脚本家の倉本聰氏が、新たなオリジナルドラマ『やすらぎの刻(とき)〜道』を執筆し、来年4月より同局系「帯ドラマ劇場(シアター)」で1年間にわたって放送されることが24日、明らかになった。その準備に充てるため、昨年4月に始まったばかりの「帯ドラマ劇場」だが、2018年度は1年間休止となることも併せて発表された。
倉本氏から「シニア・高齢層を対象にしたシルバータイムを設置し、帯ドラマを放送すべき」という提案を受けたテレビ朝日が、2017年4月より昼の帯ドラマ枠「帯ドラマ劇場」を創設。同年9月まで倉本氏オリジナル脚本による『やすらぎの郷』が放送された。
『やすらぎの郷』は、シニア世代だけでなく幅広い年齢層から支持を集め、『東京ドラマアウォード2017脚本賞』や『ギャラクシー賞9月度月間賞』を受賞。今日の放送業界に一石を投じると共に、テレビ朝日のブランディングにも貢献する成果をもたらした。その流れは、10月からの第2弾、女優・黒柳徹子の半生を描いた『トットちゃん!』、今年1月からは放送中している『越路吹雪物語』にもつながっている。
4月から1年間休止とは、思い切った決断だが、19年4月から放送予定の倉本聰氏の次回作は1年間を通して放送する大作。今年秋からの撮影、収録に備えて倉本氏は昨年から執筆に取り掛かっており、テレビ朝日開局60周年記念番組として放送される予定となっている。
『やすらぎの刻〜道』は、『やすらぎの郷』からははじまる物語。『やすらぎの郷』の主人公、作家・菊村栄(石坂浩二)は、以前“ボツ”になったシナリオを思い起こす。白川冴子(浅丘ルリ子)、水谷マヤ(加賀まりこ)らお馴染みのメンバーが見守る中、菊村はそのドラマをモチーフに、今は亡き“姫”こと九条摂子(八千草薫)をモデルに据え、どこにも発表する当てのないシナリオを書きはじめていた。
その作品は昭和、平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯を描くもので、テーマは、“ふるさと”。『やすらぎの郷』からはじまるドラマは次第に菊村の新たなシナリオ世界に変わり、夫婦の生涯をその時代と共に描くものとなっていく。昭和初期からはじまり、戦中、戦後、平成を描くこの作品の前半の主演は、清野菜名(23)。戦後の高度成長期を経て現代にいたるまでの後半、いわば主人公の晩年を八千草(87)が演じる。新たなドラマ「道」の展開とともに、『やすらぎの郷』のその後も合わせて描かれていく予定だ。
■倉本聰氏のコメント
東京ファーストと人は言います。
この言葉に私は疑問を持ちます。
東京は地方人の集合体です。たとえ、都会のコンクリートの上で生まれ育った人間が圧倒的に今増えているといっても、人々はどこかで、そのルーツである“ふるさと”の土の匂いに頼っており、そこに郷愁を感じています。
中高年層においては、特にそうです。
都会といういわばガラス細工の、砂上の楼閣に暮らしていても人はふるさとの原風景を心の中に秘かに刻んでいます。
子供のころ親しんだ、田舎の、未舗装の一本の小道。
今は便利になり、アスファルトで覆われ、高速道路が縦横に走る豪華な世の中になったとはいえ、人々が最後に心に描くのは己の貧しい原風景の中にある“ふるさと”の細い小道ではないか。
このドラマはそうした小道の変遷を通して、昭和・戦中・戦後・平成、日本の豊饒への歴史を辿りながら、それに翻弄される一組の夫婦の“倖せ”への郷愁を探り、描くものである。
倉本氏から「シニア・高齢層を対象にしたシルバータイムを設置し、帯ドラマを放送すべき」という提案を受けたテレビ朝日が、2017年4月より昼の帯ドラマ枠「帯ドラマ劇場」を創設。同年9月まで倉本氏オリジナル脚本による『やすらぎの郷』が放送された。
『やすらぎの郷』は、シニア世代だけでなく幅広い年齢層から支持を集め、『東京ドラマアウォード2017脚本賞』や『ギャラクシー賞9月度月間賞』を受賞。今日の放送業界に一石を投じると共に、テレビ朝日のブランディングにも貢献する成果をもたらした。その流れは、10月からの第2弾、女優・黒柳徹子の半生を描いた『トットちゃん!』、今年1月からは放送中している『越路吹雪物語』にもつながっている。
4月から1年間休止とは、思い切った決断だが、19年4月から放送予定の倉本聰氏の次回作は1年間を通して放送する大作。今年秋からの撮影、収録に備えて倉本氏は昨年から執筆に取り掛かっており、テレビ朝日開局60周年記念番組として放送される予定となっている。
『やすらぎの刻〜道』は、『やすらぎの郷』からははじまる物語。『やすらぎの郷』の主人公、作家・菊村栄(石坂浩二)は、以前“ボツ”になったシナリオを思い起こす。白川冴子(浅丘ルリ子)、水谷マヤ(加賀まりこ)らお馴染みのメンバーが見守る中、菊村はそのドラマをモチーフに、今は亡き“姫”こと九条摂子(八千草薫)をモデルに据え、どこにも発表する当てのないシナリオを書きはじめていた。
その作品は昭和、平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯を描くもので、テーマは、“ふるさと”。『やすらぎの郷』からはじまるドラマは次第に菊村の新たなシナリオ世界に変わり、夫婦の生涯をその時代と共に描くものとなっていく。昭和初期からはじまり、戦中、戦後、平成を描くこの作品の前半の主演は、清野菜名(23)。戦後の高度成長期を経て現代にいたるまでの後半、いわば主人公の晩年を八千草(87)が演じる。新たなドラマ「道」の展開とともに、『やすらぎの郷』のその後も合わせて描かれていく予定だ。
■倉本聰氏のコメント
東京ファーストと人は言います。
この言葉に私は疑問を持ちます。
東京は地方人の集合体です。たとえ、都会のコンクリートの上で生まれ育った人間が圧倒的に今増えているといっても、人々はどこかで、そのルーツである“ふるさと”の土の匂いに頼っており、そこに郷愁を感じています。
中高年層においては、特にそうです。
都会といういわばガラス細工の、砂上の楼閣に暮らしていても人はふるさとの原風景を心の中に秘かに刻んでいます。
子供のころ親しんだ、田舎の、未舗装の一本の小道。
今は便利になり、アスファルトで覆われ、高速道路が縦横に走る豪華な世の中になったとはいえ、人々が最後に心に描くのは己の貧しい原風景の中にある“ふるさと”の細い小道ではないか。
このドラマはそうした小道の変遷を通して、昭和・戦中・戦後・平成、日本の豊饒への歴史を辿りながら、それに翻弄される一組の夫婦の“倖せ”への郷愁を探り、描くものである。
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2018/01/24