北海道のほぼ中央、大雪山国立公園の南端に位置する「然別(しかりべつ)湖」は、道内では最も高い位置にある湖だ。原生林におおわれた山あいにひっそりと水をたたえる湖は、氷点下の季節の訪れとともに徐々に結氷しはじめ、12月下旬には完全に湖上が氷で覆われてしまう。その湖上に現れるのが、冬の間だけの幻の村「しかりべつ湖コタン」だ。 アイヌ語で村を意味する「コタン」。建造物の全てが氷と雪だけで作られ、春の雪解けとともに湖に沈んでいく。村が現れるのはわずか60日間(今年は1月28日〜3月20日)。かつて、訪れる人も少なく、閑散とした真冬の然別湖に観光客を呼ぼうと、地元の若者たちが立ち上がり、今年で36年目。台湾やタイ、オーストラリアなど、外国人観光客も多く訪れるようになった。
2017/02/12