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ムロツヨシ、過去への感謝と未来への戒め「かっこつけないといけない」

 10月期の連ドラのなかでも『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系・毎週金曜 後10:00)はちょっとしたサプライズだった。『勇者ヨシヒコ』シリーズや『銀魂』など福田雄一監督作品をはじめとするコメディに数多く出演してきたムロツヨシ(42)が、女優・戸田恵梨香の恋人役に起用。しかも先週(12日)放送の第一話では堂々とラブシーンまでやってのけるとSNSではムロが「イケメンに見える」(!?)と大きな驚きと反響を呼んだ。見事に新境地を切り開いて驚かせたムロがORICON NEWSのインタビューに対し、今作に臨む心境や下積み時代の自分に向けての感謝と未来への葛藤を語った。

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■相手役・戸田恵梨香に男前な宣言「一緒に背負わせて」

 同ドラマは『セカンドバージン』など“ラブストーリーの名手”大石静氏が紡ぐ完全オリジナル作品。レディースクリニックの医師として忙しく働く主人公の北澤尚(戸田)は年上の医師・井原侑市(松岡昌宏)との婚約しながらも、元小説家で引越しのアルバイトをする無愛想な男・間宮真司(ムロ)と惹かれ合い恋に落ちる。ド直球なラブストーリーに、ラブストーリー本格初出演のムロがまっすぐに挑んでいる。

 放送後、ラブシーンと同じくらいに話題になっていたのは二人の自然体な距離感。戸田は公式インスタグラムにムロと接近した2ショットを掲載するなどカメラが回っていないところでもすっかち打ち解けた雰囲気が伝わってくる。ムロは「何回か共演しているので、距離は近いかな」。

 クランクイン前には俳優仲間の中村倫也と戸田と3人で食事へ。「恵梨香ちゃんは主役で、しかも若年性アルツハイマーを患う役。大変だというのはわかっている。座長ではあるけど一番隣にいる人間として、『もし背負わせてくれるのであれば、違和感だったり、キツさは一緒に背負わさせてもらいますよ』と伝えました。そうしたら後から『カッコつけてた』とみんなに言いふらされました(笑)」。

 そんなオチを付けつつもムロの申し出が功を奏したのか、一話だけでも徐々に距離を詰めていく真司と尚の姿がむずがゆく、そして微笑ましくかった。二人が幸せそうにすればするほど、尚の若年性アルツハイマーが進行していく今後の展開を思うと切なさが増す。二人の行方から目が離せなくなるのだ。

 「待ち時間は恵梨香ちゃんとほぼ一緒なので、掛け合いについて提案したりすることもあります。僕らの仕事は台本を超えるのが絶対条件。台本通りではなく、台本を越えないといけない。そこに話し合いや提案・提示は必要なので遠慮なく話を進めますし、すぐに『じゃあ今のなし』って下げますし…。なあなあではなく突き詰めた会話ができているのはありがたいですね」。

■「役者としては飽きられる怖さもあります」

 ラブストーリーならではのシリアスな芝居には慣れないことも。「なにより難しかったのが『振り返る』というト書き。そんなト書きはもらったことなかった。『振り返る』ってト書きがもうかっこいいじゃないですか。福田雄一のト書きにはなかったですよ! もう緊張して緊張して。でも緊張してることは誰にもわからないようにしてました(笑)」。

 「せりふより『目をあわせる』とか、『振り返る』とか男と女、1対1の関係性では距離感が大事。二人の(物理的な)距離、声の大きさ、せりふではないところで心の距離をみせる。小劇場という100人位の劇場で演っているとき、人と人の距離感ですべて表現し終わっていることがあるんですけどそういうのを久々に映像で演らせてもらっているな、と。クソ真面目にふざけるお芝居ももちろん楽しいですが、そういうお芝居ができることはうれしいですよね」。

