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小説×音楽、ジャンルを超えた融合が広げる“出合いの幅”

 スターツ出版刊「野いちご文庫」の小説群を、音楽ユニット・シュウと透明な街が“楽曲化”するコラボプロジェクトから生まれた作品が、1枚のCDアルバム『空が君色に変わる瞬間。』として3月28日に発売された。本取り組みがもたらす“効果”とは? 双方に聞いた。

◆楽曲の方向性は“読書感想会”の中で生まれていく

 17年3月に創刊された「野いちご文庫」は、無料で読み・書きができるケータイ小説サイト「野いちご」の人気作品を書籍化した、スターツ出版の新たな文庫レーベル。

 「野いちご」には恋愛、感動、ファンタジー、ホラーなど、多ジャンルの作品が掲載されているが、「野いちご文庫」では今まさに恋愛に踏み出そうとしている女の子を応援したいとの思いから、「恋するキミのそばに。」をキーワードに書籍化を展開。コア層は14歳〜17歳の女子中高生で、“泣きキュン”できる学園恋愛小説が人気を集めているという。

 「野いちご」は17年にサービス開始10周年を迎え、その際に現SACRA MUSIC 所属のhalca等、気鋭の歌い手たちが人気作品のイメージソングを歌ったコンピアルバムを発売するなど、これまでにも幾度か「小説×音楽」によるコラボレーション企画を行ってきた。

 シュウと透明な街は、ボーカル・シュウと3人の作曲家らによる音楽ユニット。シュウは元々「野いちご」作品の読者だったといい、前述の音楽コラボなどを目にして「自身も一緒に盛り上げたい」とコンタクトをとったことがきっかけで、コラボプロジェクトがスタートした。

 方法としては、はじめにスターツ側が楽曲化してほしい小説の原稿を渡すと同時に作品のイメージを伝える。それを受けて、シュウと透明な街のメンバーが小説を読み込み、曲を作り上げていく流れだという。

 「(まずは)メンバー同士で印象に残った登場人物のセリフや仕草を挙げていきます。案外このひたすらキーワードを並べていく時間が一番大事で、楽曲の歌詞の方向性やメロディーはそんな読書感想会(笑)の中で生まれていきます。もちろん象徴的なセリフやシチュエーションは楽曲の芯として盛り込みますが、本を読んでいない方が曲だけ聴いてもちゃんと“胸キュン”ができるようにと心がけています」(シュウ)

 出来上がった楽曲は、ユニットのYouTube チャンネルで公開。昨年11月24日に第1弾曲「君と未来へ 〜『365 日、君をずっと想うから。』イメージソング〜」を配信し、以降これまでに全5 曲のコラボ作品を展開している。MVには各小説の口絵を使用することでよりリンク感を演出、なお「君と未来〜」は3月26日時点で13万回再生を突破している。

◆感性を刺激し合うことでアイデアも広がっていく

 「小説×音楽」というコラボは、どのような化学反応を起こしているのだろうか? 野いちご書籍編集部の長井泉氏は、「一番の利点は、新しい出合いが生まれるところだと思います。書店で販売するという従来のルートでは出合うことができなかった方たちにも小説の世界に触れてもらえますし、興味を持ってもらうことができます。また、書籍の編集作業も、楽曲やMV になることを意識して進行しますので、通常のフローでは出てこなかったような新しいアイデアが生まれることもあり、刺激をいただいています」と手応えを語る。

 同様にシュウも、「音楽ってアーティストが投げかけて、あとはある意味、聴いてくれた方の想像力にゆだねるというところがあると思うんですけど、(今回のようなコラボは)同じ曲でもいろんな楽しみ方ができるというのはとっても面白いし、アーティストとリスナーの方々が大元の根っこの部分で同じものを共有できているというのは音楽の新しい形だなぁと、とても刺激になっています」とコメントしている。

 発売されたシュウと透明な街の1stアルバム『野いちご文庫1周年記念アルバム「空が君色に変わる瞬間(とき)。」には、両者がコラボした全5曲の楽曲が収録されている。このリリースが、どのような新しい“出合い”を引き起こしていくのか、今後の動向に注目だ。

(『コンフィデンス』 18年3月26日号掲載)



関連写真

  • ボーカルのシュウと3人の作曲家らによる、音楽ユニット・シュウと透明な街のキービジュアル
  • シュウと透明な街の1stアルバム『野いちご文庫1 周年記念アルバム「空が君色に変わる瞬間(とき)。」』

提供元:CONFIDENCE

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