衣装の造形から背景、カメラアングルまで徹底的にこだわり、作品の世界観を忠実に再現するコスプレ。その魅力はメイクや美容、スタイルの維持にこだわることで、男性でも女性のキャラクターに、女性でも男性のキャラクターになりきり、ハイレベルな作品を作り出せるところにあるという。今回は、こだわりの光る女装コスプレと、素の状態とのギャップが話題になった2人のコスプレイヤーにクローズアップ。女装コスプレに取り組むようになった経緯や、ツイートに込めた思いなどを話してもらった。
■女装により失った友人も…母親の応援でコスプレ活動に邁進「もっと綺麗になってやる」
コスプレ時の写真と、コスプレ未経験だった8年前の素の状態の写真を比較するツイートをアップし、反響を呼んだ茶柱マキナさん。“女装コスプレ”にこだわる理由を聞いてみたところ、初めて目にしたコスプレが女装だった…ということが大きく影響しているという。
「中学生のときに、先輩たちが文化祭で女装をしているのを見て、『おもしろそう!』と思ったのが、コスプレに興味を持つようになったきっかけです。当時から、女性キャラクターに憧れることも多くて、せっかくコスプレをするからには、性別の壁を越えてみたい…という気持ちで挑戦しています!」。
しかし、その趣味を公表してしまうと「友だちが離れていくのでは?」という葛藤もあったそうで、事実、周囲に思いがけない形で女装コスプレの趣味がバレてしまったときには、失った友人もいたという。そのような状況でも、コスプレを諦めずに続けられた理由には、母親の存在があった。「『どうせやるのなら、とことん綺麗になりなさい!』と応援してくれたんです。この一言が、自分の中での抵抗や葛藤を振りほどいてくれました」と話してくれた。
コスプレ活動に邁進するマキナさんだが、コスプレ写真と過去の素の状態の写真を並べてアップしたのには、どのような狙いがあったのだろうか? 「約8年間コスプレ活動を続けてきて、自分はどれくらい成長できたのかを、客観的に見てみたくなったんです」。
そこには迷いはなく、むしろ、コスプレに興味はあるものの、なかなか一歩を踏み出せない人たちに向けて“応援する気持ち”のほうが大きかったよう。「女装に興味がある方たちに対して、『気軽にチャレンジしていいんだよ』ということを伝えたくて。自分の行動が誰かの支えや希望になればいいな…という気持ちで投稿しました」。
■女装レイヤーのみで10人揃ったセーラー戦士…「“変われる”ことを見てほしかった」
10人の女装コスプレイヤーによる『美少女戦士セーラームーン』の集合写真をアップし、多方面から注目を集めた、あおうささん。コスプレ歴は10年ほどで、女装に取り組むようになったのは、元妻に勧められたのがきっかけだそう。「彼女がコスプレイヤーで、いっしょに“併せ”をしよう…ということになって。当時2人ともハマっていた『東方Project』という女性キャラクターばかり出てくる作品だったので、必然的に初挑戦のコスプレ=女装となりました」。
その後も女装でのコスプレを続けているが、自身ではどういったところに魅力を感じているのだろうか?「男性よりも女性キャラのコスプレをしたときのほうが、普段の自分との振れ幅が大きく、よりギャップを感じられるのが魅力だと思います。回数を重ねるたびに少しずつ綺麗になっていけるところも、挑戦し続ける理由のひとつかなと思っています」。
経験を重ねるなかで、『美少女戦士セーラームーン』集合写真の撮影にも踏み切ったわけだが、全キャラクター分のコスプレイヤーをスムーズに集められたという。そのメンバーで撮影し、投稿した写真は、コスプレ界隈でも話題になったそうで、あおうささんにも多くのコメントが寄せられたという。
「女性の憧れであるセーラームーンの併せに男性だけで挑戦する…というのは、なかなかのインパクトがあったみたいです。掲載した写真に対しては、大勢の方からお褒めの言葉をいただきまして。すごく嬉しかった半面、こんなにもたくさんの方に見られているんだと思うと、ちょっと恥ずかしかったですね」。
コスプレ後の写真と一緒に素の状態の写真も掲載した。並びやポージングも合わせることで、より比較しやすい構図になっていた点も特徴的だ。葛藤はなかったのかと問うと、「ほとんどのメンバーがアップすることについては前向きでした。私も前向きだったうちのひとりで、むしろ『これだけ変われるよ!』というところを見てほしい気持ちのほうが強かったですね」と答えてくれた。
