Twitter上で、「#プリキュア名乗り」がじわじわと拡大し、10月19日にTwitterトレンド1位を獲得した。プリキュアファン以外も面白がって投稿し、本家の東映公式もその流れに乗る事態に発展。現在もハッシュタグの投稿が続いている。今年はネット発の“祭り”が生んだヒット作が目立った年だった。このSNS上の“祭り”と15周年映画の公開を控えて盛り上がりを見せている『プリキュア』の親和性について考えてみよう。
■知らない人もネタ投稿「#プリキュア名乗り」に東映公式が乗っかる事態に発展
「#プリキュア名乗り」とは、「光の使者 キュアブラック!」(初代)、「輝く未来を抱きしめて! みんなを応援! 元気のプリキュア キュアエール!」(現テレビシリーズ)のように、Twitter上でプリキュアの変身時の名乗りのように何かを表現するという遊び投稿だ。
投稿者からは「やってみると難しい」「言葉選びにセンスが出る」といった声もあり、そのクオリティーは千差万別でユニーク。「#プリキュア名乗り」の投稿がトレンド入りすると、個人のユーザーだけでなく、企業・メーカーの公式アカウントも参入。「DokiDokiLive」、ボウリング場、「キャラアニ」、GMOリサーチの「infoQ」、そして「こてっちゃん」までさまざまな“公式”アカウントがプリキュア名乗りを投稿し、アニメ作品のファンでない人たちがジャンルの垣根を超えてSNSを賑わせた。
その流れに本家東映が乗っかる事態に発展。「公式も乗っかってみました!もちろん公式名乗りですよ…!映画には歴代55人のプリキュアが登場するよ」と、正式なプリキュアたちの名乗り口上を連続投稿。そしてその翌日からプリキュア15周年のプロデューサーインタビューや、歴代プリキュア55人が集結するという史上初のイベントも大成功を収めるなど、週末のネットニュースをプリキュアが賑わせる結果となった。15周年の記念映画『HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』の公開が27日に控えており、「#プリキュア名乗り」という“神風”をうまく活用したようだ。
■「100億の男」「カメ止め」もファンがSNSと連動しロイヤルカスタマー化
「#プリキュア名乗り」の他にも、今年はネットで“祭り”に発展したコンテンツが目立った。コナンの人気キャラクター安室透をメインに打ち出した劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』の興行収入が88億円を突破し、歴代邦画アニメ8位という大ヒットした背景にもSNSでの“祭り”化があった。人気キャラ・安室透を興行収入100億の男にしようとファンたちが「#100億の男」投稿を行い、伝播的に広がっていった。ファンが繰り返し映画を鑑賞し、映画を見た回数を「1執行目」「6執行目」と表現してその熱を競い合い、そのなかには「97執行目」というつわものも存在した。ガンダムのアムロの声優で知られる古谷徹も「声優人生で最大の人気」と喜びの声を明かした。
記憶に新しい『カメラを止めるな!』も同様にSNS上でその評判が話題になり、単館上映だった作品が全国に広がっていく熱を一緒にネットユーザーが体験。また「うちの地元でも上映してほしい」といった応援投稿も相次いだ結果、現在343館(※公式HP参照、上映終了劇場も含む)まで拡大している。”100億の男”同様に、「1感染」「〇回目」と繰り返し鑑賞する様子の投稿も見受けられた。
このように、SNS上の“祭り”と連動してコンテンツのファンがロイヤルカスタマー化する傾向にある。SNSユーザーは、無料の宣伝マンとしてもコンテンツパワーの拡大に貢献する存在になっているのだ。
■“お祭り化”の背景にコンテンツ力 消費されるものではなく知的財産として活用
近年、映画に限らずコンテンツ業界は、マスに届けるのはもちろんだが、ファンにしっかり届けることが重要視されている。ファンにしっかり届けることで、一過性のコンテンツではなく、繰り返し親しんでもらうものに育てていくという流れは確実に存在する。さらに近年、コンテンツは消費されるものではなく“IP”(知的財産)として活用していくという考えが重要視されているのも見逃せない。
ゲームメーカー・任天堂の「マリオ」やカプコンの「ロックマン」がハリウッド映画化が決定したり、サンリオのハローキティがYouTuberとしてデビューして「CTuber」(キャラクターのYouTuber)を名乗っているのも、ブランド力を知的財産ととらえた時代の流れを受けてのこと。存在は知っているけれど触れたことがないという人にも「なんだか面白そう」と参加感があり、繰り返し楽しむための材料・余白があることが燃料となっている。“祭り”のネタにされるのはブランド力・コンテンツ力のたまものなのだ。
15周年を迎えたプリキュアはどうか。今年のシリーズでも、毎週日曜日の朝に6万件以上「#precure」が投稿され、継続した人気を誇る。15年の歳月で子どもが親になるケースもあり、アニメは大人に馴染みのある時代に変化。認知度、15シリーズ55人という材料の豊富さでも「プリキュア」はSNSでも絶好の“ネタ”といえそうだ。1週間経過した現在も「#プリキュア名乗り」の投稿は続いているが、この“お祭り”が映画のヒットに結びつくのか、注目していきたい。
⇒55人全員のプリキュア名乗りはこちら!
