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大人が感動するのはなぜ? 『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督を直撃

 12日より全国公開中のディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』。新キャラクター・フォーキーのユニークさや驚きの結末が話題沸騰の本作。『トイ・ストーリー3』(2010年)に続き、大人たちを感動させている。

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■『トイ・ストーリー4』監督はどんな人?

 『トイ・ストーリー』(1995年、日本は96年/ジョン・ラセター監督)で友情や勇気を描いたウッディやバズたちの冒険は、『トイ・ストーリー2』(99年/ジョン・ラセター監督)でさらにパワーアップし、持ち主の成長に伴う別れにも踏み込んだ『トイ・ストーリー3』(リー・アンクリッチ監督)とつないできたバトンを受け取ったのは、ジョシュ・クーリー監督。本作が長編映画監督デビュー作となった。

 キャリアは十分。2003年にピクサー・アニメーション・スタジオのストーリー部門にインターンとして入社。『Mr.インクレディブル』(04年)、『カーズ』(06年)、『レミーのおいしいレストラン』(07年)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(09年)、『カーズ2』(11年)で、ストーリーボード・アーティストなどを務め、『インサイド・ヘッド』(15年)で、監督のピート・ドクターらとともに脚本を担当し、ストーリー・スーパーバイザーも兼任。後日談を描いた短編『ライリーの初デート?』(15年)の監督・脚本を務めた後、『トイ・ストーリー4』の監督に抜てきされた。

 「ピクサーに入って、何年か働く中で将来的に監督ができたらいいな、と思いました。でも、すぐにはかなわないとも思っていました。そうしたら、まさかの『トイ・ストーリー4』でチャンスが訪れて。思ってもみなかった形で、夢がかなったんです」

 『トイ・ストーリー』の続編を任される栄誉を担い、「光栄に思うと同時に、非常に恐れ多いことでもありました。『トイ・ストーリー』は世界中の観客に愛されている作品であると同時に、ピクサーにとってもとても重要な作品。『トイ・ストーリー』(1作目)の成功があったからこそ、こうして続いているといえなくもない。『トイ・ストーリー』のキャラクターは、ピクサーにおけるミッキーマウスやドナルドダック、グーフィーみたいなもの。監督に指名されて、断る選択肢はなかったけど、プレッシャーは感じました」。

 自分に巡ってきたチャンスを確実につかみ、夢をかなえたクーリー監督。

 「映画のメッセージと同じかもしれないんですけど、生きていると自分の思い通りになかなかいかないというか、思ってもみなかったことが起こるというか、そういった時の対処の仕方にその人のキャラクターが出ると思うんですが、どんなことにも心を開くことが大事だと思います。自分の殻に閉じこもらず、自分を信じて行動すれば、まわり道だと思っていた道が、意外と早く最初に夢見たものにたどり着く道だった、なんてことも起こるかもしれない」

 前作『トイ・ストーリー3』から9年。ピクサーには「過去作を上回る“語るべき物語”がある場合以外は続編を作らない」という不文律がある中、『トイ・ストーリー4』が製作されることになった理由については、「僕も『トイ・ストーリー3』で終わりだと思っていたが、実はウッディとアンディの話が終わっただけだと気づいたんです。ウッディにはまだ描くべきことがあると思ったら、とてもワクワクしました」と語る。

■『トイ・ストーリー4』で“語るべき物語”とは?

 すでに鑑賞した人であれば、感動的で、意外な結末に驚いたことだろう。これが“語るべき物語”だったのかと。

 「過去作の延長線上からは踏み外さず、キャラクターの成長を描くことを意識しました。わかりやすいところでいえば、『トイ・ストーリー』でバズが新しいおもちゃとしてアンディの部屋にやってきた時、ウッディはすごく嫉妬しました。しかし、『トイ・ストーリー4』ではウッディが新しいおもちゃのフォーキーが、ボニーには必要と思い、世話を焼く。そこにウッディの成長を感じてもらえると思うんです。再会したボー・ピープも成長していて、だからこそウッディも彼女から影響を受ける」

 新キャラクターも多数登場している。ウッディたちの新しい持ち主の女の子ボニーが先割れスプーンを使って作った手作りおもちゃの“フォキー”、ボイスボックス内蔵の人形“ギャビー・ギャビー”、射的の景品のぬいぐるみ“ダッキー&バニー”、カナダ出身のバイクスタントマンのおもちゃ“デューク・カブーン”。

 「どのキャラクターを平等に愛さないといけない立場」のクーリー監督が、あえて「お気に入り」に挙げたキャラクターは、「ギャビー・ギャビー」だった。

 「これまでの『トイ・ストーリー』にはなかった、気づきを与えてくれるキャラクターで、彼女を描いていて楽しかったです」。

 ウッディがボーと再会するアンティークショップにいたギャビー・ギャビー。製造不良のせいで背中のひもを引っ張っても「おしゃべり」ができない彼女は、「おしゃべり」できて“子どもに愛される人生”を夢見ていた。そして、ウッディの体に備わっている「声」の装置を狙い、不気味な腹話術師人形たちとともに迫ってくる。

 最初はホラー映画に出てくるような、ちょっと怖いキャラクターとして描かれるギャビー・ギャビーだが、彼女にもそれなり過去があることを知り、いつの間にか「自分がおもちゃ(ギャビー・ギャビー)だったらどう思うか」と、いう思考に至らせてくれる。

 「大人の観客がギャビー・ギャビーのシーンで反応するのは、たぶん、かつて自分もやったことがあるからと思います。子どもの時は、『いらない』と思ったから捨てた、ただそれだけのことなんだけど、それを客観的に見せられて大人はショックを受ける。それは、観客の皆さんも成長して、おもちゃの立場に立って考えることもできるようになった、ということだと思うんです。世の中をおもちゃの視点から見たら、いままで考えてもみなかった世界が見える、それが『トイ・ストーリー』の魅力でもあると思います」。

 キャラクターだけでなく、観客の“成長”も意識して練り上げられたストーリー。人間が見ていない所でおもちゃたちが自由に動いたり話したり、大冒険を繰り広げる――というありえないことをフルCGアニメーションでリアルに表現し、おもちゃたちの視点を借りて人生の真実に触れてくるからこそ、大人の心も揺さぶるのだろう。

関連写真

  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督 (C)ORICON NewS inc.
  • 靴底に「ANDY」と書いてあるシューズを履いていたジョシュ・クーリー監督。一足、持っていたがサイズが合わなくなって、最近「eBay」(インターネットオークションサイト)でゲットしたとのこと (C)ORICON NewS inc.
  • 最初はちょっと怖い雰囲気のギャビー・ギャビー(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督 (C)ORICON NewS inc.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ウッディの冒険のきっかけを作る新キャラクター・フォキー(右)(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ウッディとボー・ピープ&ギグル・マクディンプルズ(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』フォキーをみんなに紹介するウッディ(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ボニーが手作りしたおもちゃのフォキー(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ウッディの古くからの仲間たちも健在(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』バズ・ライトイヤーも大活躍する(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』射的の景品のぬいぐるみ、ダッキー&バニーに出会う(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』デューク・カブーンは意外と小さい(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』ウッディとボー・ピープ(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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