ドラマ&映画 カテゴリ

ドラマ『後妻業』で“悪女”を好演、木村佳乃配役の狙いは「視聴者を翻弄」

 開局60周年を迎えているカンテレの1月期ドラマは、後妻業のエキスパートの生き様を描く『後妻業』を放送している。ローカル局では唯一、ゴールデン・プライム帯で全国ネットの連ドラ枠を持ち、毎クール質の高いドラマを提供し続ける同局だが、今作は内容の面白さに加え、豊富な大阪ロケによって地元の魅力も発信、まさにカンテレならではのドラマとなっている。同作のプロデュースを手がける杉浦史明氏に作品に込めたこだわり、本作で“悪女”を好演する木村佳乃のキャスティングの狙いなどについて聞いた。

【写真】その他の写真を見る


◆ドラマ版の小夜子は45歳設定に 木村佳乃は強い女性の生き方を含め役にピッタリだった

 現在放送中の『後妻業』は、直木賞作家・黒川博行氏の同名小説が原作。同原作は、16年に大竹しのぶ主演で映画『後妻業の女』として映像化。モントリオール世界映画祭でも上映された話題作だが、今回連ドラ化に挑戦した背景を、同局の杉浦史明プロデューサーはこう語る。

「開局60周年を迎えているカンテレが、大阪を舞台に、関西弁を使った面白いドラマができないかと考えたことがきっかけです。全国ネットのGP枠で関西弁を話すドラマが成立するのかという不安もありましたが、それこそ東京キー局には作れない、カンテレならではのドラマができるのではないかと考えました」(杉浦史明氏、以下同)

 主人公は遺産相続目当てで資産家の老人を狙う結婚詐欺の後妻業のエース・武内小夜子。原作では69歳ですが、ドラマでは45歳の設定で、木村佳乃が初の関西弁で妖艶な悪女に挑んでいる。

「映画として2時間に濃縮された作品を、いかに9話の連ドラとして、視聴者を飽きさせずに見せられるかが一番難しいところでした。そんななか、原作者の黒川さんから“リアリティを外さず面白さがあれば、原作とも映画とも違った形でも全く構わない”という心強いお言葉をいただき、あえて設定を変えることに決めました。映画では大竹しのぶさんが欲望を隠さない徹底した悪女として小夜子を演じられましたが、佳乃さんには若さ、品のある美しさ、コミカルさなど、さまざまな要素を加えた小夜子を演じていただき、視聴者の皆さんに“小夜子は本当に悪女なのか?”と睨んでいただけるよう描いています。強い女性の生き方を含め、佳乃さんは我々が抱く小夜子像にまさにピッタリの方でした。結婚・出産を経て、現在は子育てをしながら女優業に邁進されていますが、佳乃さんは女優としても人間としても、どんどん輝きを増していらっしゃるように思います。バラエティで時折見せる、コミカルな一面もとても魅力的ですよね」

◆決定稿を受け、作られた宮本の主題歌は物語を盛り上げる重要な演出の1つ

 あえて、関西出身の女優を主演にキャスティングしなかったのも戦略だった。
「放送開始後、SNS等で“あれが本当の関西弁なのか?”と取り上げられたりもしましたが、ちょっとたどたどしい関西弁を話すことで、実はそれも芝居なんじゃないかと疑ってもらえるように、そして、どの顔が本当の小夜子なのかわからないと思ってもらえるよう意識しています」

 ドラマでは、その小夜子と木村多江演じる小夜子に狙われた資産家の娘・朋美とのバトルが見どころに。また、小夜子にターゲットを紹介する結婚相談所の経営者・柏木役に高橋克典、朋美の知人の私立探偵・本多役に伊原剛志が扮し、小夜子、柏木、朋美、本多という原作にも映画にも描かれなかった4人の大人の恋愛模様も大きな注目ポイントとなっている。

「原作とも映画とも違う世界観を描くにあたっては、キャストの皆さんに我々が作りたいドラマをより深く理解していただき、早めに役作りの準備をしていただけるよう、顔合わせの段階で決定稿を全部お渡ししました。これは主題歌についても同じです。連ドラではなかなかないことですが、エレファントカシマシ宮本浩次さんにも、決定稿を全部読んでもらったうえでソロ曲『冬の花』を書いていただきました。物語との親和性が高く、作品を演出する1つの重要な要素になっていると思います」

 介護、老人の孤独等、現代社会に増加している問題をしっかり捉えながら、大阪城、スカイビル、通天閣など名所でのロケ、コミカルなシーン含め、大阪ならでは、カンテレらしさを追求している本作。小夜子、朋美に関しては、アニマル柄、原色など、一般に印象付けられているコテコテな大阪ファッションではない、ハイセンスさも意識しているそう。記念イヤーに、緻密に繊細に、新たな挑戦を続けている大阪発信ドラマの今後の行方に要注目だ。

文/河上いつ子

※カンテレの開局60周年記念日は、18年11月22日

●杉浦史明(すぎうら ふみあき)
1970年生まれ。1994年に関西テレビ放送に入社し、大阪本社の制作部でバラエティを担当。東京支社制作部を経て、再び本社勤務となり、『関ジャニ∞のジャニ勉』『マルコポロリ!』『よ〜いドン!』など、人気バラエティ・情報番組を手がける。

関連写真

  • 『後妻業』で主人公の“悪女”小夜子を好演中の木村佳乃 (C)カンテレ
  • 木村佳乃と木村多江、“ダブル木村”によるバトルも見どころの1つ ※写真は第4話(C)カンテレ
  • カンテレの1月期ドラマは、木村佳乃が“悪女”を好演中の『後妻業』(C)カンテレ
  • カンテレの1月期ドラマは、木村佳乃が“悪女”を好演中の『後妻業』 ※写真は第2話(C)カンテレ
  • カンテレの1月期ドラマは、木村佳乃が“悪女”を好演中の『後妻業』(C)カンテレ

提供元:CONFIDENCE

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索