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駿河太郎、ドラマ×マンガ×食べ物で語り継ぐ戦争体験「風物詩になれば」

 「今のにぎり寿司の大きさは、戦争による食糧難が影響していた」と言われている。これにまつわるエピソードを描いたマンガが、魚乃目三太氏(43)の『戦争めし』コミックス第2巻(秋田書店)に収録され、きょう11日、NHK・BSプレミアムの終戦特集として放送されるドラマ『戦争めし』(後10:30〜11:29)でも紹介される。

主演の駿河太郎(前列左)、共演の壇蜜(前列右)、原作者の魚乃目三太氏(後列)=ドラマ×マンガ『戦争めし』NHK・BSプレミアムで8月11日放送(C)NHK

主演の駿河太郎(前列左)、共演の壇蜜(前列右)、原作者の魚乃目三太氏(後列)=ドラマ×マンガ『戦争めし』NHK・BSプレミアムで8月11日放送(C)NHK

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 秋田書店からコミックス4巻が発売中の『戦争めし』は、先の戦争による食糧難の中、日本人はどう生き抜いたのか!? 子どもたちや若い世代へ語り継ぎたい昭和初期の日本人の“食”にまつわる物語をマンガで描いた作品。

 BSプレミアムの『戦争めし』は、魚乃目氏をモデルにしたマンガ家・山田翔平が、“食”の視点から戦争を見つめるマンガを連載しようと決意し、描き続ける覚悟と希望を得るまでを描くオリジナルストーリーのドラマ。翔平役で主演するのは駿河太郎(40)。クールな担当編集者役で壇蜜(37)、行きつけの小料理屋の女将役で草笛光子(84)らが出演する。

 マンガを描くための取材を通じて、驚きの事実やエピソードを次々と発見していく翔平だったが、ある戦争体験者の言葉に打ちのめされ、葛藤する。マンガ『戦争めし』が世に出るまでの「エピソードゼロ」(壇蜜)でもある。

 きょうの放送に至るまで、「魚乃目さんをはじめたくさんの人の熱い思いと助けがあって完成した作品」と、感謝を語る駿河。「戦争と食が題材ですが、僕が演じた主人公・翔平の成長物語として見やすい作品になったと思います。僕は今、40歳ですが、戦争を経験した方々から直にお話を聞くことができる最後の世代だと思っていて、それを若い世代に伝える役目があるんじゃないか、と感じていました。魚乃目さんも思いは一緒。いい出会いになりました」。

 今回のドラマ化にあたって魚乃目氏は、コミックスに収録されているマンガを提供するだけでなく、ドラマのために新たにマンガを描き下ろすなど、協力を惜しまなかった。翔平がパソコン上で漫画を描くシーンでは「本当に絵が下手」という駿河に代わって、魚乃目氏が少し離れたところからペンタブレットを操作して、あたかも駿河が描いているかのように見せている。

 ドラマ版では「マンガに出てくる食べ物が、実写で再現されると、やはり食欲がわいて来ると思います」と、壇蜜。“グルメドラマ”を見慣れた視聴者も楽しめる、と太鼓判を押す。あわよくば「戦争に対する興味、関心を持つ導入になったらいいな。ドラマを見た後に、魚乃目さんのマンガを読みたくなって、戦争について考える時間を過ごしていただけたら大成功かと思っています」と話した。専門学校に通って調理師免許を取得し、和菓子工場で働いていたこともある壇蜜は「撮影の後、劇中に出てきた『すいとんの善哉(ぜんざい)』を作ってみました。当時、手に入らないお餅の代わりに入れるすいとん(小麦粉と水を混ぜて団子状にしたもの)は噛みごたえがあって、それで満足感を得ていたんだな、と思いました」と、“戦争めし”を実際に作ってみることで“他人事”に終わらせず、“自分事”にしていた。

 “食”の視点から戦争を見つめる『戦争めし』は、食べることは生きること。食べることは最高の娯楽。そんな、当たり前で、かけがえのないことに、改めて気づかせてくれる。今回の実写ドラマ化にあたり、番組ホームページでは「あなたと、あなたの家族にとっての“戦争めし”とは?」と、エピソードを募集。今回に限らず、終戦特集など折に触れて“戦争めし”を作品として残していきたい考えもあるようだ。

 ミュージシャンから30歳で俳優に転向し、連続テレビ小説『カーネーション』(2011年後期、NHK)のヒロインの夫役に抜てきされ、日曜劇場『半沢直樹』(13年、TBS)以降、脇役として注目を浴びることが多かった駿河にとっても、主演の代表作と呼ぶにふさわしい作品になりそうだ。

 駿河は「魚乃目さんはマンガのために本当にたくさんの方に取材して、資料なども調べて一つの作品にまとめ上げていらっしゃる。伝えて、残していかないといけないという熱い想いで『戦争めし』を描き続けているとおっしゃっていました。ドラマ作品としても残していく意義がすごくあると思いましたし、風物詩になるくらい、続けていけることを願っています」と、役者としての思いも語っていた。

■ドラマ×マンガ『戦争めし』エピソード募集中
https://www4.nhk.or.jp/P4899/

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  • 主演の駿河太郎(前列左)、共演の壇蜜(前列右)、原作者の魚乃目三太氏(後列)=ドラマ×マンガ『戦争めし』NHK・BSプレミアムで8月11日放送(C)NHK
  • 担当編集者の井澤奈緒(壇蜜)に企画書を提出するも「ボツ!」と言われ、あきらめきれない翔平(駿河太郎)は、奈緒が納得するようなネタを探そうと取材を始める(C)NHK
  • 行きつけの小料理屋にて(C)NHK
  • ドラマ×マンガ『戦争めし』NHK・BSプレミアムで8月11日放送(C)NHK
  • 魚乃目三太氏のマンガ『戦争めし』原作イラスト(C)魚乃目三太/秋田書店
  • 魚乃目三太氏のマンガ『戦争めし』原作イラスト(C)魚乃目三太/秋田書店

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