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『腐女子』も好調、若い世代向け枠として定着するNHKよるドラ

 NHKよるドラが、1月期の『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』に続き、ライトノベル原作の4月期『腐女子、うっかりゲイに告る。』でも高評価を得ている。2018年4月期『植物男子ベランダー』のスタートから3作目。尖った作風ながら良質のドラマを生み出す枠として定着しており、若者世代に向けたNHKの取り組みが奏功したと言えよう。各局、若い世代へのアプローチは課題になっているが、NHKはよるドラでしっかりと実績を残している。

腐女子、うっかりゲイに告る。』(C)NHK

腐女子、うっかりゲイに告る。』(C)NHK

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■変化球もありつつ、「本筋を外さない」NHKの番組作り

 NHKの番組作りで特徴的なのは、音楽やバラエティにおいても、変化球もありつつ、「本筋を外さない」こと。『腐女子、うっかりゲイに告る。』は、いわゆるオタク層向けのタイトルであり、オタク化が進む若者へのアプローチを図っている。また、今期はLGBTもののドラマも多く、時代の流れや若者の好みにマッチさせていることがわかる。

 ウケを狙いにいっているように感じられるが、実はトレンドやブームを取り入れつつ、内容そのものは伝統的なヒューマンドラマにし、普遍性のあるテーマを潜ませている。むしろその部分では“保守的”とも言えるが、実は保守的な内容のドラマは、老若男女に受け入れられるのだ。

■視聴率に左右されない番組制作が強みの1つ

 NHKの大きな強みの1つに、視聴率に左右されない番組制作ができることが挙げられる。世帯視聴率の中心である中高年を狙わなければならない民放とは異なることにも挑戦できる。「若者のテレビ離れ」が叫ばれて久しい昨今、いまのNHKはテレビ界を未来へ引っ張っていく役割を背負っているのかもしれない。

『トクサツガガガ』で制作統括を務めたNHKの吉永証氏は、コンフィデンス誌の取材で「若い世代の方に共感してもらえると思って制作を進めましたが、チャレンジでもありました。何を題材にしたら楽しんでもらえるのか? 観てもらえるのか? を考えているがゆえに、良質な作品が生まれていると思います。テレビ以外の楽しみも増えるなか、制作者としては観てもらえなくなるのではという危機感を常に持っています」。テレビの未来を見据えて、ドラマ制作に向き合っていることを打ち明けている。

「よるドラ」次クールは友人関係やSNSに疲れ、ふとしたきっかけから1人の地下アイドルと出会い、「オタク沼」にハマっていく30歳目前のOLの、転落と成長を描く『だから私は推しました』。「よるドラ」枠とともに、NHKの今後から目が離せない。
(文/衣輪晋一)

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  • 腐女子、うっかりゲイに告る。』(C)NHK
  • 『腐女子、うっかりゲイに告る。』(C)NHK
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  • 難役の揺れ動く感情にリアリティを与える藤野涼子/『腐女子、うっかりゲイに告る。』(C)NHK
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提供元:CONFIDENCE

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