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【エール】第8週「紺碧の空」振り返り

 NHKで放送中の連続テレビ小説『エール』(月〜土 前8:00 総合ほか※土曜は1週間の振り返り)。昭和という激動の時代に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田正孝)と妻・音(二階堂ふみ)の物語。スランプに苦しんでいた裕一が、早稲田大学の新しい応援歌「紺碧(こんぺき)の空」を作曲する様子が描かれた第8週(第36回〜第40回:5月18日〜5月22日)を振り返る。

連続テレビ小説『エール』第8週「紺碧の空」より。早稲田大学応援部の団長(三浦貴大)に「紺壁の空」になっているとご誤字を指摘されて苦笑いする裕一(窪田正孝)(C)NHK

連続テレビ小説『エール』第8週「紺碧の空」より。早稲田大学応援部の団長(三浦貴大)に「紺壁の空」になっているとご誤字を指摘されて苦笑いする裕一(窪田正孝)(C)NHK

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■早稲田大学の応援団員がやってきた

 古山家に早稲田大学応援部が押し寄せてきたところで終わった第7週のつづき。当時、早慶戦といえば、国民的関心を集めた一大イベント。早慶戦のはじまりは、1903(明治36)年11月、早稲田大学野球部から慶應義塾大学野球部に挑戦状が送られ、第1回が開催された。以来、熱き戦いが繰り広げられ、両校の応援が盛り上がりすぎて、一時中止になったことも。1925(大正14)年の東京六大学野球の創設をきっかけに復活し、ラジオの普及もあって空前の人気となっていた。

 そんな中、慶応が連戦連勝の黄金時代を迎える。それを煽っていたのが、新しい応援歌「若き血」だった。早稲田の応援団員たちは、自分たちにも心沸き立たせるような新しい応援歌(第六応援歌)が必要だと考え、歌詞を学内で募集。西條八十教授が選出した「紺碧の空」の詩に、曲をつけてほしいと、裕一のもとにやってきたのだった…。

 実は、応援部の中に佐藤久志(山崎育三郎)のいとこ、佐藤幸太郎(斎藤嘉樹)がいて、久志が裕一を紹介した。小山田耕三(志村けん)が早稲田の第一応援歌を作曲していたこともあり、裕一は引き受けることにしたのだが、次の早慶戦まで2週間。なかなか曲は書けなかった。

■己にこだわりすぎて苦悩する裕一

 レコード会社で、同期の木枯正人(野田洋次郎)が作曲した「丘を越えて」を歌っていた歌手の山藤太郎(柿澤勇人)を紹介される。山藤は慶応義塾大学卒業後、東京音楽学校の声楽科で学んでいたが、家庭の事情で金を稼ぐため、流行歌を歌っていると聞き、裕一は思わず「なんでこんなことをしているんですか?」と見下すようなことを言ってしまう。それを聞いていた技師の小田和夫(桜木健一)には、「君みたいな人、いっぱい見てきたよ。己にこだわって、才能を生かせない人」と、バッサリ言われてしまう。

 その後、木枯は改めて山藤を裕一に紹介する。「君の曲は山藤さんにきっと合うよ。いつかぜひ一緒にやってほしい」と。さらに山藤は慶応の塾生だった頃、応援団に「若き血」の歌唱指導をした張本人だったことが明らかになる。

 「若き血」に負けないような、ありきたりではない曲を書こうとしている裕一に、バンブーの店主・保(野間口徹)は「ありきたりじゃまずいの?」と素朴な疑問をぶつける。さらに「書けないのは、自分の音楽を作ろうとしてるからじゃないかな」と言う。

 保の言葉に腹を立てる裕一。見かねた音は、以前、廿日市(古田新太)に言われたことを伝える。「西洋音楽にこだわって、作ってくる曲が鼻につく。こざかしい知識をひけらかして、曲を台無しにしている」と。「何か変えないとまずい」と話す音に対して、裕一は「イギリスで音楽の勉強をしていたはずなのに、東京の隅っこで応援団と大衆の曲を作っているんだ。十分、変わっている」と言い返す。「それでも自分の音楽を表現しようと頑張っている。自分の音楽は捨てないよ。捨てたら意味ないよ」と、息巻いた。

