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脱退、解散、復活…変容するジャニーズグループ、アイドルの“旬”のその先は?

 昨今、SMAPが解散、関ジャニ∞から渋谷すばるが脱退、そして充電期間に入っていたKAT-TUNが復活と、大きな変化が続くジャニーズグループ。かつてアイドルは若さこそが“旬”であり、その時期が終わればグループも終了というのが定石だった。だが今、10年、20年を越えて活動するグループのほうが多いのが現実だ。若さだけではなく、さらに脱退、解散、充電のような試練も乗り越えて。アイドルの“旬”のその先はどこへ向かうのだろうか。

◆アイドルの“旬”、潮目を変えたSMAPのブレイク

 1990年代前半まで、アイドルには“旬”があった。

 “旬”を過ぎたアイドルグループは、活動を縮小したり、解散して、俳優やバラエティータレント、ミュージシャンなど、それぞれの特性を生かした道に進んでいったものだ。それが、1996年にSMAPが本格的にブレイクしたことで、潮目が変わった。プライムタイム初の冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)が始まってわずか1ヶ月後に、森且行の脱退が発表され、その後の初のスタジアムツアーは、森を欠いた5人で行った。メンバーが1人いなくなると、当然残ったメンバーの負担は増える。透明感と安定感が共存した森の声を欠いたSMAPは、メンバーそれぞれのキャラクターを際立たせることでその不在を補い、見えない部分でグループの“絆”をさり気なく感じさせることで、5人の人間味や関係性が、以前よりずっと鮮明になった。グループの歴史に、ファンが思わず応援したくなるようなドラマが生まれたことは、彼らの魅力をより多面的にした。

 SMAPがブレイクして以来、アイドルの“旬”はもぎたての野菜のような“フレッシュさ”“瑞々しさ”を指すだけではなくなった。チームとしての結束力や、熟成肉やワインのような“熟れた”魅力、目立たなかったメンバーに新たな才能が発掘されたりと、アイドルグループを応援することは、様々な局面での“サプライズ”に出会うこととイコールになった。

◆2年の充電期間を経て、“前代未聞”の記録を作ってきた東京ドームへ

 さて、デビューから様々な意味での“サプライズ”の多いグループと言えば、何と言ってもKAT-TUNである。3人体制のKAT-TUNが、2年の充電期間を経て東京ドームでコンサートを行った。コンサートのタイトルは、『UNION』。“折れない三本の矢”をモチーフにしたロゴが印象的だ。東京ドームとKAT-TUNと言えば、2006年、デビュー前のグループとして初めて東京ドーム公演を成功させたのも彼らなら、2009年には、当時としては前代未聞の8日間連続公演を行ったこともあるほど縁の深い場所。昨年末のジャニーズカウントダウンでKAT-TUN復活を発表したのもここだった。2年前にも、3人で東京ドームでのコンサートを行っているが、果たして、2年の充電期間を経て、彼らはパワーアップしたのだろうか。サプライズ続きの彼らが、ライブでファンに、どんな“嬉しいサプライズ”を与えることができるのだろうか。

 様々な期待を胸に、あらためてKAT-TUNの楽曲と向き合うと、まずは彼らの歌い継いできた音楽の“ブランド力”に唸らされる。パワフルでアグレッシブなロックを基調に、サビのメロディはキャッチーで歌謡曲的な雰囲気もある。ほとんどの曲がタイアップなので、ファンでなくても、AメロBメロは知らなくても“サビなら知ってる”という人も多そうだ。とにかく、聴いているだけでアガるような、“ライブ映え”する曲揃いなのだ。今回、セットリストの約半分がシングル曲だということもあり、あらためてKAT-TUNの一貫した音楽性のオリジナリティーに触れ、彼らの楽曲の“歌い継いでいくべき価値”のようなものを痛感した。

◆歌でもトークでも、3人で1人分をカバーしなければならない

 また、3人になって、それぞれのトーク力が増していたことも、サプライズのひとつだった。メンバーが4人から3人に減った時点で、歌でもトークでも、3人で1人分をカバーしなければならない。今回のMCのやりとりから、彼らのバラエティー力が上がっていることも確信できた。少なくともMCに関しては、抜群のチームワークといってもいいほどの、“阿吽の呼吸”が生まれていた。

 とはいえ、最大のサプライズは、やはり音楽に関してのことだ。ライブの終盤で披露された「Ask Yourself」は彼らの最新シングルで、当然3人の声に合わせて作られた楽曲である。そう考えれば至極当然のことだが、この曲が一番彼らの声質に合っていた。ダンスパフォーマンスも加わり、見せ方の完成度も高かった。“いまをありのまま生きよう”と歌う歌詞も、今の彼らにピッタリで、新生KAT-TUNの底力を感じさせた。

◆KAT-TUNも関ジャニ∞も、今後のグループの輝きは残されたメンバー次第

 デビューから12年が経ち、常に変容し続けるKAT-TUN。新生KAT-TUNのライブを観ての最大のサプライズは、彼らの最新作が最高傑作だったことだ。アイドルグループの“旬”は、自分たちで作り出すものになった今、渋谷すばるの脱退が発表された関ジャニ∞もまた、最高傑作というサプライズを、未来に見せてくれるのかもしれない。メンバーが去っていっても、残されたメンバーがそれまで以上の力を発揮すれば、グループ全体の輝きが縮小することはない。むしろ、残されたメンバーは、お互いの意志を確かめ合い、結束を強め、楽曲への愛着を深めながら、グループとしての高みを目指す。
(文:菊地陽子)



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