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『おっさんずラブ』、『アンナチュラル』『dele』ほか受賞 「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」2018年間大賞発表

 オリコンのエンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が主催し、有識者と視聴者が共に支持する質の高いドラマを表彰する「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」が2018年の年間大賞を発表した。18年1月〜10月期の各受賞作・人物に加え、NHK大河ドラマ『西郷どん』とその出演者を対象とし、“18年最も質の高いドラマ”を決定。「作品賞」をはじめ全7部門を選出した。

「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞 2018」作品賞を受賞したのは、ピュアな(おっさん同士の)恋愛ドラマ『おっさんずラブ』(C)テレビ朝日

「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞 2018」作品賞を受賞したのは、ピュアな(おっさん同士の)恋愛ドラマ『おっさんずラブ』(C)テレビ朝日

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◆豊作だった18年、作品賞は“ドラマ新時代”切り拓いた『おっさんずラブ』

 18年“最も質の高いドラマ”として「作品賞」を受賞したのは、「おっさん同士」のピュアな恋愛模様を描いたテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』(18年4月期放送)。日本は欧米諸国に比べLGBTへの理解が低く、「男性が男性を好きになる」という設定は挑戦であり、また少しでも配慮に欠けると批判を受ける難しさもあったはずだ。しかし、徹底して純愛にこだわり、人を好きになることの素晴らしさを真正面から描いたことで、あらゆる難題をはねのけた。またこの成功は、愛すべき登場人物と各役を魅力的に演じた俳優陣によるところも大きかったと言えるだろう。

「主演男優賞」は、作家・金城一紀氏とKADOKAWAによる“作家と映像メディアをつなぐ”プロジェクト「PAGETURNER」から誕生した意欲作『dele』(18年7月期放送)で、W主演を務めた山田孝之菅田将暉が受賞した。本作は、現代ならではの問題といえる「デジタル遺品」をテーマとした一話完結の物語。山田は車いす生活を送る理論派の司令塔・坂上圭司役を、対して菅田は人懐っこい性格やフットワークの軽さを武器に目的地に潜入する現場担当・真柴祐太郎役を務め、「静」と「動」それぞれ相反するキャラクターを魅力的に演じた。

「主演女優賞」は、TBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』(18年1月期)でTBSの連ドラ初主演を務めた石原さとみが受賞、そしてオリジナル脚本による本作を手がけた野木亜紀子が「脚本賞」を受賞し、『アンナチュラル』が2部門を制した。

 本作は法医解剖医が集まる架空の「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台に、不自然死の裏に隠された死の真相を突き止めていく法医学ミステリー。一般的に馴染みのない法医学を描くことだけでも骨が折れそうだが、野木はさらにさまざまな社会問題を巧みに取り入れ、骨太な見応えのあるストーリーを展開した。石原はUDIラボに勤務する法医解剖医で、誰よりも生きることにこだわる主人公・三澄ミコトを好演。重いテーマを扱いながらも、どこか上品さや美しさを纏う作品に仕上がったのは、石原の存在による部分も大きかったはずだ。

◆20代最後の年、2作のドラマでお茶の間の人気者に 佐藤健が「助演女優賞」

 一方の「助演男優賞」は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18年前期)とTBS系火曜ドラマ『義母と娘のブルース』(18年7月期)、同一期間に2作のドラマを掛け持ち、共にヒットへと導いた佐藤健が受賞した。映画を主戦場とする佐藤にとって、連ドラ出演はTBS系日曜劇場『天皇の料理番』以来約3年ぶり。20代最後となった18年にタイプの異なる役を巧みに演じ分け、改めてお茶の間の人気者となり、30代への活動に弾みをつけた。

「助演女優賞」は、脚本・坂元裕二×監督・水田伸生による日本テレビ系連続ドラマの常連で、新作『anone』(18年1月期)にも出演した田中裕子が受賞した。本作は家族を失い社会からもはぐれ、生きる方法さえ見失ってしまった主人公・ハリカ(広瀬すず)が、1人の老齢の女性と出会うところから始まる物語。田中はその女性=林田亜乃音を演じた。本作では、血のつながりのない他人同士が本物の家族、娘のような絆を築いていく様子が印象的に描かれ、田中は何気ない日々の暮らしを懐の深い演技で体現。「生きる上で大切なものは何か?」「真実の愛は何か?」という核となるメッセージを伝えるうえで重要な役割を果たした。

「新人賞」は、NHKドラマ10『透明なゆりかご』(18年7月期)で連続ドラマ初主演を飾った、17歳の気鋭の女優・清原果耶が受賞した。清原が演じたのは、高校の准看護学科に通う17歳の青田アオイ。アルバイトで町の小さな産婦人科医院に務め、生まれてくる命、消えていく命と向き合いながら成長していく様子を等身大で演じた。審査会では、女優デビューして3年のキャリアとは思えない堂々たる存在感、将来性が高く評価された。

 近年、ネットの普及等による生活スタイルの変化で、テレビ業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化している。視聴率低下などにより、一時はドラマも全盛期ほどの勢いは失ったのではないかという見方もあった。しかし、各種映像配信プラットフォームによる見逃し配信やSNSなどのコミュニケーションツールの登場等で新たなドラマの楽しみ方が生まれ、同時に“新しいドラマ”が次々と生まれている。審査会でも各賞で議論が白熱し、改めてドラマ豊作の1年であったことが印象付けられた。

※「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」とは
オリコンのグループ会社oriconMEが発行する、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が主催し、有識者と視聴者が共に支持する「質の高いドラマ」を表彰する賞。視聴者の評価は、『コンフィデンス』が毎週、約700名を対象に調査しているドラマ満足度調査「オリコンドラマバリュー」の累積平均データを使用。審査員の投票結果と合計したうえで、最終的には有識者による審査会で決定する。年間大賞については、19年1月11日の審査会で有識者投票によって7部門を決定。


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  • 「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞 2018」脚本賞を受賞したのは、ドラマ『アンナチュラル』を執筆した野木亜紀子 (C)TBS

提供元:CONFIDENCE

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