 今期では福田雄一監督による『今日から俺は!!』(日本テレビ)にも出演しているがこちらは金八先生…?を思わせるロングヘアをなびかせて相変わらずのギャグ演技全開。その振り幅の大きさには驚かされるばかり。

 「役者としては飽きられる怖さもありますが一週間の限られたドラマ枠の内、2本に出させてもらっているのはうれしいです。違うジャンルのドラマに出させてもらって、観ている人は混乱するのか、ちゃんと切り替えて観てもらえるのか…。これだけ振り幅野大きいドラマを2つ、同じクールで演じさせてもらえるのはありがたいです」。

 ムロ演じる真司は小説家として挫折。どこか寂しげで世間を冷めた目で見ている。これまでひょうきんな彼のイメージを覆すようなキャラクターだ。「真司はだまし絵のように階段を登っているつもりなのにずっと同じ場所にいる…そんな感覚を感じている人なんだなと思います。そんなだまし絵の世界から引っ張っていってくれたのは尚で、彼女のおかげ、新しい景色がみえた。上がってるつもりなのに上がってない…ずっと同じ場所にいる。出口がみつからないという感覚は僕にもあったなと思います」と共感を示す。

■くすぶった20代、がむしゃらに駆け抜けた30代

 「くすぶっていた」という20代から30代は無我夢中だった。「今では周りから『休みないでしょ』とよく言われるけど、それほどキツくないです。3、4年前のいろいろな仕事を掛け持ちしていた時のほうが忙しかったしキツかった。すべてに全力だった。ドラマの1話ゲストや舞台のけいこ、ラジオ、いろいろなことをやらないと自分のキャパシティも広がらないと思ったし、あの頃は本当に忙しかった。それに比べたら今は1つの作品に集中できますし、もちろん『LIFE!』(NHK)というレギュラー番組があるのでその収録はありますが、ほとんど『大恋愛』一本に集中できるのでこんなにありがたい環境はないですね」。

 過去の努力は確実に今の活躍につながった。「ひとつの仕事から新しい仕事をもらうためにとにかく頑張った3、4年前の自分のおかげで今がある。その時期の自分に感謝したいです。過去の自分が、頑張ってくれてたおかげで今はポスターに戸田恵梨香ちゃんと二人で載せてもらっていますしね。ありがたいなと思いながら眺めています。昔はポスターに写真が載るどころか、ポスターに名前が載るだけでよろこんでいました。その有り難みとプレッシャーと…それがどうか続いてほしいと思うから手は抜けないなと思います」。

 階段を登り続け、役者としてステージアップしてきたからこ感じる戒めもある。「今でも悩んでいるんですけど、変わらないといけないところもあると思うんです。背負うものが増えてきますし、“もっと調子に乗らないといけない時期”はやってくると思う。調子に乗ってはいけない、でなくて…」と言葉を選びながら打ち明けてくれた。

 「『俺はやります、できます』と口に出して、もっと言わないといけない日がやってくるのかなと思ったりします。自分のことを大きく見せないといけないかな。というのは小栗旬山田孝之から学びました(笑)。彼らに対して『かっこいいこと言うな〜』とは思いますけど、期待を背負っている分、抱えた不安は出さなかったりする。彼らのおかげで、自分もかっこつけないといけない日はやってくるのかなと思っています。今回ももちろんプレッシャーはありますが不安を表に出したってそのドラマ、みんな観ないですもんね」。

 ラブストーリーだってコメディだって彼はいつだって全力。そして仕事や芝居に対してどこまでも“ばか正直”だ。この愚直さが彼にいろいろな作品のオファーを舞い込む理由のひとつかもしれない。きっとこのサプライズはまだまだ序の口で、これからも視聴者の想像を超える驚きを提供してくれることだろう。



関連写真

  • TBSドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』第2話よりムロツヨシ、戸田恵梨香 (C)TBS
  • TBSドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』第2話よりムロツヨシ(C)TBS
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  • TBSドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』第2話よりムロツヨシ(C)TBS
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