DCコミックスの生ける伝説ともいわれているコミック・アーティスト兼DCコミックスの共同発行人であるジム・リー氏へのオンラインインタビューが実現。今年、生誕80周年を迎える“ワンダーウーマン”や、映画『ザ・スーサイド・スクワッド』で大活躍するヴィラン(悪役)を魅力、6月25日から六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー スカイギャラリーで日本初開催となる「DC展 スーパーヒーローの誕生」(〜9月5日まで)について聞いた。
――日本では4月21日より『ワンダーウーマン 1984』のBlu-ray&DVDが発売されます。このキャラクターが、1941年の初登場以来、実に80年もの間、全く古びることなく人々に愛されるアイコンとなっている理由をどのようにお考えでしょうか?
【ジム・リー】長年続くキャラクターは、アクション・アドベンチャー以上の何かを象徴するものなのだと思う。ワンダーウーマンがDCコミックスでデビューしてから80年も続いたのは、慈悲心、平和、品位、真実など、現代社会が希求するもっとも崇高な価値観を体現しているからでしょう。それに加え実写映画が2本できて、映画というメディアの力が改めて証明されたわけだが、ワンダーウーマンが生身の三次元キャラクターとして大スクリーンに現れ、世界を救うその姿は広い世代に訴求し、次の世代にも引き継がれていくだろう。実写版のキャラクターを作り出してくれたパティ・ジェンキンス監督にはとても感謝しています。
――『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』の公開が8月13日に決まりましたが、DCにおけるヴィランの重要性について、ご自身のお考えをお聞かせください。
【ジム・リー】「ヒーローはその敵の偉大さによって決定づけられる」とはよく言われることで、最も偉大なる英雄になるには最も偉大なヴィランと互角に戦わなければならない。DCユニバースにおけるヴィランたちはフィクションの世界における最強の奴らが集結している。そんなスーパー・ヴィランたちがスーサイド・ミッションに挑むわけだが、それは贖罪を求めてのことであるという点が面白い。この設定が彼らに人間性をもたらしている。ヴィランは「悪」一辺倒で描かれがちだが、悪の道を選んだのには理由があるわけで、多くの場合その日をなんとか生き延びるために悪に手を染めてしまっただけのことだ。
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』では、ジェームズ・ガンによるヴィランらの描写は洞察に富み、いかに魅力的にパワフルに描くかをよく考察しているのがわかる。彼はキャラクターたちを生き生きと蘇らせるようなユニークなストーリーを語っています。個人的には、キング・シャーク、ポルカドットマン、ウィーゼル、ラットキャッチャー2――しかも1じゃないよ! 2だよ!――などのキャラたちをようやくマス向けにお披露目できてうれしい。ジェームズ・ガンは、どんなキャラクターであっても、観客をワクワクさせるものに仕立てあげる。ファンたちが映画を見たらきっとそう感じてもらえると思う。
――独自の漫画文化を持つ日本で、初めて「DC展 スーパーヒーローの誕生」が開催されることに関していかがでしょうか?
