「それはあなたの課題です」「あなたの不幸はあなた自身が選んでいるもの」――一フジテレビ系連続ドラマ『嫌われる勇気』（毎週木曜　後10：00）では、アルフレッド・アドラーの心理学を刑事モノのストーリーに取り入れながら、周囲を全く気にしない孤高の女刑事・庵堂蘭子のセリフが心に刺さる。今回、ORICON NEWSではそんな彼女を演じるモデル・女優の香里奈にインタビューを敢行。蘭子さながら他人の意見に左右されない芯の通った“アドラー女子”の一面が垣間見えた。

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　捜査会議はいつも欠席、携帯電話すら持ち歩かない蘭子は己の優れた推理力を頼りに次々事件を解決…。「“自分は自分、他人は他人”と自分を強く信じるところが素敵」と蘭子に憧れる香里奈が一番、印象に残ったというアドラーの教えは「結局、すべての悩みは対人関係が原因である」というもの。

　一見、他者を突き放すように感じる蘭子のセリフのひとつひとつには現代を生きるヒントも隠されている。香里奈自身も「他者が自分に介入しすぎたり自分が他者に介入しすぎたりするからケンカしたり嫌な気持ちになる。自分と他人を分けて考えることで気が楽になるのかな」と自分なりに捉えている。

　10代の頃から「自分のことを自分からしゃべるのが好きじゃなかった」という彼女は「相談とかもあまり人にはしません。結局、決めるのは自分なわけだから、結局、共感を求めていたりするだけで、本当は自分の中での答えは決まっていたりする。すべては自分で解決しなきゃなって思います」と非常にサバサバしている。

　SNSの普及により“承認欲求”に振り回される人も多いなか、ツイッターもインスタグラムも手をつけない。「他の人がやっていることはあまりやりたくないというひねくれた部分はあると思うんですけど（笑）。『イイね！』とかコメントとか、自分がどう思われているかを目の当たりにすることって私にとっては必要がないことで、そういうのをずっとみていたら疲れちゃう。プライベートをみせすぎて、女優やモデルをやっていく上で余計なものが巡ってきても嫌だなって。なるべくシンプルに生きたいです」。

　他人に流されずに自分のやり方を確立していったが「モデルの仕事では自分がいいと思った写真でも、編集部の人たちやスタイリストさんが別のものを推してきた場合、昔は譲るのが嫌だった。自分の経験が増えると同時にこだわりも増えて、こう（視界が狭く）なっていっちゃうみたい」と過去の自分を客観視する。

　「だけど写真に映るのは自分であっても、みるのは他の人だから、意見を聞くことも大事だなと思って柔軟になれた。そこで人の意見を聞けなかったら成長しない。それを超えれば、人の意見を参考にしながら『じゃあ、こうしよう、ああしよう』ってできると思うんです。自分のスタイルを突き通していたらそこで終わっていたけど、意見をいってくれる人がいるからこそ、やってこられました」。たくさんの人と関わりながら女優としてキャリアを積んできた香里奈が蘭子として、これからみせる新たな表情に注目だ。