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“ドラえもん”を手がけた直木賞作家・辻村深月氏の小説『朝が来る』実写映画化 公開は2020年

 2012年に『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞、『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、18年には『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞した辻村深月氏の小説『朝が来る』が実写映画化することが30日、わかった。タッグを組むのは、12年に日本人監督としてカンヌ国際映画祭の審査員を初めて務めた河瀬直美監督だ。

小説『朝が来る』の作者・辻村深月氏(C)『朝が来る』Film Partners

小説『朝が来る』の作者・辻村深月氏(C)『朝が来る』Film Partners

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 『朝が来る』は辻村氏が15年に発表したミステリー小説。翌16年には女優・安田成美を主演に迎え、東海テレビでドラマ化もされた。長くつらい不妊治療の末、自分たちの子を産めずに特別養子縁組という手段を選んだ夫婦、中学生で妊娠し、断腸の思いで子どもを手放すことになった幼い母親、それぞれの人生が丹念に描かれている。

 河瀬監督はドキュメンタリー『につつまれて』(92年)でデビューを果たすと、97年に自身初の劇場映画『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞。07年には『殯(もがり)の森』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した経歴を持つ。

 「『朝が来る』をこの世界に誕生させた辻村深月の才能に嫉妬する」と最大級の賛辞。さらに撮影中に涙する場面もあることを明かし「とにかく俳優が素晴らしい。生きているのだ。息づいているのだ。小説の中で、二人の母をつなぐ子ども“朝斗”のまなざしが表現されている部分を読んだとき、この世界を映像化できれば素晴らしいなと感じた。その“まなざし”が見る未来を美しく描くことができればと願っている」とコメントしている。

 3月に公開された『映画ドラえもん のび太の月面探査記』では、自身初の映画脚本を手がけた辻村氏だが「脚本を読みながら、河瀬監督に何度も感謝を覚えた」とし「ラスト、『原作でもこうすればよかった』と思える構成がある。けれど私が小説で書いてもきっとその光景には届かなかった。映画だからこそ監督が彼らをここに送り届けてくれたのだということが、はっきりわかる」と原作にはなかった終わりが待ち受けていることも示唆した。

 撮影は4月16日に都内でスタート。東京の湾岸エリア、栃木、奈良、広島、似島(広島市)、横浜と日本全国で撮影を敢行中で6月上旬にクランクアップ予定。映画は2020年に公開される。

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  • 小説『朝が来る』の作者・辻村深月氏(C)『朝が来る』Film Partners
  • 『朝が来る』のメガホンをとる河瀬直美監督(C)『朝が来る』Film Partners
  • 小説『朝が来る』の書影(C)『朝が来る』Film Partners

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