■知らない人もネタ投稿「#プリキュア名乗り」に東映公式が乗っかる事態に発展
「#プリキュア名乗り」とは、「光の使者 キュアブラック!」(初代)、「輝く未来を抱きしめて! みんなを応援! 元気のプリキュア キュアエール!」(現テレビシリーズ)のように、Twitter上でプリキュアの変身時の名乗りのように何かを表現するという遊び投稿だ。
投稿者からは「やってみると難しい」「言葉選びにセンスが出る」といった声もあり、そのクオリティーは千差万別でユニーク。「#プリキュア名乗り」の投稿がトレンド入りすると、個人のユーザーだけでなく、企業・メーカーの公式アカウントも参入。「DokiDokiLive」、ボウリング場、「キャラアニ」、GMOリサーチの「infoQ」、そして「こてっちゃん」までさまざまな“公式”アカウントがプリキュア名乗りを投稿し、アニメ作品のファンでない人たちがジャンルの垣根を超えてSNSを賑わせた。
その流れに本家東映が乗っかる事態に発展。「公式も乗っかってみました!もちろん公式名乗りですよ…!映画には歴代55人のプリキュアが登場するよ」と、正式なプリキュアたちの名乗り口上を連続投稿。そしてその翌日からプリキュア15周年のプロデューサーインタビューや、歴代プリキュア55人が集結するという史上初のイベントも大成功を収めるなど、週末のネットニュースをプリキュアが賑わせる結果となった。15周年の記念映画『HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』の公開が27日に控えており、「#プリキュア名乗り」という“神風”をうまく活用したようだ。
■「100億の男」「カメ止め」もファンがSNSと連動しロイヤルカスタマー化
「#プリキュア名乗り」の他にも、今年はネットで“祭り”に発展したコンテンツが目立った。コナンの人気キャラクター安室透をメインに打ち出した劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』の興行収入が88億円を突破し、歴代邦画アニメ8位という大ヒットした背景にもSNSでの“祭り”化があった。人気キャラ・安室透を興行収入100億の男にしようとファンたちが「#100億の男」投稿を行い、伝播的に広がっていった。ファンが繰り返し映画を鑑賞し、映画を見た回数を「1執行目」「6執行目」と表現してその熱を競い合い、そのなかには「97執行目」というつわものも存在した。ガンダムのアムロの声優で知られる古谷徹も「声優人生で最大の人気」と喜びの声を明かした。
記憶に新しい『カメラを止めるな!』も同様にSNS上でその評判が話題になり、単館上映だった作品が全国に広がっていく熱を一緒にネットユーザーが体験。また「うちの地元でも上映してほしい」といった応援投稿も相次いだ結果、現在343館(※公式HP参照、上映終了劇場も含む)まで拡大している。”100億の男”同様に、「1感染」「〇回目」と繰り返し鑑賞する様子の投稿も見受けられた。
このように、SNS上の“祭り”と連動してコンテンツのファンがロイヤルカスタマー化する傾向にある。SNSユーザーは、無料の宣伝マンとしてもコンテンツパワーの拡大に貢献する存在になっているのだ。
■“お祭り化”の背景にコンテンツ力 消費されるものではなく知的財産として活用
近年、映画に限らずコンテンツ業界は、マスに届けるのはもちろんだが、ファンにしっかり届けることが重要視されている。ファンにしっかり届けることで、一過性のコンテンツではなく、繰り返し親しんでもらうものに育てていくという流れは確実に存在する。さらに近年、コンテンツは消費されるものではなく“IP”(知的財産)として活用していくという考えが重要視されているのも見逃せない。
ゲームメーカー・任天堂の「マリオ」やカプコンの「ロックマン」がハリウッド映画化が決定したり、サンリオのハローキティがYouTuberとしてデビューして「CTuber」(キャラクターのYouTuber)を名乗っているのも、ブランド力を知的財産ととらえた時代の流れを受けてのこと。存在は知っているけれど触れたことがないという人にも「なんだか面白そう」と参加感があり、繰り返し楽しむための材料・余白があることが燃料となっている。“祭り”のネタにされるのはブランド力・コンテンツ力のたまものなのだ。
15周年を迎えたプリキュアはどうか。今年のシリーズでも、毎週日曜日の朝に6万件以上「#precure」が投稿され、継続した人気を誇る。15年の歳月で子どもが親になるケースもあり、アニメは大人に馴染みのある時代に変化。認知度、15シリーズ55人という材料の豊富さでも「プリキュア」はSNSでも絶好の“ネタ”といえそうだ。1週間経過した現在も「#プリキュア名乗り」の投稿は続いているが、この“お祭り”が映画のヒットに結びつくのか、注目していきたい。
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2018/10/25