NHK総合で22日から放送開始のドラマ10『ドリームチーム』(毎週金曜 後10:00〜10:44、連続8回)で主演する女優の山口紗弥加。本作で演じる主人公・香菜は、高校時代、バスケ部のキャプテンを務めていたという重要な設定があり、劇中でバスケットボールをプレイするシーンもある。「もともとバスケットボールが苦手だった」という山口が役作りのためにとった行動は、漫画の『SLAM DUNK』を読むことだった!?
「最初に『SLAM DUNK』でバスケの基本を勉強しました(笑)。あとは、ボールを胸に抱いて眠ってみたり(笑)。バスケットボール指導の先生のアドバイスが、『とにかくボールに触れてください』だったので、『キャプテン翼』の翼くんみたいに、ボールと友達になろうと思って(笑)。自分でも何をやっているんだろうって思いましたが、時間は有限で、そうするほかなかったというのが正直なところです。いまだに悔しいな、って思います」
そんな影の(?)努力もあり、「指導の先生は、練習の成果が見えると。本番で監督からOKが出たあとは、笑顔で『やっぱり練習ってうそつかないね』と励ましてくださって。何事も一朝一夕にはいかないことを理解した上で、全くできなかったことが少しずつでもできるようになってくると、単純にうれしくて。小さくても達成感というものがあって、その小さな達成感は私の中で、たしかな自信につながっていきました。物事の大小にかかわらず、何かを乗り越えようとするときって、想像以上に大きな力を与えてくれるものなんだと実感しました」。
本作で山口が演じる香菜は、最愛の娘とコメンテーターとしても活躍する大学教授の夫・圭吾(前川泰之)と暮らし、ママ友から羨望のまなざしを受けていたが、現実は、モラハラDVの夫に抑圧された生活を隠して暮らしていた女性。ある日、夫が女子大生相手に恥ずかしいセクハラ、アカハラをしていたことが週刊誌にすっぱ抜かれてしまう。必死で繕ってきた自分、家庭、人生のすべてが壊れてしまった彼女は家を飛び出し、かつて青春を過ごしたバスケットボール部の寮に住むことを決める。そこで、香菜と同じように予想もしなかった出来事に見舞われた女性たちと出会い、偽りの自分から解放されて再生していく姿を描く。
■「40代は主体的に生きる」さらに一皮むけた演技に期待
制作発表時、「これまでなかなか共感できない『怖い役』が続き、そういう役に魅力を感じつつも、等身大の女性を演じたい!という内なる願望が募っていくなかでいただいたお話でした」というコメントを出した山口。
10代から女優として活躍し続け、毎クール、必ずどこかのドラマに出ている女優、というイメージで確固たる信頼を築いてきた。近年は、2018年放送のドラマ『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』(フジテレビ)で、遺産のために毒殺を繰り返す狂気の妻や、同年、芸歴24年(当時)にして初となる連続ドラマの主演に起用された『ブラックスキャンダル』(日本テレビ)で髪を振り乱して涙を流し絶叫する迫力ある演技が絶賛された。19年には主演ドラマ『絶対正義』(東海テレビ・フジテレビ)で“正義のモンスター”にして“最恐主婦”役を熱演。昨年も『共演NG』(テレビ東京)で嫉妬深い主人公の妻を怪演した。
色気、美貌、知性、狂気、どんな役も期待に応え、時に期待を超えてくる山口だが、意外と少なかったのが、等身大の女性の役。
「自分とかけ離れたキャラクターをあれこれ想像しながら演じるのも楽しいのですが、いまの年齢で、いまの自分にしか演じられない役もやってみたい、自分の延長線上で、この時代をリアルに生きる等身大の女性を演じてみたい、と思っていたところだったんです。この『ドリームチーム』の台本をいただいて、日々何かを諦め、我慢しながらも、最善、最良を目指して懸命に生きる香菜に共感し、彼女に私の人生を捧げたいと思いました。何だか大げさですね(笑)」