【ジム・リー】僕が日本の漫画を発見したのが1980年代のことだったのだけど、DCをまだ知らないみなさんには、僕がその時に感じた同じ驚きを感じてもらえたらうれしい。僕は日本の漫画を発見するまではアメコミしか知らなかったので、アメコミのリズムや絵とせりふによるストーリーテリングの原理原則に慣れ親しんでおり、その原理から大きくかけ離れた日本の漫画を知った時の衝撃は相当なものだった。
ストーリーや特殊効果や動きを伝える絵の法則が従来の西洋のコミックスとは全く違うものだったので、新たな言語を学ぶかのような感覚で人生を変えるほどのインパクトがあった。逆に日本の漫画しか知らないのであれば、アメコミのビジュアル言語やストーリーテリングの法則が新たな発見をもたらしてくれるに違いない。初めてアメコミを経験する人がうらましくてしょうがないよ。
――あなたにとって、最もお気に入りのDC映像化作品はどれですか? その理由も教えてください。
【ジム・リー】映像化作品の中で好きなものを選べというのは「子どもを選べ」と言われるようなもので、答えに困るのだけど、キャラクターでお気に入りをあげるなら、あまり知られていないマニアックなのが好きかな。マタイーター・ラッドというのがいて、リージョン・オブ・スーパーヒーローズという未来のヒーロー集団の一員なんだ。爆発寸前の原子爆弾を食べて爆発を防いだりする。子どもの時にかっこいいスーパーパワーだと思っていた。DCユニバースの中にはそういう風変わりなキャラクターがいて、DCコミックスを読み始めた子どもの頃はそういう要素が好きだった。
■『ワンダーウーマン 1984』
デジタル先行配信中
Blu-ray&DVDリリース中
WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and (C) DC. Wonder Woman 1984 (C) 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
■『バットマン』&『ワンダーウーマン』を擁する 最大級のアメコミ出版社・DC 日本初の特別総合展『DC展 スーパーヒーローの誕生』
会期:2021年6月25日(金)〜9月5日(日)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー スカイギャラリー
https://tcv-taod.roppongihills.com
――日本では4月21日より『ワンダーウーマン 1984』のBlu-ray&DVDが発売されます。このキャラクターが、1941年の初登場以来、実に80年もの間、全く古びることなく人々に愛されるアイコンとなっている理由をどのようにお考えでしょうか?
【ジム・リー】長年続くキャラクターは、アクション・アドベンチャー以上の何かを象徴するものなのだと思う。ワンダーウーマンがDCコミックスでデビューしてから80年も続いたのは、慈悲心、平和、品位、真実など、現代社会が希求するもっとも崇高な価値観を体現しているからでしょう。それに加え実写映画が2本できて、映画というメディアの力が改めて証明されたわけだが、ワンダーウーマンが生身の三次元キャラクターとして大スクリーンに現れ、世界を救うその姿は広い世代に訴求し、次の世代にも引き継がれていくだろう。実写版のキャラクターを作り出してくれたパティ・ジェンキンス監督にはとても感謝しています。
――『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』の公開が8月13日に決まりましたが、DCにおけるヴィランの重要性について、ご自身のお考えをお聞かせください。
【ジム・リー】「ヒーローはその敵の偉大さによって決定づけられる」とはよく言われることで、最も偉大なる英雄になるには最も偉大なヴィランと互角に戦わなければならない。DCユニバースにおけるヴィランたちはフィクションの世界における最強の奴らが集結している。そんなスーパー・ヴィランたちがスーサイド・ミッションに挑むわけだが、それは贖罪を求めてのことであるという点が面白い。この設定が彼らに人間性をもたらしている。ヴィランは「悪」一辺倒で描かれがちだが、悪の道を選んだのには理由があるわけで、多くの場合その日をなんとか生き延びるために悪に手を染めてしまっただけのことだ。
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』では、ジェームズ・ガンによるヴィランらの描写は洞察に富み、いかに魅力的にパワフルに描くかをよく考察しているのがわかる。彼はキャラクターたちを生き生きと蘇らせるようなユニークなストーリーを語っています。個人的には、キング・シャーク、ポルカドットマン、ウィーゼル、ラットキャッチャー2――しかも1じゃないよ! 2だよ!――などのキャラたちをようやくマス向けにお披露目できてうれしい。ジェームズ・ガンは、どんなキャラクターであっても、観客をワクワクさせるものに仕立てあげる。ファンたちが映画を見たらきっとそう感じてもらえると思う。
――独自の漫画文化を持つ日本で、初めて「DC展 スーパーヒーローの誕生」が開催されることに関していかがでしょうか?
