女優の多部未華子が、『EUREKA ユリイカ』などで知られる青山真治監督の7年ぶり長編映画『空に住む』で主演を務めることが24日、発表になった。岸井ゆきの、岩田剛典、現在放送中のTBS系連続ドラマ『私の家政夫ナギサさん』でも共演している大森南朋らが出演する。公開は10月23日。

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　本作のストーリーの原点は、作詞家・小竹正人が手掛けた同名の小説。多部が演じるのは、両親が急死し孤独を抱える主人公・直実。叔父夫婦の計らいで大都会を見下ろすタワーマンションの高層階に住むことになり、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則と出会う。彼との夢のような逢瀬におぼれながら、仕事、人生、愛の狭間で揺れ続ける彼女は、見失った自分を取り戻すことができるのか――。葛藤を乗り越えた末に大きな決断を下す。

　そのほかのキャストは、直実の後輩で複雑な事情を抱えた妊婦・愛子を岸井。直実に何かと世話を焼く叔母・明日子を美村里江。直実と男女の関係になっていくスター俳優・時戸森則を岩田。直実をタワーマンションに迎え入れた叔父・雅博を鶴見辰吾。直実が務める出版社の社長を岩下尚史。直実の上司役に高橋洋。愛子と関係を持つ作家・吉田を大森。直実が出会う不思議な男性を永瀬正敏。直実の住むタワーマンションのコンシェルジュを柄本明が演じる。

　青山監督は「脚本から公開まで足かけ4年、ああでもないこうでもない、それがダメならこうだ、もはや絶望という時期もありました」と苦労もあり完成したという。小竹氏は「原作に息を吹き込むかのように多部未華子さんが主人公を奥深く演じてくれています。忘れそうになっていた幸せと忘れてはいけない悲しみを思い出し、宝物がまたひとつ増えたような気持ちです」と映画化を喜んでいる。