ドラマの制作過程においては、高校バスケの強豪校・桜花学園(愛知)の練習や女子寮を見学したことも有意義だったと話す。
「役作りだけでなく、これから先、生きていく上で大きな力となるような、血肉となるものを見つけた、そんな感覚すらあります。桜花学園の練習を見ていて驚いたのは、みんなで一斉に同じ練習メニューをやっているわけではなく、個人個人で自分にあったメニューをこなしていたところ。コーチの方に『皆さん自主的に練習されているんですね』と質問したら、『自主的ではありません。自主的とは、やるべき事が決まっているときに物事を進んで行うこと。私が求めているのは、やるべきことを自分で考えて行動する主体的な練習です』とおっしゃって。『主体的』という言葉にはっとしました。真の不自由さを作っているのは私自身なのかもしれない、ということを教えてもらった気がします。その日から、40代は主体的に生きよう、と思いました」
さまざまな気づきを得て、女優としてまた一皮むけた演技が見られそうだ。しかも、本作のせりふには、いまの世の中に生きづらさを感じている女性の心に突き刺さる名言も多く、山口にも刺さりまくっているという。
「きっと視聴者の皆さんにも同じような感覚を味わっていただけるんじゃないかと信じています」
■あらすじ
高校バスケ部恩師・安東勝仁(伊武雅刀)のお別れ会に集まった元女子部員たち。中でもひときわ不幸のオーラをまとう元キャプテンの3人、榎木香菜(山口紗弥加)、鶴賀優子(財前直見)、三代澤茜(桜庭ななみ)。それぞれが予想もしなかった出来事に見舞われたばかりで、「自分のピークは高校時代だった…」と自嘲する。そんな中、恩師の妻・佳恵(余貴美子)からの一言で事態が急変する。
「バスケ寮に住まない?」
ひとつ屋根の下に住むことになった3人に、恩師の息子・悠一(味方良介)、香菜の娘・環(根本真陽)も加わり、世代の違う6人の『疑似家族』生活が始まる。それぞれが懸命に変わろうとする中、果たして彼女たちの人生に一発逆転はあるのか――!?
「最初に『SLAM DUNK』でバスケの基本を勉強しました(笑)。あとは、ボールを胸に抱いて眠ってみたり(笑)。バスケットボール指導の先生のアドバイスが、『とにかくボールに触れてください』だったので、『キャプテン翼』の翼くんみたいに、ボールと友達になろうと思って(笑)。自分でも何をやっているんだろうって思いましたが、時間は有限で、そうするほかなかったというのが正直なところです。いまだに悔しいな、って思います」
そんな影の(?)努力もあり、「指導の先生は、練習の成果が見えると。本番で監督からOKが出たあとは、笑顔で『やっぱり練習ってうそつかないね』と励ましてくださって。何事も一朝一夕にはいかないことを理解した上で、全くできなかったことが少しずつでもできるようになってくると、単純にうれしくて。小さくても達成感というものがあって、その小さな達成感は私の中で、たしかな自信につながっていきました。物事の大小にかかわらず、何かを乗り越えようとするときって、想像以上に大きな力を与えてくれるものなんだと実感しました」。
本作で山口が演じる香菜は、最愛の娘とコメンテーターとしても活躍する大学教授の夫・圭吾(前川泰之)と暮らし、ママ友から羨望のまなざしを受けていたが、現実は、モラハラDVの夫に抑圧された生活を隠して暮らしていた女性。ある日、夫が女子大生相手に恥ずかしいセクハラ、アカハラをしていたことが週刊誌にすっぱ抜かれてしまう。必死で繕ってきた自分、家庭、人生のすべてが壊れてしまった彼女は家を飛び出し、かつて青春を過ごしたバスケットボール部の寮に住むことを決める。そこで、香菜と同じように予想もしなかった出来事に見舞われた女性たちと出会い、偽りの自分から解放されて再生していく姿を描く。
