってきたので、そこで最高の結果を残せてよかったです。頼もしい後輩たちがいるので、パリの五輪ではぜひ頑張ってほしいなという気持ちでいっぱいです」とコメント。「僕はこの先競技を続けることはないと思うんですけど、オリンピックの怖さは改めて感じましたね。1本のミスが勝敗を左右する、命取りになる。今回、僕たちはいい意味で逆転勝ちが多くて、オリンピックの怖さを体験できました」と言葉に力を込めた。

　続けて「自分としては、この先40歳になっても50歳になっても卓球を続けたいという気持ちはすごく持っていますし、そういう中で自分が競技人生を終えてしまうのは悲しいしさみしいというのはあります」と率直な思いを吐露。「最終的な判断はできてないんですけど、完全に卓球から離れると思います。それは目の影響が大きくて、正直目が完治するならば、40歳でも50歳でもやりたいと思っているんですけど、現状治療法もないということで、くやしいですけど、自分の冒険はここまでかな」と明かしていた。

　男子団体でともに戦い、銅メダル決定後のインタビューでは、水谷に引退の撤回を迫っていた張本智和（18）は「きのうの試合後から話をしたり、1日かけて自分なりに説得というか、してみたんですけど、やっぱり水谷さんの意志は固いですし、それくらいの覚悟をもったからこそ、金メダル、団体でも最後決めてくれたりっていうのもあると思うので、自分はもう拒否はしないですし、その意見を尊重したいと思います」と語った。