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前田敦子、出産後の変化に期待「『老けたね』って言われたい」

 2012年にAKB48を卒業して以来、女優として着実にステップアップを続ける前田敦子。現在では、夫で俳優の勝地涼との間に一子をもうけ、女性としても大きな転機を迎えている。そんな前田にとって、変化すること、年を重ねることの意味とは? 「客観的に整理ができた」というAKB48への思いも語った。

映画『旅のおわり世界のはじまり』に主演する前田敦子(写真:石川咲希/Pash) (C)oricon ME inc.

映画『旅のおわり世界のはじまり』に主演する前田敦子(写真:石川咲希/Pash) (C)oricon ME inc.

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■監督が見た前田の“孤独感”、「気づいたら一人になっていることはありました」

 名匠・黒沢清監督がオリジナル脚本で挑んだ映画『旅のおわり世界のはじまり』(6月14日公開)。本作で、取材のためにウズベキスタンを訪れるテレビ番組レポーター・葉子を演じた前田敦子。異国の地で遭遇する様々な出来事により、少しずつ心が変化し、前に進む主人公を好演している。

――前田さん演じた葉子は、知らない土地に放り出され、孤独のなか自らの未来に不安を持ちながらも前に進もうとする女性でした。黒沢監督は前田さんの持つ孤独感に惹かれて葉子という役を演じてもらったと話していました。

【前田敦子】黒沢監督にはよく「孤独感がある」と言われるのですが、あまり監督の前でムスッとしていた覚えはないんですけれどね(笑)。でも社交的な部分を認めていただきつつ「別の顔も持っているよね」と言っていただけるのは、ちゃんと自分のことを見てくれているんだなという気持ちになるので、嬉しいですね。

――強烈に他人を否定するような佇まいがある、とも言っていました。

【前田敦子】そういうつもりはないんですけれど、常に何か物事を考えているタイプなので、ふと気づくと周りに誰もいないことはありますね(笑)。あまり自分から連絡も取らないので、気づいたら一人になっていることは小さいころからありましたけれど(笑)。

■子どもが生まれた後の撮影に変化は?「経験を積んでちゃんと“おばちゃん”になりたい」

――葉子はウズベキスタンで何かをつかんで変化していく兆しを見せます。前田さんも撮影を挟んで結婚、出産と大きく環境は変化しましたね。

【前田敦子】子どもが生まれてから、まだ作品の撮影をしていないので、どのように変化したかは実感がないのですが、期待するものはあります。

――どんな部分に期待しているのでしょうか?

【前田敦子】いい意味でしっかりと年をとっていきたい。「老けたね」って言われたいんです。その人の生き方って、顔に出るじゃないですか。だからいまは日常をちゃんと過ごして、人間力を上げて年齢にふさわしい顔になりたいです。そして、過ごした年齢が人間の深さとして顔に刻まれたらいいなと思っています。

――女性は若く見られることが嬉しいのでは?

【前田敦子】顔の作りが童顔なので、あまり年相応に見られなくて。このまま年齢を重ねていったときに、中途半端であまり変わっていなかったらどうしようっていう危機感はあります。経験をしっかり積んで年齢にあった女性の顔に、ちゃんとおばちゃんになりたいと思います。

――いまはお子さんが生まれたばかりで、大変なことも多いのでは?

【前田敦子】私も怒涛の毎日が来るのかなと思ったのですが、すごくおとなしくて夜泣きもしないんです。お風呂に入ると眠気のスイッチが入るようで、とりあえずおっぱいを飲むとすぐ寝ちゃう。最初のころは旦那さんと、「少し物足りないかも」と話していたぐらいです(笑)。成長に従って、いろいろ大変なことが出てくると思いますが、それも含めて、しっかり過ごして一つ一つを良い経験にしていきたいです。

――そういったことも、人間の深みとして顔に出てきそうですね。

【前田敦子】生活感がにじみ出ているって、とても素敵なことですよね。いまの世の中はアンチエイジングが美徳というか、いくらでも若くいることができると思うんです。でも今回、妊娠・出産を経験して、ありのままで生きることってすごく楽しいんだなと感じました。これまでは節制して、「細くなければ」と見た目から入っていたところがありました。でも妊婦さんになって、太り過ぎると怒られましたが、範囲内だったらいいかと思って、思うがままに生活していました。人生で一番体重もありましたし、産後もむちゃなダイエットをせず、自然体で過ごしています。すごく幸せな毎日です。

――以前、女優デビュー作『あしたの私のつくり方』の現場は「逃げ出したかった」と話していました。その女優生活が、いまは「楽しくてしょうがない」に変わるってすごいことですよね。

【前田敦子】自分でもいつかは、「現場が楽しい」と言えるようになりたいなと思いながら過ごしていたのは覚えています。でもやり方がわからない時期が結構長かったです。

――楽しいと思えたのはいつごろですか?

【前田敦子】女優をやりたいと思ってAKB48を卒業したのですが、卒業後はまた違う葛藤が出てきて、なかなかたどり着けませんでした。本当に楽しいと思えるようになったのは、ここ2〜3年ぐらいですね。そのくらいから、過去に現場をご一緒した方たちも増えてきて、安心感も得られましたし、余計なことを考えずに取り組めるようになってきました。

――AKB48在籍時より、卒業し女優活動をしている期間の方が長くなったんですよね?

【前田敦子】なんか不思議な感覚ですね。年号が切り替わるとき、テレビなどの平成特集で私の名前を出していただくことが多かったんです。そういうものを観ていると、「あー、私はここにいたんだ」って客観的に見て、整理できた自分がいるんですよね。

――なるほど。

【前田敦子】女優活動のほうが長くなりましたが、AKB48というグループが平成から令和になってもまだ存在しているのは、やっぱりすごく嬉しいです。もともと秋元(康)先生は「10年ぐらい続けばいいかなと思って始めた」と仰っていたのですが、それが14年も続き、ライバルグループや姉妹グループができ、規模も大きくなっていますからね。自分がそこにいたんだという誇りは、いまも感じています。

(写真:石川咲希/Pash 文:磯部正和)

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  • 映画『旅のおわり世界のはじまり』に主演する前田敦子(写真:石川咲希/Pash) (C)oricon ME inc.
  • 映画『旅のおわり世界のはじまり』場面写真(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

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