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綾野剛、『ハゲタカ』横分け&メガネのこだわりに原作者も感銘

 俳優の綾野剛が主演するテレビ朝日系木曜ドラマ『ハゲタカ』(毎週木曜 後9:00)は、6日放送の第8話が最終回。“企業買収”のスペシャリスト・鷲津政彦(綾野)が、「ハゲタカ」とバッシングを受けながらも日本の名門企業を次々と買収し、再生していく物語は、第7話から2018年を舞台に移し、原作小説でも描かれていない現代の鷲津が描かれている。ドラマ完全オリジナルストーリーの原案、監修は、もちろん、原作者の真山仁氏が手がけている。

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 その真山氏が今回のドラマ化で注目した一つが「鷲津のビジュアル」だったそう。「私は特定のイメージを抱いて書いてはいないのですが、“新しい鷲津像”ができたな、と思いました」と、雑誌『IN★POCKET』2018年8月号(講談社)で綾野との対談で絶賛。一方、綾野は鷲津の役作りとして、衣装やヘアスタイル、メガネにもとことんこだわっていたことを明かしている。

■アシンメトリーの髪型にも演じる上での意図がある

【真山】主人公・鷲津政彦のビジュアルに関して、私は特定のイメージを抱いて書いてはいないのですが、綾野さんは今回このようなスタイル(髪を横分けにしてメガネをかけている)にしてくださいました。これまでにない“新しい鷲津像”ができたな、と思いました。

【綾野】今回、いちばん大事なのは“鷲津自身が鷲津を生きている感覚”を持つことだと思ったんです。自然さをチョイスするよりも。全編を通じて根っこにあるのは、鷲津が鷲津を演じて生きているということ。そのためのキーアイテムとしてどうしてもメガネが必要でした。

 メガネをかけるということは、世界にフィルターをかけること。鷲津は、鷲津とはこうあるべきだという人物像のフィルターを通すことによって、物事をドライに真っ直ぐにさばいていく……。そのフィルターには「覚悟」という要素も含まれているかもしれない。だから逆にメガネをはずして何かに対して直接眼差しを向けるとき、実はそこには鷲津の本質があるわけです。たとえば自分の父親の死亡記事を読むときはメガネをとって、裸眼でその事実をちゃんと受け止める行為をしている。

【真山】メガネですか。映像だからこそできる表現方法ですね。面白いなあ。

【綾野】髪型もわざとアシンメトリーにして、横顔も右側と左側では表情が違って見える。つまり異なる表情によって鷲津が持つ二面性を表現したかったんです。この二面の表情を微妙にズラしたりすることで、彼の感情が見えてくると思います。

 今回は三部構成で、第一部の設定が1997年。衣裳に関していえば、ここでは28歳ということもあり、スピード感のあるシングルのスーツを着ています。ネクタイも細めにして、とにかくものすごい速いイメージのスタイルにしているんですけど、印象として残ることが重要だと思ったんですよね。物語が進むと、どこが違うのかわからないけど、変わったってことはわかるっていう……。

【真山】いや、原作者より鷲津のことをよく知っている(笑)。いまのお話を聞いていて、感動したのは、綾野さんがおっしゃる通り『ハゲタカ』って鷲津が鷲津を演じている物語なんです。専門的なことをいうと、小説には視点人物っていうのがいます。主人公がだいたいそうなのですが、(こめかみ付近を指して)ここにカメラが付いていて、このカメラはその人物の内面も映すんです。『ハゲタカ』の場合、それぞれ価値観や立場が異なっていますが、芝野(渡部篤郎)や貴子(沢尻エリカ)など毎回6、7人くらいいます。鷲津はというと、『ハゲタカII』冒頭で起こったある出来事によって、心身ともにボロボロになり一度地に堕ちる。それで迷走しかけたときに、「こんな気弱なヤツが企業買収なんかできないだろう」と気づいた。そこで内面にあるのは攻撃性と戦略のみという鷲津を、鷲津自身に演じさせるしかないと考えたんです。だから綾野さんが、鷲津が鷲津を演じていると表現するためにメガネを選択したっていうのは、お見それしましたとしかいいようがない(笑)。

■原作にない2018年の鷲津とは

【真山】ドラマでは、原作にない2018年、つまり現代の鷲津の物語が描かれていて、そのプロットを私が書かせてもらいました。

【綾野】第三部(第7話以降)ですね。

【真山】結局のところ、いま最も重要なトピックは、図体ばかり肥大した企業がどこまでも延命しようとすることなんですね。会社にも寿命があり、300年のところもあるだろうし、30年で社会的役割を終えるところもある。いずれにしても、寿命が尽きた会社は速やかにマーケットから退場してもらわなきゃいけない。「ハゲタカ」シリーズでも、腐った会社は叩きつぶしましょう、もっと風通しを良くしましょうということを書いてきたのですが、現代を生きる鷲津は大きくなりすぎた。アメリカや中国とわたりあった鷲津にもう敵はいない。ではそんな鷲津はいま何をするべきなのか。そんなことをモチーフに第三部の物語を考案しました。

【綾野】僕は個人的なテーマとして「破壊と構築」というのをいつも考えていて、やはり新しいことは、まず古いものを壊さないと始まらないと思うんです。同世代から若い世代の俳優さんにも壊すことをためらってくすぶっている人もいる。だから僕自身も自分の在り方を壊し、鷲津としても、壊すことの勇気を若い世代に教えていきたいと思います。壊して、でもそれだけでは終わらない、その先にあるもの、それに第三部でたどりつけたらいいなと思います。そして、そのとき、鷲津はどんな顔をしているんだろうと楽しみです。

【真山】私も楽しみにしています。

※『IN★POCKET』2018年8月号(講談社)より転載、一部を抜粋



関連写真

  • テレビ朝日系木曜ドラマ『ハゲタカ』に主演する綾野剛と原作小説の作者・真山仁氏(撮影/柏原力)
  • 木曜ドラマ『ハゲタカ』第8話・最終話(9月6日放送)より(C)テレビ朝日
  • 木曜ドラマ『ハゲタカ』第8話・最終話(9月6日放送)より(C)テレビ朝日
  • 木曜ドラマ『ハゲタカ』第8話・最終話(9月6日放送)より(C)テレビ朝日

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