• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

内村光良、真価が問われる“4役”務めた監督3作目「テレビとは異なる笑いに挑戦した」

 バラエティMCなど芸能シーンで広く活躍中の売れっ子ベテラン芸人・内村光良のもうひとつの顔が映画監督。もともと「芸能界に入ったのは映画を撮るため」という熱い想いを秘める内村だが、監督3作目となる『金メダル男』では、監督のみならず原作、脚本、主演の4役を務めた。そんな内村ワールド全開となった今作について、映画監督を志した時代を振り返りながら語ってくれた。昨今の多くの芸人たちが映画を撮る現状についての見方も聞いた。

監督最新作『金メダル男』は「すべて自分の責任で作った。逃げ場がどこにもない」と語る内村光良(写真:片山よしお)

監督最新作『金メダル男』は「すべて自分の責任で作った。逃げ場がどこにもない」と語る内村光良(写真:片山よしお)

写真ページを見る

◆すべて自分の責任で作った。逃げ場がどこにもない

――今作では原作、脚本、監督、主演と初の4役を努めていらっしゃいますが、かなりハードだったのは?
【内村光良】 そうですね、今回は楽しさと同じ分量の辛さを経験しました(笑)。原作がある場合は言い訳もできますけど、すべて自分で書いているので逃げ場がどこにもないですから。映画が公開されたら、褒められるのも責められるのも全て自分の責任なので、それを覚悟で撮影に臨みました。そのうえ、コメディ作品なので僕の真価が問われるというプレッシャーもありましたね。

――今作の主人公・泉一の「自由さに憧れる。演じることで自分の殻を破りたい」とコメントされていましたが、作品を撮り終えて殻は破れたのでしょうか?
【内村光良】 破れたかはわかりませんが、とにかく感情が激しいシーンがたくさんあってしんどかったです。僕が演じる後半パートでは、無人島のシーンやアクションもありましたから、殻を破るというより嵐のように怒濤の撮影をこなしていったという感じでしたね(笑)。

――高い所から落ちるアクションも自らこなしていらっしゃいました。
【内村光良】 もともとアクションは好きで、バラエティでも昔からやっていましたから。ただ、アクションに挑戦したい気持ちはあっても、年齢的なこともありどんどん体が追いつかなくなっています(笑)。

――普段から体は鍛えていらっしゃるんですよね?
【内村光良】 週1でトレーナーさんについてもらってトレーニングしています。今回は無人島で暮らすシーンがあったので、引き締まった体にするためのトレーニングをしました。2年半ぐらい前からそのつど演じる役に合わせてコントロールするようにしています。

◆今までのテレビや舞台とは違う、“映画の笑い”への挑戦

――もともと映画監督を志望していらした内村さんですが、いつ頃から映画を撮りたいと思うようになったのですか?
【内村光良】 中1のころ、チャップリンの映画や『ロッキー』など衝撃を受けた作品がたくさんあって。そこから映画にハマっていって、次第に自分でも映画を撮りたくなって、映画監督になりたくて上京したんです。当時はまさか自分がお笑い芸人になるなんてまったく思っていませんでした(笑)。

――映画よりお笑いのほうに方向転換していったのはなぜでしょうか?
【内村光良】 僕はずっとテレビっ子だったので、欽ちゃんやドリフのようなお笑いも好きだったんです。そういう影響もあって、いろいろな出会いのなかでお笑いの世界に入っていったんですけど、その結果お笑いがとても好きになりました。なかでもスタジオコントは本当に楽しくて、やみつきになるほど好きになりましたね。

――芸人として着実にキャリアを築き、念願の映画監督という夢も叶えたわけですね。
【内村光良】 おかげさまで今は映画を撮れているので、幸せですしラッキーだなと思っています。テレビと舞台の笑いは今までたくさん学んできましたけど、今回は映画の笑いに挑戦することができました。映画館で大勢のお客さんを笑わせるためには、“間”のとり方がテレビとは違ってくるんです。映画は、お金を払ったお客さんが劇場で集中して観るものですし、その人たちを笑わせなきゃいけない。それに舞台のようにアドリブで対応できないので、そういった意味でも本当に苦労しました。ですが“映画の笑い”は今後も挑戦していきたいです。

◆映画製作は時間も労力もかかってとても大変だけど楽しい

――今年は邦画の当たり年とも言われていますが、内村さんは最近の日本映画界に対してどんなことを思っていますか?
【内村光良】 邦画に活気があるというのは良いことですし、僕の作品もその一角に入れたら嬉しいんですけどね。『シン・ゴジラ』はみんな口を開けて観ていましたが、そんなふうに映画の世界に没頭できて共有できるのが映画の魅力だと思います。『金メダル男』を観てたくさんの人が笑ってくれたらそんな嬉しいことはないです。

――内村さんをはじめ松本人志さんや劇団ひとりさんなど、自分で脚本を書いて監督もされているお笑い芸人さんは多いですよね。
【内村光良】 もともと人を笑わせたい、楽しませたいというのが芸人ですから、仕事のお話をいただくタイミングとか周囲の環境もありますけど、やりたいと思う芸人は多いんじゃないですかね。映画好きも多いですし。前に劇団ひとりと話したときに「監督をやってみて、本当に楽しかった」と言っていましたが、映画が好きだからこそできるんですよね。辛いことも多いですし、自分でロケハンから撮影、編集まで全ての段階をこなすのは時間も労力もかかってとても大変なんですけど、すごく楽しい。だから僕も他の芸人もみんな次の作品を撮りたくなってしまうんだと思います。

――次の作品の構想は考えていらっしゃいますか?
【内村光良】 ずっと『金メダル男』にかかりっきりでしたから、公開後に次の題材を見つけたいと思っています。舞台なのか映画なのかわかりませんが、断片的なネタとしては書き溜めていて、その点と点が線でうまくつながるようなストーリーを見つけたときが一番ワクワクします。ただ、まずはこの映画を成功させないと、僕が撮りたくても撮らせていただけるかわかりませんから(笑)。
(文:奥村百恵)

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

 を検索