■「40代は主体的に生きる」さらに一皮むけた演技に期待
制作発表時、「これまでなかなか共感できない『怖い役』が続き、そういう役に魅力を感じつつも、等身大の女性を演じたい!という内なる願望が募っていくなかでいただいたお話でした」というコメントを出した山口。
10代から女優として活躍し続け、毎クール、必ずどこかのドラマに出ている女優、というイメージで確固たる信頼を築いてきた。近年は、2018年放送のドラマ『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』(フジテレビ)で、遺産のために毒殺を繰り返す狂気の妻や、同年、芸歴24年(当時)にして初となる連続ドラマの主演に起用された『ブラックスキャンダル』(日本テレビ)で髪を振り乱して涙を流し絶叫する迫力ある演技が絶賛された。19年には主演ドラマ『絶対正義』(東海テレビ・フジテレビ)で“正義のモンスター”にして“最恐主婦”役を熱演。昨年も『共演NG』(テレビ東京)で嫉妬深い主人公の妻を怪演した。
色気、美貌、知性、狂気、どんな役も期待に応え、時に期待を超えてくる山口だが、意外と少なかったのが、等身大の女性の役。
「自分とかけ離れたキャラクターをあれこれ想像しながら演じるのも楽しいのですが、いまの年齢で、いまの自分にしか演じられない役もやってみたい、自分の延長線上で、この時代をリアルに生きる等身大の女性を演じてみたい、と思っていたところだったんです。この『ドリームチーム』の台本をいただいて、日々何かを諦め、我慢しながらも、最善、最良を目指して懸命に生きる香菜に共感し、彼女に私の人生を捧げたいと思いました。何だか大げさですね(笑)」
ドラマの制作過程においては、高校バスケの強豪校・桜花学園(愛知)の練習や女子寮を見学したことも有意義だったと話す。
「役作りだけでなく、これから先、生きていく上で大きな力となるような、血肉となるものを見つけた、そんな感覚すらあります。桜花学園の練習を見ていて驚いたのは、みんなで一斉に同じ練習メニューをやっているわけではなく、個人個人で自分にあったメニューをこなしていたところ。コーチの方に『皆さん自主的に練習されているんですね』と質問したら、『自主的ではありません。自主的とは、やるべき事が決まっているときに物事を進んで行うこと。私が求めているのは、やるべきことを自分で考えて行動する主体的な練習です』とおっしゃって。『主体的』という言葉にはっとしました。真の不自由さを作っているのは私自身なのかもしれない、ということを教えてもらった気がします。その日から、40代は主体的に生きよう、と思いました」
さまざまな気づきを得て、女優としてまた一皮むけた演技が見られそうだ。しかも、本作のせりふには、いまの世の中に生きづらさを感じている女性の心に突き刺さる名言も多く、山口にも刺さりまくっているという。
「きっと視聴者の皆さんにも同じような感覚を味わっていただけるんじゃないかと信じています」
■あらすじ
高校バスケ部恩師・安東勝仁(伊武雅刀)のお別れ会に集まった元女子部員たち。中でもひときわ不幸のオーラをまとう元キャプテンの3人、榎木香菜(山口紗弥加)、鶴賀優子(財前直見)、三代澤茜(桜庭ななみ)。それぞれが予想もしなかった出来事に見舞われたばかりで、「自分のピークは高校時代だった…」と自嘲する。そんな中、恩師の妻・佳恵(余貴美子)からの一言で事態が急変する。
「バスケ寮に住まない?」
ひとつ屋根の下に住むことになった3人に、恩師の息子・悠一(味方良介)、香菜の娘・環(根本真陽)も加わり、世代の違う6人の『疑似家族』生活が始まる。それぞれが懸命に変わろうとする中、果たして彼女たちの人生に一発逆転はあるのか――!?

2021/01/22