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綾野剛・松田龍平の初共演で芥川賞小説『影裏』映画化 監督は岩手出身の大友啓史

 昨年文學界新人賞と第157回芥川賞を受賞した沼田真佑氏の『影裏』(文藝春秋)が、大友啓史監督のもと、主演に綾野剛、共演に松田龍平を迎えて、映画化されることが明らかになった。綾野と松田は初共演。撮影は、今年7月・8月に原作の舞台である岩手県にてオールロケで行われた。2020年に公開予定。

第157回芥川賞を受賞した沼田真佑氏の『影裏』を映画化。主演は綾野剛(右)、共演は松田龍平(左)

第157回芥川賞を受賞した沼田真佑氏の『影裏』を映画化。主演は綾野剛(右)、共演は松田龍平(左)

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 沼田氏による原作は、高い技巧と繊細で美しい文章の交差で文壇を驚愕させ、人間の心の裏側や、現代社会における繊細なテーマを描いた“純文学の傑作”と高く評価されている。

 今野(綾野)は、会社の転勤で移り住んだ岩手で同僚の日浅(松田)と出会う。慣れない地でただ一人、日浅に心を許していく今野。二人で酒を酌み交わし、二人で釣りをする、まるで遅れてやってきたかのような成熟した青春の日々に、今野は言いようのない心地よさを感じていた。しかし、日浅は突然、今野に一言も告げずに会社を辞めてしまう。

 しばらくして再会をするものの、一度生まれた距離は埋まらず、二人は会わないまま時が過ぎていく。そんな中、実は日浅が行方不明になっていることを耳にする今野。日浅を探そうとその足跡を辿るうちに、彼の周囲の人々の話から、今野は日浅の数々の影の顔、裏の顔を知ってしまう。日の光の下、ともに時を過ごしたあの男の“本当”はどこにあるのか。

 綾野は「これほど愛おしく苦しく刹那な人を生きたことがありません。私の中で静かに生きていた感情を、今野秋一は呼び覚ましてくれました。そして日浅は、今野の中で生きる微かな影裏を見つけてくれた。そして照らしてくれた。私はあなたを忘れません。影裏で生きる全ての人々に出会えた事、大友監督の眼差し、各部署の愛、松田龍平さんが日浅であったからこそ、私は私で居られた。心から感謝します」と、コメント。

 松田は「表があればもちろん裏もあって。大抵の人は、裏は見せないもので。人によっては裏表なんてものは大して差がないのかもしれませんが。まだワンシーンだけ撮影が残っていて、終わってないのですが、どんな映画になるのか、とても楽しみです」と期待する。

 映画『るろうに剣心』シリーズ、大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)などで知られる大友監督は、物語の舞台となっている岩手県生まれ育った。「震災以前、震災以降。変わらないものと変わりゆくもの。東京オリンピックの熱狂と喧騒に追いやられる前に、寡黙な東北人の身体の奥底に潜む感情に、真正面から触れておきたい」と語る。

 猛暑の中、綾野・松田と監督、そしてスタッフが一丸となり、繊細かつドラマティックな数々のシーンを撮影。「熱烈に撮りたかった二人の俳優、綾野剛、松田龍平両氏との地元・盛岡での濃密な撮影は、まるで東北の短い夏のお祭りのように、強烈に脳裏に沁みついています。良い作品に仕上げたいと思います」と約束した。

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