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押井守監督、科学の重要性を説く 五輪&W杯と比べ「どっちにお金を使ったらいいと思う?」

 『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』などで知られる映画監督の押井守氏が7日、都内で行われた『ILC(国際リニアコライダー)Supporters』活動報告会に出席。「目に見えない現象に時間とお金をかけることに、現代の日本人がどう考えるのか」「五輪やW杯はすぐ終わるけど、ILCの研究施設は何年も続く。どっちにお金を使ったらいいと思う?」と科学の重要性を訴えた。

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 ILCは、全長30キロメートルから50キロメートルの地下トンネルに建設される大規模研究施設。電子と陽電子の衝突実験を行う計画で、「暗黒物質の正体は?」「宇宙は一つか、無限か?」「5次元やワープはするのか?」など宇宙の謎を解くカギとなる「素粒子」の解明に迫るというもの。

 この研究施設を日本へ誘致実現に向けた活動の一環として、押井氏は4月に自身が発起した応援団「ILC Supporters」の発足記者会見を開催しており、今回はその活動報告会。「目に見えない物を体現するのに巨大な設備が必要で、そのためには凄まじい時間とお金が必要」とILCを説明するのが難しいと本音がチラリ。

 高校時代は「物理は赤点、数学はサイン・コサイン・タンジェントで諦めた」と明かした押井氏だが「これは科学の問題というよりは文化の問題だと思っている。(ILCを)日本人がこれを文化として認めるのか。目に見えない現象に時間とお金を掛けることに、現代の日本人がどう考えるのか。価値観をどう捉えるのかが、僕にとっての最大の問題です」と、科学の重要性を訴えた。

 トークショーで押井氏は今の科学の取り巻く環境について「こどものころに夢見ていた科学の世界が今、だいぶ違うものになってしまった。(昔は)科学はすばらしいものだった気がする。科学技術で言えば携帯電話など昔は存在しなかったものが、今はほとんどあるけど、その割に今はワクワクが感じられない。どうしてこうなったのかが、僕の問題意識です」と熱弁し「科学がワクワクしていた、光り輝いていた時代の感覚を再現し、孫に見せてやりたい」と語った。

 ILCを日本へ誘致に向けた時間は少ないそうで、東京大学特任教授の山下了氏は「今、ヨーロッパとアメリカが『一緒に(研究を)やらないか。日本がリード役(ホスト国)として期待している』と言われている。今必要なのは、今年の末までに政府が一歩踏み出すこと。これにはみんなの応援が必要、税金ですので」と説明し「今年の末までに政府が世界に対して『どうだ、一緒にやらないか』と言わないと、ヨーロッパは5年間、アメリカも4年間待っているので、次の5ヶ年計画が始まってしまう」と日本政府へ早急な対応を求めた。

 誘致が実現すると世界最先端の加速器となり、アジア・日本で初めての世界科学研究機構となるが、「2位じゃダメなのか?」と質問されると、山下氏は「周りにいくつもあるものだったら、2位でも3位でもいい。ですが、宇宙のようなテーマになると、最先端のところに世界中から集まる」と最先端である必要性も語り、押井氏も「オリッピックは3週間、W杯は2週間くらいで終わるけど、これは何年も続く。(こどもの未来も考えたら)どっちにお金を使ったらいいと思う?」と訴えた。



関連写真

  • 科学の重要性を訴える押井守氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ILC(国際リニアコライダー)Supporters』活動報告会に出席した(左から)山下了氏、押井守氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ILC(国際リニアコライダー)Supporters』活動報告会に出席した(左から)山下了氏、押井守氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ILC(国際リニアコライダー)Supporters』活動報告会の模様 (C)ORICON NewS inc.
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