NHKで放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。主演の長谷川博己演じる明智光秀の生涯を語る上で避けて通ることができない存在、それが織田信長だ。本作では、染谷将太が演じる。第7回「帰蝶の願い」(3月1日放送)のラストで初登場してから、本作で描かれる信長の人物像に歴史ファン、大河ドラマファンが熱い視線を向けている。
本作の信長を染谷が演じることが発表されて以来、「イメージが違う」と言われることもあった。しかし、第9回「信長の失敗」(3月15日放送)で、その“イメージ”は一蹴された。人の命を奪うことへの冷酷さ、叱られて涙ぐむ純粋さ、廊下で会った竹千代に「どけ!」と怒鳴ってしまう激しさが描かれ、SNS上では、「過去最高にヤバいノッブだった!!」「今日の回を見たらなぜキャスティングされたのか理解できた」「サイコパス的な怖さの信長は初めてかも」「染谷将太さんの信長、ピュア&サイコパスな感じが今までにない感じで面白い」「これから終盤まで染谷将太がどんな怪演を見せてくれるか今から楽しみだ」などと大盛り上がり。
はたして信長は、今後どのように描かれるのか。作者の池端俊策氏は次のように語っている。
「信長という人物は、戦国時代のスーパーヒーローです。異端児としても知られていますね。側近の平手政秀は信長の奇行をいさめるために腹を切ったといわれるなど、信長の異端ぶりは『信長公記』をはじめ、いろいろと語り継がれています。でも、僕はいままでのような剛直で独裁者風で、偉大な信長ではなかったのではないかと思っています」。
池端氏が考える『麒麟がくる』の織田信長とは?
「信長は(父も母も同じ)弟の信勝を謀殺しています。なぜ、信長は弟を敵とみなして、殺したのだろうかと。戦国時代の権力争いとはいえ、家族という視点でいうと、弟を殺すというのはよっぽどのことです。実は、信長が弟を殺そうとした時に、母親(土田御前)が命乞いをするという逸話が残っています。嫡男の信長ではなく、弟の方を母親がかばったというのは、どういうことなんだということを考えました。母親は弟の信勝ばかりかわいがって、信長のことはむしろ疎ましく思っていた。母親に愛されなかった信長というのが浮かび上がってきます。少なくとも母親から愛されなかった男の子が抱くコンプレックスはなんとなく想像がつく。その裏返しとして異端児、つまり不良少年のようにふるまうようになったのではないか。そういう人ほど、こころは繊細であることが多い」。
そんな信長の人生に突如、現れたのが、美濃の斎藤道三の娘・帰蝶だ。尾張と美濃の同盟の証として嫁いできた。
「“マムシ”と呼ばれ、恐れられた道三の娘ですから、半端な娘じゃない。そういう娘が嫁いできた時に、信長はどう受け止めただろうか。お嫁に来た帰蝶が、いつ消えていったかははっきりしていないんですが、大事にされたことは間違いない。信長は側室の吉乃が産んだ信忠を帰蝶に育てさせていることからも、帰蝶との信頼関係は相当あったんだと思います。帰蝶は信長にとってお母さん代わりだったのではないか、という直感みたいなものがあって。非常にナイーブな信長像が浮かび上がってきました」
第9回で勝手に松平広忠を討ったことを父に叱られ、涙目で「父上にほめてもらえると思って」と訴える信長の姿や、信勝を溺愛している土田御前、第10回で信長が光秀に語った「初めて母上にほめられた話」や、釣った魚を分け与えて領民が喜ぶ姿を見るのが楽しいと話す様子からも、幼い頃から愛された経験が足りなかったことが、すでに正気と狂気が紙一重な信長の言動に現れているように思える。
「人間は変貌します。権力を手に入れたり、年をとっても人間は変わります。ただ、幼い頃はこういうことだったんじゃないか。それは後々基本ベースとして必ず影響するはず。そういうことを考え合わせながら信長を育てていこうと思っています」
本作の信長を染谷が演じることが発表されて以来、「イメージが違う」と言われることもあった。しかし、第9回「信長の失敗」(3月15日放送)で、その“イメージ”は一蹴された。人の命を奪うことへの冷酷さ、叱られて涙ぐむ純粋さ、廊下で会った竹千代に「どけ!」と怒鳴ってしまう激しさが描かれ、SNS上では、「過去最高にヤバいノッブだった!!」「今日の回を見たらなぜキャスティングされたのか理解できた」「サイコパス的な怖さの信長は初めてかも」「染谷将太さんの信長、ピュア&サイコパスな感じが今までにない感じで面白い」「これから終盤まで染谷将太がどんな怪演を見せてくれるか今から楽しみだ」などと大盛り上がり。
「信長という人物は、戦国時代のスーパーヒーローです。異端児としても知られていますね。側近の平手政秀は信長の奇行をいさめるために腹を切ったといわれるなど、信長の異端ぶりは『信長公記』をはじめ、いろいろと語り継がれています。でも、僕はいままでのような剛直で独裁者風で、偉大な信長ではなかったのではないかと思っています」。
池端氏が考える『麒麟がくる』の織田信長とは?
「信長は(父も母も同じ)弟の信勝を謀殺しています。なぜ、信長は弟を敵とみなして、殺したのだろうかと。戦国時代の権力争いとはいえ、家族という視点でいうと、弟を殺すというのはよっぽどのことです。実は、信長が弟を殺そうとした時に、母親(土田御前)が命乞いをするという逸話が残っています。嫡男の信長ではなく、弟の方を母親がかばったというのは、どういうことなんだということを考えました。母親は弟の信勝ばかりかわいがって、信長のことはむしろ疎ましく思っていた。母親に愛されなかった信長というのが浮かび上がってきます。少なくとも母親から愛されなかった男の子が抱くコンプレックスはなんとなく想像がつく。その裏返しとして異端児、つまり不良少年のようにふるまうようになったのではないか。そういう人ほど、こころは繊細であることが多い」。
そんな信長の人生に突如、現れたのが、美濃の斎藤道三の娘・帰蝶だ。尾張と美濃の同盟の証として嫁いできた。
「“マムシ”と呼ばれ、恐れられた道三の娘ですから、半端な娘じゃない。そういう娘が嫁いできた時に、信長はどう受け止めただろうか。お嫁に来た帰蝶が、いつ消えていったかははっきりしていないんですが、大事にされたことは間違いない。信長は側室の吉乃が産んだ信忠を帰蝶に育てさせていることからも、帰蝶との信頼関係は相当あったんだと思います。帰蝶は信長にとってお母さん代わりだったのではないか、という直感みたいなものがあって。非常にナイーブな信長像が浮かび上がってきました」
第9回で勝手に松平広忠を討ったことを父に叱られ、涙目で「父上にほめてもらえると思って」と訴える信長の姿や、信勝を溺愛している土田御前、第10回で信長が光秀に語った「初めて母上にほめられた話」や、釣った魚を分け与えて領民が喜ぶ姿を見るのが楽しいと話す様子からも、幼い頃から愛された経験が足りなかったことが、すでに正気と狂気が紙一重な信長の言動に現れているように思える。
「人間は変貌します。権力を手に入れたり、年をとっても人間は変わります。ただ、幼い頃はこういうことだったんじゃないか。それは後々基本ベースとして必ず影響するはず。そういうことを考え合わせながら信長を育てていこうと思っています」
2020/04/04