 裕一は、自分の才能を証明したい一心で、仕事も早稲田の応援歌づくりもそっちのけで、三日三晩徹夜で書き上げた交響曲「反逆の詩」を、自分の最高傑作かもしれないと思いながら小山田に見せる。しかし、その反応は「で?」と言われて終わり…。自信もプライドもズタズタになる。

 一方、早慶戦までいよいよ3日となり、家に押しかけてきた早稲田の応援団員たちに裕一は「書けない」と告げる。さらに、「応援歌って勝ち負けに関係ありますか? 早稲田が負けるのは弱いから実力不足です」と八つ当たり。それを聞いて、団長の田中隆(三浦貴大)も「応援は、俺らの自己満足じゃなかろうか。応援は、勝敗に関係あるのか?」と悩んでしまう。

■音の采配、団長のファインプレー

 翌朝、音は置き手紙を残して豊橋に帰り、母・光子(薬師丸ひろ子)や姉・吟(松井玲奈)、妹・梅(森七菜)、そしてはじめて会う吟の婚約者・鏑木智彦(奥野瑛太)に裕一のことを相談する。鏑木の「軍人が命をかけて戦えるのは誰かのためだから」という話からヒントを得た音は、団長のもとへ。団長の気持ちを伝えて、裕一の心を動かしてと頼む。

 団長は、かつて自分も野球をしていたこと。バッテリーを組んできた親友の清水誠二(田邊和也)が、自分が投げたボールのせいで足に大けがをして野球を続けられなくなったこと。「早稲田を勝たせてほしい。早慶戦をラジオで聞くことが一番の楽しみだ」という清水のために、必死に野球部を応援してきたことなどを話して男泣きする。「野球を頑張る人のおかげで頑張れる人がいる、頑張ることはつながる。清水のために曲を書いてほしい」と裕一に頼んだ。

 団長の想いを聞いた裕一は、自分が音楽をはじめた頃の気持ちを取り戻して、応援歌「紺碧の空」の作曲に取り組み、一日で曲を書きあげる。秋の早慶戦がはじまり、早稲田は見事、慶応に勝利する。

 裕一は「目が覚めた」と音と仲直り。今や売れっ子になった木枯にも「自分の力を示すことに固執していた」「そんな独りよがりの音楽伝わるわけない」「もう一度頑張ってみる」と話す。木枯のアドバイスを受け、目を閉じて誰かを思い浮かべて、あることをひらめく。

■「徳川家康公御家訓」

 第37回で、裕一のことで悩む音に、喫茶・バンブーの梶取恵(仲里依紗)は、「彼を変えられるのは自分だけだと思う」と言って、渡したのが「徳川家康公御家訓」。家康の理念や理想の精髄を今日に伝えるもの。「人の一生は重荷を負ひて遠き道をゆくが如し 急ぐべからず」「不自由を常と思へば 不足なし」「心に望(のぞみ)おこらば 困窮したる時を思ひ出いだすべし」「堪忍(かんにん)は無事長久(ちょうきゅう)の基(もとい) 怒りは敵と思へ」…。その内容はごく簡単な言葉でありながら、実行はなかなか難しいものであり、音も「何もしないってつらいわ」とこぼしていた。

■第9週「東京恋物語」あらすじ

 「紺碧の空」で自信を取り戻した裕一は、福島で新聞記者をする村野鉄男(中村蒼)を呼び出す。自分が曲を作って久志が歌うので、詞を書いてほしいと頼む。一方、音楽学校の記念公演のヒロイン役最終選考に向けて、音は男女の機微を学ぶために男女の社交場のカフェーで働くことにする。心配した裕一に頼まれて店に様子を見に来た鉄男は、そこで店員の希穂子(入山法子)を見て驚くのだが…。

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