米俳優ジョニー・デップ製作／主演、映画『MINAMATA−ミナマタ−』（9月23日公開）の日本版30秒予告編と場面写真11点が解禁された。

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　熊本県水俣市のチッソ工場の廃水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏による写真集「MINAMATA」（1975年）だった。

　報道写真家として活躍するユージン氏のことを長年の憧れていたというジョニー・デップ。「映画の持つ力をフルに活用して、この歴史は語り継がれなければならない」と、ユージン氏の遺作ともなったこの写真集を基に、自ら製作/主演で映画化。「彼（ユージン氏）は心の中に痛みを抱えていた。でも、水俣が彼の心を再び開いたんだと思う」と語るジョニー・デップが容姿から内面に至るまで、傷ついた写真家が、再びカメラを手に取り、闘いに身を投じていくその生き様を見事に体現し現代によみがえらせた。

　本作は、2020年ベルリン国際映画祭で特別招待作としてワールドプレミア上映され、「デップが最高の演技を披露」「デップが役に消える」と、ジョニー・デップの演技を各国メディアが絶賛。共演はビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子などが参加している。音楽を手掛けたのは坂本龍一。今年、2021年（5月1日）は水俣病公式確認から65年、環境庁（現・環境省）発足50年を迎える。

　映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージンが、妻アイリーンとともに水俣を訪れ、現地で暮らし人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を写真に収めていく濃密な日々が描かれる。

　今回解禁された30秒予告は、ユージン・スミスが、危機にある水俣を訪れ、人々の前で「共に闘いたい」と語る姿や、激しい暴行を受け包帯だらけになりながらも、真実を伝えるために必死にカメラの前に立つ姿などが、坂本による情感あふれる音楽をバックに映され、本人かと見間違うほどに役になりきったジョニーの迫真の演技と、水俣での激しく、熱いドラマを予感させる予告編となっている。また、チッソに補償を求める活動のリーダーを演じた真田広之の鬼気迫る演技も見どころ。

　また場面写真では、ユージンとアイリーン（美波）がチッソの工場の前で果敢に撮影に挑む姿、『LIFE』の編集長（ビル・ナイ）に水俣への取材を訴える場面、チッソの社長（國村隼）と対峙するユージン、水俣病の被害で生まれつき目が見えず話せない娘を持つ夫妻（浅野忠信、岩瀬晶子）、チッソに補償を求める中心メンバーの一人（加瀬亮）と水俣の調査をするユージンとアイリーン、など緊迫のシーンと主要キャストたちのそれぞれの複雑な表情を見ることができる。

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