【ジム・リー】僕が日本の漫画を発見したのが1980年代のことだったのだけど、DCをまだ知らないみなさんには、僕がその時に感じた同じ驚きを感じてもらえたらうれしい。僕は日本の漫画を発見するまではアメコミしか知らなかったので、アメコミのリズムや絵とせりふによるストーリーテリングの原理原則に慣れ親しんでおり、その原理から大きくかけ離れた日本の漫画を知った時の衝撃は相当なものだった。
ストーリーや特殊効果や動きを伝える絵の法則が従来の西洋のコミックスとは全く違うものだったので、新たな言語を学ぶかのような感覚で人生を変えるほどのインパクトがあった。逆に日本の漫画しか知らないのであれば、アメコミのビジュアル言語やストーリーテリングの法則が新たな発見をもたらしてくれるに違いない。初めてアメコミを経験する人がうらましくてしょうがないよ。
――あなたにとって、最もお気に入りのDC映像化作品はどれですか? その理由も教えてください。
【ジム・リー】映像化作品の中で好きなものを選べというのは「子どもを選べ」と言われるようなもので、答えに困るのだけど、キャラクターでお気に入りをあげるなら、あまり知られていないマニアックなのが好きかな。マタイーター・ラッドというのがいて、リージョン・オブ・スーパーヒーローズという未来のヒーロー集団の一員なんだ。爆発寸前の原子爆弾を食べて爆発を防いだりする。子どもの時にかっこいいスーパーパワーだと思っていた。DCユニバースの中にはそういう風変わりなキャラクターがいて、DCコミックスを読み始めた子どもの頃はそういう要素が好きだった。
■『ワンダーウーマン 1984』
デジタル先行配信中
Blu-ray&DVDリリース中
WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and (C) DC. Wonder Woman 1984 (C) 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
■『バットマン』&『ワンダーウーマン』を擁する 最大級のアメコミ出版社・DC 日本初の特別総合展『DC展 スーパーヒーローの誕生』
会期:2021年6月25日(金)〜9月5日(日)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー スカイギャラリー
https://tcv-taod.roppongihills.com
このニュースの流れをチェック
- 1. DCコミックス生ける伝説ジム・リー「神話を拡大させていくのはとても楽しい作業」
- 2. DCコミックス生ける伝説ジム・リー「アメコミが新たな発見をもたらしてくれるに違いない」
- 3. ジェームズ・ガン監督『ザ・スーサイド・スクワッド』8・13公開決定
- 4. 『DC展』バットポッドがやってくる スーパーマンのコスチューム展示も
- 5. 『DC展』会場構成や展示イメージ解禁 割引チケットの販売も決定
- 6. 『ザ・スーサイド・スクワッド』“クセのつよい”アクション満載、劇場予告編解禁
- 7. 『DC展』浴衣&帯やスカジャンも 記念グッズ&コラボメニュー解禁
- 8. 『ザ・スーサイド・スクワッド』敵の姿は超巨大!? 必死な顔で逃げるハーレイら場面写真解禁
- 9. 『ザ・スーサイド・スクワッド』刺激と笑い満載の本予告、全世界で解禁
- 10. 『ザ・スーサイド・スクワッド』吹替声優陣が超豪華 オールスターキャスト発表
- 11. 『ザ・スーサイド・スクワッド』最新作は「R15+」指定に 新場面写真も解禁
- 12. 『ザ・スーサイド・スクワッド』巨大怪獣、日本来襲!? 最新映像も解禁
- 13. 『ザ・スーサイド・スクワッド』怪獣へのオマージュポスター世界に先駆け日本解禁
- 14. “ハーレイ・クイン”マーゴット・ロビー、新スースクは「常軌を逸していた」
- 15. 『ザ・スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインは一味違う ポール・ディニ版を再現
- 16. 「土竜の唄」作者・高橋のぼる、『ザ・スーサイド・スクワッド』イラスト寄稿
- 17. 『ザ・スーサイド・スクワッド』キャスト陣から称賛の声「ジェームズ・ガンはやばい」
- 18. 「BEASTARS」板垣巴留が描くハーレイ&キングシャーク 特別イラスト解禁
コメントする・見る
2021/04/21