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【京都国際映画祭】樹木希林さん、内田裕也と最後の“共演作”で思い伝える「面白かったわね」

 ロック歌手の内田裕也(78)が14日、京都市内を中心に開催中の『京都国際映画祭2018』内で『転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション』として開催された上映会で舞台あいさつに登壇。先月15日に全身がんで亡くなった妻で女優・樹木希林さん(享年75=本名・内田啓子さん)語りを務めており、同作が最後の“共演作”となる。

『転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション』舞台あいさつに登壇した内田裕也 (C)ORICON NewS inc.

『転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション』舞台あいさつに登壇した内田裕也 (C)ORICON NewS inc.

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 『転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション』として今年7月、8月にフジテレビ系『ザ・ノンフィクション』枠で放送されたものに一部手を加え、上映。2017年の第45回「ニューイヤーズワールドロックフェスティバル」へ取り組む内田に1年間密着したドキュメンタリーとなっている。樹木さんの最後のせりふは「きょうまでの人生、上出来でした。私は、ふっとお暇するかもしれません。裕也さんには『面白かったわね』と伝えました。裕也さんの魂、転がって、転がって、転がって、どこに行くのかなぁ」だった。それを受けた内田は「ヤバいヤツがおもしろいもんね」とつぶやくように話した。

 舞台あいさつに登壇した内田は「声がでにくい」と話したが「一杯飲めば治るんだけどね」と軽いジョーク。観客、一緒に登壇した崔洋一監督を笑わせた。同作を劇場で見ていた内田は「先日、他界しました樹木希林さんが出ていましたので、ちょっと動揺を隠せませんでしたけど一緒にスクリーンを見てくれてうれしかったです」と樹木さんの出演シーンを語りつつ、観客への感謝を語った。「拝見して、とても面白かった。いろんな古い友人も出てきて、感無量で見させていただいた。今後の俺のロックンロールライフにパワーとなって繋がっていく」と力強く語った。崔監督は「いみじくも樹木さんは『崔さん、私の最後のナレーションよ』と言ってくださった」と偲んだ。

 急きょ、報道陣に対応した崔監督はナレーション撮りが死去の2ヶ月前だったことを報告。「最後のナレーションが裕也さんのドキュメンタリーということが、お2人の縁みたいなことを感じた。なによりステキだったのが希林さんの機嫌がよかった。体調は厳しいなとも思いましたけど」と振り返った。

 ナレーションの収録が終わると、樹木さんは「見ていっていい?」と最後の仕上げ作業を見学したという。夫婦で同じスクリーンに映る“共演作”は、これが最後。崔監督は「編集をしているのを見て非常に笑っていた。それが強い印象でしたね。冒頭から機嫌よく笑っていた」と在りし日を語った。「『とっても分かりづらい人、だけど分かりやすい人』という部分はクスクス笑うように言ってましたね。そういう意味では希林さんも気に入って仕事していただいたのでは」。

 また、この日、崔監督は内田の横に座って映像を見ていた。ときどき内田は笑っていたそうで「2人にしかわからないことがある。40数年、別個には行きているけどともに生きているような感覚は、お2人にはあったんじゃないでしょうかねぇ」としみじみ。樹木さんは「何なら2ショットのインタビューもOKよ」と軽口を言いつつ、ドキュメンタリーが撮影されている状況を「これもある種の裕也さんの徳よね」と話していたそう。崔監督は「今もお願いしてよかったと思います」と故人への惜しみない感謝を口にした。

 同映画祭は、1997年から開催されてきた京都映画祭の伝統と志を引き継ぎ、2014年に誕生し、今年で5回目。「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに、映画以外にもアート、パフォーマンス、工芸などさまざまな分野を対象に展開する。今年のキャッチコピーは「京都上映中。」。映画部門では、京都を代表する巨匠、中島貞夫監督の20年ぶりの長編最新作『多十郎殉愛記』がワールドプレミア上映される。

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  • 『転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション』舞台あいさつに登壇した内田裕也 (C)ORICON NewS inc.
  • 観客の歓声に応える内田裕也 (C)ORICON NewS inc.
  • 『転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション』舞台あいさつに登壇した内田裕也 (C)ORICON NewS inc.

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