NHKで放送中の大河ドラマ『真田丸』（毎週日曜　後8：00　総合ほか）は残すところあと2回。第49回「前夜」では、豊臣方と家康（内野聖陽）との最終決戦〜大坂夏の陣〜がいよいよ始まる。

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　戦国時代の最後に「日の本一の兵」と呼ばれ、現代においても人気の武将・真田幸村（信繁）の生涯を俳優の堺雅人主演で描く本作。史実として伝わるのは、大坂夏の陣の末に大坂城は落ち、豊臣家は滅亡。幸村も戦場で討ち死にするわけだが、この大坂の陣を物語るときに欠かせない武将が、後藤又兵衛だ。幸村にとっては最強の同志だった。

　又兵衛を演じるのは哀川翔。大河ドラマは『琉球の風』（1993年）、『武蔵 MUSASH』（2003年）以来、3回目となる。哀川に大坂の陣を振り返ってもらった。

　又兵衛は黒田家に仕えて数々の合戦で戦功を挙げ、関ヶ原の戦いの後には大隈城（益富城）を拝領するまでに出世した人物。『真田丸』では大坂城に入るまでに何があったかは描かれなかったが、「“イザコザがあったから１万6000石を捨てて城を出た”なんて言われてますけど、何か違う、隠れた経緯があったんじゃないかな」と推察する。

　「ドラマの撮影前に大阪や兵庫、九州にある又兵衛ゆかりの地を回ったんだけど、とにかく各地での愛され方が半端ない。歴史を変えた人物ではないけれど、いまも人望があるってすごい。義理堅くて、男気があって、単なる戦（いくさ）好きじゃないって思いますね」。

　ゆかりの地で見たり聞いたり感じたことは役づくりにも生きた。

　「（第43回「軍議」で）大坂城に来た理由を『死に場所を探しに来た』なんて言っていたけど、あれは死ぬ思いでやらないと、この大戦は勝てない、という気持ちから出た言葉だと思って演じました。負け戦をやるつもりはないし、死に場所探しに来た男がする言動じゃなかったでしょう。勝つつもりがあるから、幸村にもつっかかっていく。又兵衛は最後の最後まで勝とうとしていたし、豊臣の勝ちをあきらめていなかった。でなきゃ、2万の大軍を相手にたった2000人で5時間も戦えないよ」。

　夏の陣で、又兵衛が率いる部隊は、要衝「小松山」で徳川方の大軍を迎え撃つことになる。援軍が遅れたこともあり、奮戦する又兵衛だったが…。

　「大坂冬の陣で勝てそうだったのに、一発の大砲でビビっちゃったんだよな。女性は戦を知らないから仕方がなかったのかもしれないけれど、和睦なんて信じちゃいけないよ。和睦ができるくらいなら戦国時代になっていない。夏の陣もあと1日、早く戦いを始めていたら、勝てたかもしれないよね」と悔しがる。「自分の生きる道を貫き通した又兵衛の生き様が視聴者にも伝わればいいなと思います」。