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コミケにも高齢化の波? 出展者に聞く変化と課題

 世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット94』(C94)が10日、東京ビッグサイトで開幕した。初日の来場者は約16万人、約1万6千の一般サークルが出展した。アニメや漫画、ゲームなどを扱う同人活動というと、ある程度若いうちにハマる人が多いと思われるが、現在のコミケは世間一般の例に漏れず“高齢化”の波が押し寄せているようだ。変わりゆくコミケの現状を、出展者に聞いた。

■意外に“大人”な出品者が増加、仕事や家族との両立に苦労

 コミケが初めて開催されたのは、今を遡ること43年、1975年のことだ。初期は、都内の産業会館などで小規模に開催されていたコミケは、規模が大きくなるにつれて晴海や幕張メッセに場所を移動。1996年から現在まで、東京ビッグサイトで年2回開催されている。

 今や40年以上の歴史を誇るコミケだが、その出展者ブースを見渡すと意外に“大人”が多いことに気づく。東方Projectのブースを出展する40代の男女の2人組は、ともに20年以上コミケに参加。「晴海時代からずっと出展している」と、長い出展歴に自信を覗かせる。だが、「仕事で同人活動の時間を作るのが大変」「家族からはこれ以上本を買うなと言われている」と、苦労も多いようだ。

 コミケ歴23年、41歳の男性は、普段は物流関係の仕事をするサラリーマン。「いろんなものを犠牲にはしています。でも好きなことをできるのは嬉しいし、家族も理解してくれている」と、時間がない日々の中でも活動できる喜びを噛み締めていた。

■一方、若年層は「80年代、90年代から趣味に生きてきたオジサンたちが頑張ってる印象」

 「コミケも有名になったものだ」と感慨深げに語ったのは、コミケ歴25年の46歳男性。「会社の同僚はコミケに来ていることを知っているが、家族は応援してくれない」という。長年参加しているからこそ見える出展者の変化を聞くと、「完全に年齢層は上がっていますね」との答えが返ってきた。「若者も入ってきてはいるけど、それ以上に長く続けている人が多い。年代関係なく交流はありますが」とのこと。さらに来場者については、「最近の人たちは根性がなくなった。昔は通販もなかった時代だし、終わり時間まで粘って色々なものを探し回ったものだが、今では目当ての物だけ買ってすぐ帰る人が多い」と、最近の傾向について教えてくれた。

 一方、若い層はというと、20代男性の出展者は「確かに高齢化は感じる」という。「とくにミリタリー系などのジャンルは、昔ながらのオタクの方が多いです。80年代、90年代から趣味に生きてきたオジサンたちが頑張ってる印象」。同じく20代の男性は「年配の人はちょっと細かいところがあって、僕らが何か間違えるとすごく訂正してくる(笑)」とか。だが、決して悪いことばかりではなく、「皆さんすごい知識を持っている。若い人たちは、彼らから教えてもらうことも多いんです」と、幅広い年代が参加するからこそのメリットを明かしてくれた。

 かつて一斉を風靡した『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)で同人誌ブームが巻き起こってから、すでに20有余年。当時20代だった出展者、参加者も、いまや40代、50代を迎えている。過去には“30歳を越えたら同人は卒業”といった合言葉もあったが、現在では年齢が壁になることは少なくなったのかもしれない。長く活動を続けて楽しむことは悪いことではない。ただ、現在はpixiv(イラストや小説の投稿サイト)やSNSなど、同人活動の方法も多様化している。今後も続いていくだろうコミケを考えると、“若者”を永続的に取り込む方策も必要なのかもしれない。



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