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知名度低い小児外科に光明、『グッド・ドクター』に医療業界からも支持の声

 木曜の夜10時から放送中のドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が、2日放送の第4話も視聴率10.6%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。初回から2桁をキープするなど好調だ。自閉症スペクトラムという障害を抱えた小児外科研修医・新堂湊(山崎賢人)の奮闘、子どもたちとの心の交流を描く同作。視聴者からは演技や内容を評価する声が多いが、医療業界からも支持する声が上がっている。

『グッド・ドクター』第5話(8/9放送)より(C)フジテレビ

『グッド・ドクター』第5話(8/9放送)より(C)フジテレビ

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■「第1話を見るまでは少し警戒していたところもあります」

 栗原將(くりはら・しょう)先生は、広島大学病院の小児外科医。2011年から小児外科に携わり、現在は同院の助教を務めている。広島大学病院は、中四国地区唯一の小児がん拠点病院であり、小児科医が中心となって多くの小児がん患者を受け入れている。「そういった患者たちに、小児外科医は一般外科医としての視点から、できることをやっているという状況です」と栗原先生。ただ、小児外科医の「人数は少ない」と問題点も挙げる。

 「小児外科は知名度が非常に低く、病院内の看護師や事務にも、時々“小児科医”と呼ばれる」という。「そんな小児外科がドラマになることも珍しいと思い、放送前から気になっていました。原作を知りませんので、第1話を見るまでは少し警戒していたところもあります」と、栗原先生は率直な想いを語る。

■小児病棟にポスター、「閉鎖的な病棟でドラマを通じて社会と繋がっているような感覚」

 だが、いざ放送を観ると、おおいに感銘を受けたそうだ。

 「医療水準も現実に即しており、俳優さんや子どもたちの演技もとても上手。何かを伝えたいという意志を持って、とても真面目にドラマを作っていることを感じました」。

 そうして、「この波に少しでも乗りたい」という想いから、栗原先生はドラマのポスターを病院内に貼りたいと、テレビ新広島(フジテレビ系列局)に申し出た。現在は、そのポスターが小児病棟で掲示されているという。

 「ドラマは、子どもたちや親御さんたちの現状にかなり近い内容。長期入院している子どもも多く、閉鎖的な病棟において、ドラマを通じて社会と繋がっているような感覚が得られているのではないかと思っています。ドラマの感想を言い合い、良い会話のネタとなっています。山崎賢人さんは、スタッフにも親御さんたちにも大人気なようです」。

■「このドラマを観て、小児外科医を志す医学部生が1人でも増えれば」

 ドラマの内容はもちろん、そのポスターを貼ることで、病院内にも変化が見られたと語る栗原先生。医師の1人として、『グッド・ドクター』が一般社会へポジティブな影響を与えることも期待している。

 「このようなドラマが放送されることで、色々な人に小児医療に興味を持っていただき、現状を良くするために考えを巡らせてもらえると嬉しい。さらに、このドラマを観て小児外科医を志す医学部生が1人でも増えると、とても有難いです。また、主人公の自閉症は顕著な症状があり診断名もついていますが、世の中には診断名はついていなくとも軽症の広範性発達障害の人がたくさんいると思われます。みんな悩みながらもなんとか社会に溶け込む努力をしていると思いますが、そういった人たちも勇気づけられる内容となっていると良いですね」。

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