文/ソムタム田井
■女装により失った友人も…母親の応援でコスプレ活動に邁進「もっと綺麗になってやる」
コスプレ時の写真と、コスプレ未経験だった8年前の素の状態の写真を比較するツイートをアップし、反響を呼んだ茶柱マキナさん。“女装コスプレ”にこだわる理由を聞いてみたところ、初めて目にしたコスプレが女装だった…ということが大きく影響しているという。
「中学生のときに、先輩たちが文化祭で女装をしているのを見て、『おもしろそう!』と思ったのが、コスプレに興味を持つようになったきっかけです。当時から、女性キャラクターに憧れることも多くて、せっかくコスプレをするからには、性別の壁を越えてみたい…という気持ちで挑戦しています!」。
しかし、その趣味を公表してしまうと「友だちが離れていくのでは?」という葛藤もあったそうで、事実、周囲に思いがけない形で女装コスプレの趣味がバレてしまったときには、失った友人もいたという。そのような状況でも、コスプレを諦めずに続けられた理由には、母親の存在があった。「『どうせやるのなら、とことん綺麗になりなさい!』と応援してくれたんです。この一言が、自分の中での抵抗や葛藤を振りほどいてくれました」と話してくれた。
コスプレ活動に邁進するマキナさんだが、コスプレ写真と過去の素の状態の写真を並べてアップしたのには、どのような狙いがあったのだろうか? 「約8年間コスプレ活動を続けてきて、自分はどれくらい成長できたのかを、客観的に見てみたくなったんです」。
そこには迷いはなく、むしろ、コスプレに興味はあるものの、なかなか一歩を踏み出せない人たちに向けて“応援する気持ち”のほうが大きかったよう。「女装に興味がある方たちに対して、『気軽にチャレンジしていいんだよ』ということを伝えたくて。自分の行動が誰かの支えや希望になればいいな…という気持ちで投稿しました」。
■女装レイヤーのみで10人揃ったセーラー戦士…「“変われる”ことを見てほしかった」
10人の女装コスプレイヤーによる『美少女戦士セーラームーン』の集合写真をアップし、多方面から注目を集めた、あおうささん。コスプレ歴は10年ほどで、女装に取り組むようになったのは、元妻に勧められたのがきっかけだそう。「彼女がコスプレイヤーで、いっしょに“併せ”をしよう…ということになって。当時2人ともハマっていた『東方Project』という女性キャラクターばかり出てくる作品だったので、必然的に初挑戦のコスプレ=女装となりました」。
その後も女装でのコスプレを続けているが、自身ではどういったところに魅力を感じているのだろうか?「男性よりも女性キャラのコスプレをしたときのほうが、普段の自分との振れ幅が大きく、よりギャップを感じられるのが魅力だと思います。回数を重ねるたびに少しずつ綺麗になっていけるところも、挑戦し続ける理由のひとつかなと思っています」。
経験を重ねるなかで、『美少女戦士セーラームーン』集合写真の撮影にも踏み切ったわけだが、全キャラクター分のコスプレイヤーをスムーズに集められたという。そのメンバーで撮影し、投稿した写真は、コスプレ界隈でも話題になったそうで、あおうささんにも多くのコメントが寄せられたという。
「女性の憧れであるセーラームーンの併せに男性だけで挑戦する…というのは、なかなかのインパクトがあったみたいです。掲載した写真に対しては、大勢の方からお褒めの言葉をいただきまして。すごく嬉しかった半面、こんなにもたくさんの方に見られているんだと思うと、ちょっと恥ずかしかったですね」。
コスプレ後の写真と一緒に素の状態の写真も掲載した。並びやポージングも合わせることで、より比較しやすい構図になっていた点も特徴的だ。葛藤はなかったのかと問うと、「ほとんどのメンバーがアップすることについては前向きでした。私も前向きだったうちのひとりで、むしろ『これだけ変われるよ!』というところを見てほしい気持ちのほうが強かったですね」と答えてくれた。
文/ソムタム田井
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2020/11/09