• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

“生涯を写すメディア”の責務…SNS全盛時代を生き抜くアメブロの「人の手」

 2月6日、サイバーエージェントが運営するAmebaで昨年最も注目されたブログに贈られる『BLOG of the year 2019』が発表され、タレントの堀ちえみ(52)が最優秀賞を受賞した。昨年、口腔がんとの闘病生活を克明につづり「多くの読者に勇気を与えた」ことが評価された。2004年のアメーバブログ(=アメブロ)サービス開始から16年。この間、ブログというメディアは、堀の例が示すように「人生を書き写し残す場」としてその価値を確立した。特に同社のアメブロが芸能人・有名人ブログの草分けとして果たした役割は大きいだろう。巨大なSNSサービスが群雄割拠となった現在まで、アメブロが存在感を保ち続けられた舞台裏について、エンターテインメント室の室長・種市真理子氏(26)に話を聞いた。

エンターテインメント室の室長・種市真理子氏 (C)ORICON NewS inc.

エンターテインメント室の室長・種市真理子氏 (C)ORICON NewS inc.

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


■コメントのチェックから講習会まで ノウハウ化されたサポート

 アメブロは、同社が自社でメディア運営を行うことを目的に立ち上がり、当初は決して有名人向けのサービスという想定ではなかった。しかし、芸能人・有名人のユーザー増加に伴い運営やサポート方法をノウハウ化することで、彼らの支持を獲得してきた。

 種市氏はブロガーへのサポート体制について「15年間のメディア運営の実績で、(投稿記事の)反響に対するノウハウが整っている。ほかのSNSとは違い、ブログはストックし積み上がっていく特性があるので、使い分けとしても選んでいただいている。あとは、長い間楽しめるように時代にあわせて仕組みも変化させ続けています」とポイントを挙げる。

 また、「投稿面の監視を行っているので、このサポートは大きいと思いっています。何かトラブルが起こったときに、対応できる環境がある。コメント欄もすべて人の目・人の手で24時間365日チェックしながら対応しています」と、マンパワーを割いて体制を整えている。また、芸能事務所はもちろん、芸能人本人とのやり取りも行っており、「ブログ発信で告知してテレビ出演するパターンも増えてきていますし、人となりもわかりやすく伝えることができる。どうすればもっとブログを見てもらえるようになるか、コンサルティングをしています」と芸能活動のプラスにしてもらうための提案も積極的だ。

 ここ3、4年では事務所向けに定期的な講習会も行うようになったという。「事務所さんの間で需要が高まっていいて、キーワード、炎上しないポイントや住所が特定されないように気をつけることなど、勉強会として来てくださいと声をかけていただくこともあります」と、人対人のアナログなコミュニケーションをますます密にしている。

 ここ10年ほどは、Twitter、Facebook、InstagramなどSNSがコミュニケーションツールの競合として立ちはだかり、アメブロも「Twitter、インスタなどとの使い分けを考えるタイミングだった」と振り返る。その結果「リアルタイムではTwitter、ビジュアルコミュニケーションではインスタ、何か報告ごとやしっかりとした文章ではブログ。現在は使い分けがしっかりできている。現在は一緒に盛り上げる流れが浸透している」とSNSが台頭した当初こそ脅威であったものの、現在ではうまく共存し合う環境が整ってきている。

 「SNS全盛期だからこそブログができることもあると思っています。本当の思いはSNSだけでは伝わりきらないこともある。一部の記者会見なども含め、伝えたかったことと違った、という事態が起こり得る。ブログでは書いたことありのままを伝えられるメリットがあり、今だからこそやる意味があると思います」。

■「続ける使命がある」…人生に寄り添うメディアとしての使命

 現在約2万人のオフィシャルブロガーを抱えるアメブロ。昨年10月には、歌舞伎俳優・市川海老蔵や、その妻で元フリーアナウンサー・小林麻央さんら42人のブログが国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)に永久保存され話題に。“人生の書き写し”であると同時に、資料としての価値も手にしたブログというメディアの未来を、同社はどう描いているのか。

 「アメーバ全体に『100年愛されるメディアを作る』というビジョンがあります。例えば、ママブロガーさん、パパブロガーさんのお子さまたちが大きくなり、結婚式を挙げたとします。『小さかったときの記録はパパのブログを見てね』となり、そのときにうちのサービスがなければ見られない。人生をつづる中で、我々にはサービスを続けなければいけない使命があると思います。言葉が適切かわかりませんが、ブログは“墓場まで付き添える”状態を作らないといけないと思っています」と種市氏は展望する。

 「一般の方も含めて、テレビなどとは違う顔を届けて、価値を高められる存在になりたいですね。ブログだからこそ出る人となりや、ありのままの姿があります。その人の人生に彩りを添えられるようにしていきたいですね」。

関連写真

  • エンターテインメント室の室長・種市真理子氏 (C)ORICON NewS inc.
  • エンターテインメント室の室長・種市真理子氏 (C)ORICON NewS inc.
タグ

    オリコントピックス

    あなたにおすすめの記事

     を検索