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今年注目度No.1バンドKing Gnu、早くも3位に初登場 J-POPファンにも訴求

 昨年より音楽ファンから注目を集め、メディア等にも取り上げられる機会も急増している今年注目度No.1バンド・King Gnuのメジャーデビューアルバム『Sympa』が、周囲の期待どおりの好スタートを切った。『Sympa』は1月28日付アルバムランキングで4位(売上枚数:1.7万枚)を記録したほか、デジタルアルバムでも同じく4位(2425DL)を獲得。さらに、CD、デジタルダウンロード、ストリーミングを集計した合算アルバムランキングでは、2.1万ポイントを記録し、3位に初登場。3つのランキングでキャリア初となるTOP5入りを果たすなど、本作で完全にブレイクポイントを迎えた。急速にリスナーを拡大させている理由はどこになるのか、さっそく探っていく。

King Gnu。左から勢喜遊(Ds、sampler)、常田大希(G、Vo)、、井口理(Vo、Key)、新井和輝(B)

King Gnu。左から勢喜遊(Ds、sampler)、常田大希(G、Vo)、、井口理(Vo、Key)、新井和輝(B)

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■ジャンルのボーダレス化が加速度的に進む現在のシーンにピタリと合致

 King Gnuのメンバーは、常田大希(G、Vo)、勢喜遊(Ds、sampler)、新井和輝(B)、井口理(Vo、Key)。東京藝術大学出身の常田が15年に前身バンドSrv. Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)を結成。何度かのメンバーチェンジを経て、17年にはSXSW及び全米7ヶ所でのツアーを行った後、King Gnuとして本格的な活動をスタートさせた。

 同年7月にはFUJI ROCK FESTIVALに出演。10月には1stアルバム『Tokyo Rendez-Vous』を発表。18年に入っても、初のワンマンライブ、シングル「Prayer X」(TVアニメ『BANANA FISH』 エンディングテーマ)をリリースするなど、精力的な活動を続けてきた。

“トーキョー・ニュー・ミクスチャー”を掲げる彼らの音楽スタイルには、ロック、HIP HOP、ジャズ、ファンク、クラシックなど、さまざまな要素が反映されている。

 クラシックの素養を持った常田を筆頭に、ブラックミュージック、ジャズなどをルーツに持つ新井、ファンク、ラテンなどを好む勢喜、そして、幼少の頃から昭和歌謡、フォークなどに親しんでいたという井口。4人の音楽的志向、技術、センスが絡み合って生まれるKing Gnuの楽曲は、ジャンルのボーダレス化が加速度的に進む現在のシーンに合致している。メインソングライターの常田は、これまでのインタビューのなかで「意図的にJ-POPの要素を入れている」と発言しているが、その言葉通り、幅広い層の受け入れられる仕掛けがほどこされていることも、彼らの知名度が急激に上がっている理由だ。

 高い演奏テクニック、スリリングな存在感を併せ持ったライブパフォーマンスも彼らの魅力。昨夏はFUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVALなどの大型フェスに出演。10月にはホットスタッフ・プロモーションの40周年記念イベント「Hot Stuff Promotion 40th Anniversary MASAKA」で日本武道館のステージに立ち、アリーナクラスのステージでも十分に通用することを証明してみせた。

■コアな音楽ファンを唸らせ、J-POPユーザーにも届くサウンド

 その一方で、米津玄師のアルバム『BOOTLEG』収録の「???(アリス)」に常田が参加したほか、常田と新井がセロニアス・モンクのトリビュートアルバムに楽曲を提供するなど、活動の範囲を拡大。さらに音楽情報番組『バズリズム』(日テレ系)「これはバズるぞ2019」の1位に選出されるなど、メディアでの注目度も高まるなかでリリースされたアルバム『Sympa』は、高い音楽性、先鋭的なサウンドアプローチ、優れたポップネスがバランスよく共存している。

 歌詞、サウンドを含め、アグレッシブなロックバンドとしての存在感を示したリード曲「Slumberland」、ファンクの要素を取り入れたダンスチューン「Flash!!!」、高度なストリングス・アレンジが印象的なクラシカルな楽曲「Don't Stop the Clocks」、彼らにとって初めてのアニメソング「Prayer X」など、さまざまなジャンルを網羅することで、幅広いリスナーに訴求できるアルバムに仕上がっているのだ。

 さらに特筆すべきは、井口の豊かなボーカル力を活かした「The hole」。叙情的なピアノ、ドラマティックなメロディを軸にしたこの曲は、J−POPの王道ともいえるバラードナンバー。こういう質の高い“歌モノ”を作れることは、今後、彼らがメジャーシーンで活動していくうえで、大きな武器になるはずだ。

『Sympa』というタイトルには、シンパ(共鳴者、同調者)を集めるという意味が込められているという。King Gnuというバンド名も、ヌーという動物の“少しずつ合流し、最後は巨大な群れになる”という習性にちなんでいるのだが、メジャーデビューのタイミングで彼らは、その旺盛な上昇志向を露わにしてきたと言っていい。

 コアな音楽ファンを唸らせ、バンドシーンに強くアピールし、一般的なJ-POPユーザーの耳にも届く彼らの音楽はここから本格的なブレイクへと進んでいくはず。19年の音楽シーンにおける、もっとも注目すべきニューカマーであることは間違いないだろう。
(文/森朋之)

関連写真

  • King Gnu。左から勢喜遊(Ds、sampler)、常田大希(G、Vo)、、井口理(Vo、Key)、新井和輝(B)
  • 『Sympa』King Gnu(アリオラジャパン)ジャケット写真
  • 高い演奏テクニック、スリリングな存在感を併せ持ったライブパフォーマンスも彼らの魅力。写真は1月16日開催、銀座ソニーパーク公演の模様(写真:上飯坂一)

提供元:CONFIDENCE

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