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ソニーがEMI Music Publishingを子会社化で400万曲超え 音楽ビジネスを強化

 ソニーとムバダラインベストメントカンパニー(ムバダラ)の2社は5月22日、ムバダラが主導するコンソーシアムが保有するEMI Music Publishingの約60%の株式を、ソニーの完全子会社であるSony Corporation of Americaに対して、47.5億米ドルの企業価値を前提として売却することを発表。この取引の結果、ソニーはEMI Music Publishingの持分約90%を間接的に保有することとなり、EMI Music Publishingはソニーの連結子会社となる。

◆400万を超える楽曲の権利を保有

 ソニーグループでは、100%子会社で音楽出版事業を手掛けるSony/ATVと、同じく100%子会社であるソニー・ミュージックエンタテインメントを合わせると、ビートルズの楽曲から最新の楽曲まで、230万曲を超える楽曲の権利を管理している。

 そこに今回の取引によって、EMI Music Publishingが保有する、クイーン、キャロル・キング、モータウンのカタログなどのクラシックや、カニエ・ウェスト、アリシア・キーズ、ドレイク、サムスミス、ピンク、ファレル・ウィリアムズ、カルヴィン・ハリス、フェティ・ワップ、ホージア、シーアなどの最新楽曲を含む、200万を超える楽曲が加わったことになる。

◆“市場づくり”のフェーズを終え、いよいよビジネスを本格化

 音楽の定額制聴き放題型サービスの世界規模での急成長を受け、音楽業界全体が活気づいてきている。いわゆるサブスクリプション型サービスが、新曲だけでなく、世界中の既存楽曲とリスナーとの接点となり、過去の楽曲が思わぬカタチで再評価されるきっかけを次々と生んでいる。こうした“音楽の出合いの場”の増加こそが現在の音楽業界の活況の要因だ。

 ソニー 社長 兼 CEOの吉田憲一郎氏は「音楽産業は定額音楽ストリーミングサービスの伸長を背景に、近年成長に転じています。当社はエンタテインメント領域における強力なIPのポートフォリオ構築に集中しており、今回の買収は当社の長期的な成長に向けた重要な布石となると考えています」とコメント。サブスクリプション型サービス市場の急成長は、楽曲の著作権評価の高まりにも直結しており、今回の取引によってソニーの音楽ビジネスの基盤はより一層強固なものになったといえるだろう。

 なお、ソニーは本年4月、サブスクリプションサービス最大手のSpotifyの株式を同社の米国上場のタイミングで売却。評価益と売却益の合計が1050億円になるとも発表されていた。ここ数年のサブスクリプションサービスの市場拡大に向けて、いわば“市場づくり”への投資を行ってきたソニーだったが、今回のEMI Music Publishingの株式取得によって、いよいよ同社のビジネスも次の段階へと進み、サブスクリプション市場での本格的なビジネスの開始へと舵を切ったと思われる。

 国際レコード産業連盟(IFPI)がまとめた昨年の世界の音楽市場は前年比8.1%増の173億ドル。3年連続の前年比増となっているものの、1999年のピーク時に比べると68.4%に留まっており、まだまだ成長の余地がある。その意味でも、ソニーが本業も言える音楽ビジネスを強化していく姿勢を見せた今回の取引は、音楽市場全体においても、さらなる成長拡大のチャンスがあることを感じさせるものになったとも言える。



提供元:CONFIDENCE

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