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前田敦子、独立決断は「自分の人生に責任」 “センター”へのこだわりなく役者を軸に

 人気グループ・AKB48でセンターを務め、卒業後は女優として活躍を見せる前田敦子(29)。黒沢清監督とタッグを組んだ『旅のおわり世界のはじまり』(19年)では座長として「山路ふみ子女優賞」を受賞。一方で『コンフィデンスマンJP』シリーズや『奥様は、取り扱い注意』などでは“バイプレイヤー”として作品を輝かせる側面も持つ。そして、成田凌主演の『くれなずめ』(4月29日公開)でも、見事なバイプレイヤーぶりを見せる彼女にその醍醐味(だいごみ)を聞いた。

独立後も役者を軸として活動することを話した前田敦子【撮影/上野留加】 (C)ORICON NewS inc.

独立後も役者を軸として活動することを話した前田敦子【撮影/上野留加】 (C)ORICON NewS inc.

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 本作は、メガホンをとった松居大悟監督の実体験をモチーフにした完全オリジナルの舞台劇を映画化したもの。吉尾和希役を成田、舞台演出家として活動する藤田欽一役を高良健吾、欽一の劇団に所属する舞台役者・明石哲也役を若葉竜也、仲間内の後輩で唯一家庭を持つサラリーマンの曽川拓(ソース)役を浜野謙太、学生時代の後輩で会社員の田島大成役を藤原季節、仲間内で唯一地元に残ってネジ工場で働く水島勇作(ネジ)役を目次立樹が演じる。

 前田が演じるのは、吉尾の同級生で高校時代は清掃委員の完璧主義者・ミキエ。そして、今回のオファーは監督、キャスト、スタッフらが話し合って前田を抜てきした経緯があり「オーディションに受かったような気分でうれしかったです」とノリノリで本作への出演を決めた。

 吉尾たち男6人が“わちゃわちゃ”と過ごし、あの頃を思い出すかのような青春模様が描かれる本作。前田は「男の子たちの姿が赤裸々と描かれて、いつでも子どものように10代に戻ることができるのは男性ならではですよね」と実際に映画を見た感想を語る。

 「女性はみんなで年を重ねるというか。女子同士だと、あの頃に戻るということがあまりないんですよね。特に子どもがいるとみんなで子どもの話になりますし『子どもが何歳になったときにこうしていたいよね?』と未来の話をすることが多いです。どちらが良いというわけではなく、男の子たちはバカ騒ぎできるのがうらやましいと思います」。

 本作では高校時代からその12年後までを演じており、慣れ親しんでいる制服姿も披露している前田だが「勇気がいりますよね…(笑)。もう鏡が見られないです」と苦笑い。「『町田くんの世界』(19年)や高良くんと共演した『葬式の名人』(19年)で、制服はもうないよなって思ってたんですけどね。なんで30歳間際にこう一気にくるのだろうと(笑)。もう(制服は)いいよとどこかで思っている部分もあれば、何十歳になってでも着てと言われたら着ます」と必要とあれば学生役もやるという決意を見せる。

 「大人になるってこういうことかもしれないですね。見た目とのギャップを感じたり、そういう瞬間なのかも。今回は(肌の)ハリがないな〜と反省しました」と自虐を交えて振り返った。

■AKB時代はセンターの“役割”をまっとう「『私がセンターです!』という感覚はなかった」

 『葬式の名人』や『旅のおわり世界のはじまり』と主演作も務める中、『コンフィデンスマンJP』や『マスカレード・ホテル』(19年)、『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』(公開中)など、脇で光る演技を見せることも多い前田。AKB時代から“センター”で輝きを見せていた彼女だが「作品において自分がセンターになりたいという願望はまったくないです」ときっぱりと言う。

 「センターはやりたくてやっていたタイプではないです。AKBの環境はものすごく楽しかったので、与えられた役をまっとうしていたという感じです。『私がセンターです!』という感覚はなかったです」とアイドルとして活動していたときも、自分自身の役割を見つめてそれをしっかりとこなしていた。

 「映画や作品でも同じ感覚かもしれませんね。与えていただけたものをとにかく楽しむ。自分から(センターを)つかみに行くことはないです。求められてナンボの世界ですので、自分で居場所を決めたくない。『私はここじゃないとやらない、やりたくない』ではなく、ワンシーンでもいいから前田敦子が出ていたことで『おもしろい!』と思っていただけるならうれしいです」と臨機応変に柔らかい姿勢で仕事に臨んでいる。

■「自分の人生にも責任を持たないと」 独立決断でより“やりたいこと”に挑戦

 昨年12月31日をもって、それまで所属していた事務所・太田プロダクションを退所して独立を決断した前田。その決断に至るには「時代の流れとともに考え始めました。同じ職業で少し違う職種の方たちが、フリーランスの方もいます。だったら『出る側もフリーでいいのでは?』と背中を押してもらったところはありますね」と周囲の影響もあった明かした。

 「最初は(独立を)考えていなかったです。でも、子どもを産んで、自分が責任を持たなければいけなくなったものが目の前にできたときに、子どもだけでなく自分の人生にも責任を持たないといけないと思ったことが大きいです」と自分自身がさらに人生を充実させていくための前向きな一歩だという。

 退所時には「何一つ具体的なことは決まっていません」とコメントを発表していた前田だが「軸となるのは演技です。まんべんなくこなせる器用なタイプではないので」と役者を中心に仕事に励むという決意はぶれない。

 「行動力には自信があります。どうしようと考える暇があるなら『やってみよう!』というタイプなので。やりたいと思ったときにやらないと。後悔したくないので」。

◆前田敦子(まえだ・あつこ) 1991年7月10日生まれ 千葉県出身
アイドルグループ・AKB48の元メンバーで第1期生。“あっちゃん”の愛称で親しまれ、2012年にグループを卒業。卒業後は舞台や映画を中心に活躍を続けている。5月24日から上演される舞台『フェイクスピア』に出演する。

関連写真

  • 独立後も役者を軸として活動することを話した前田敦子【撮影/上野留加】 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『くれなずめ』に出演する前田敦子【撮影/上野留加】 (C)ORICON NewS inc.
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