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宮崎駿のオリジナル作品、国内初の舞台化 主演は内野聖陽

 スタジオジブリのアニメーション監督として知られる宮崎駿氏が模型雑誌『月刊モデルグラフィックス』に1980〜90年代に不定期連載していた『宮崎駿の雑想ノート』(大日本絵画)より『最貧前線』が舞台化される。宮崎氏のオリジナル作品が舞台化されるのは国内初。俳優の内野聖陽が主演し、来年8月末〜10月にかけて、茨城・水戸芸術館ACM劇場をはじめ、東京・世田谷パブリックシアターなど全国6ヶ所で上演予定。

『宮崎駿の雑想ノート』より『最貧前線』が舞台化。主演は内野聖陽に決定(C)Studio Gibuli

『宮崎駿の雑想ノート』より『最貧前線』が舞台化。主演は内野聖陽に決定(C)Studio Gibuli

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 『宮崎駿の雑想ノート』は、戦争の時代に兵器と人間が織りなしたドラマを描いた、連作絵物語&漫画。そこから生まれた長編アニメーションが『紅の豚』(1992年)。今回、舞台化される『最貧前線』はその中の11番目の物語。

 太平洋戦争末期の日本。ほとんどの軍艦を沈められた日本海軍は、来襲するアメリカ軍の動静を探ろうと、苦肉の策として漁船を特設監視艇として太平洋に送り出す。乗り込んだのは、元々の乗組員の漁師たちと海軍の兵士たち。海の最前線に送り込まれた男たちは、果たして帰って来られるのだろうか…。

 原作は、わずか5ページの小品ながら、宮崎氏らしいユーモアとスペクタクルを併せ持った内容で、最後のコマにある「平和が何よりだノオ…」に込められた平和へのメッセージはかぎりなく重く、内容的には長編に劣らない読み応えのある作品と言える。宮崎氏はこの自作について、原作単行本巻末のインタビューで、当時、次のように語っていた。「これはね、描き終わってもまだ終わってないんです、気持ちの中で。(中略)つまり“絶対に死なないぞ!”と、なんとか犬死をしないで、“また魚をとるんだ!”っていうね、そういう人達が出てきて、それを全うする話をね、僕はやってみたいと前から思ってたんです…。」

 主演の内野は、過酷な海の最前線に放り込まれながら、若きエリート軍人たちと対立しつつも、仲間の漁師たちを家族の待つ母港に帰そうと懸命に努力する漁船・吉祥丸の老練な船長を演じる。その姿勢は、やがて海軍将兵たちの頑な心も動かしていくことに…。

 舞台版『最貧前線』で、敵に、大自然に、力強く立ち向かう男たちの物語の脚本化に挑んだのは、水戸芸術館ACM劇場芸術監督を務める井上桂氏。原作のエピソードを踏まえ、さまざまな文献から当時のエピソードを掘り起し、新たな物語展開や登場人物の性格付けを行った。演出は、NHKエンタープライズ制作本部ドラマ番組エグゼブティブ・ディレクターの一色隆司氏。

 スタジオジブリ作品では過去に、『おもひでぽろぽろ』(高畑勲監督作品)が2011年にわらび座(演出:栗山民也)で、『もののけ姫』が13年4月に英国ホール・ホグ・シアターで舞台化された。なお『魔女の宅急便』の舞台化は、角野栄子氏の原作小説に基づき、国内外で行われている。また、原作の『雑想ノート』は、1995年〜96年にラジオドラマになり、のちにCD化もされた。

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