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多部未華子、役選びの基準は「ほかの人に演じさせたくないと思うか」

 キレのよい演技で、映画やドラマ、舞台と様々なフィールドで独自の存在感を提示。特にコメディエンヌとしては若手女優のなかでも最も信頼の置ける女優となった多部未華子。最新主演ヒューマンコメディ映画『あやしい彼女』では、見た目は20歳だけど中身は73歳(!?)という異色のヒロインに挑戦。歌って踊ってときにはタンカも切って……おもしろ&あやしいヒロインをキュートに演じ切った彼女に自身に届いたオファーのチョイスを聞いてみた。

コメディもシリアスも「バランスよくやれている」と語る多部未華子(写真:逢坂 聡)

コメディもシリアスも「バランスよくやれている」と語る多部未華子(写真:逢坂 聡)

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◆自分がチャレンジしたいか、したくないかが重要

――今回演じられたヒロイン・節子は、20歳の姿に若返って青春をやり直す、73歳の毒舌おばあちゃんという役どころです。戦中生まれの下町育ち、女手ひとつで娘を育て上げた73歳の女性を演じるにあたっては、どのようにアプローチしていきましたか?
【多部】 時代背景も年齢も、73年間生きてきた重みや経験も、全然想像がつかなくて……。73歳をイメージすることは難しいですが、今回の作品では、(2人1役で若返る前のヒロインを演じた)倍賞美津子さんが生きてきた時代、倍賞さんが見てきたものが大事なんだと肝に命じていました。私の想像なんかでは1ミリも及ばないかもしれませんが、とにかく倍賞さんが経験してきたこと、生きてきた時代を背負っているんだという心構えでいました。

――初めてタッグを組まれた、水田伸生監督の演出はいかがでしたか?
【多部】 撮るのがすごく早いんです。リハーサルも早くてすぐに本番になり、本番も2〜3回撮ってOKというスピードでした。本当にテンポのいい監督で、本番までいい緊張感が保てるので、私はすごく好きでした。緊張感と刺激と、慣れないまま本番に入ったときの瞬発性というのか、そこでパッと出る突発的なものもあって。そういうことができる現場って、すごく贅沢ですし、楽しかったです。おもしろいシーンはおもしろく、シリアスなシーンはシリアスに、現場の空気感も水田監督が率先して作ってくださるので、俳優がどれだけそれに応えられるかという現場でした。周りの環境のせいにできないくらい、素晴らしい状況を作ってくださいました。監督は偉大だなということを、今回すごく感じました。水田監督と出会えてよかったと思います。

――水田監督も『謝罪の王様』(2013年)をはじめ、コメディ映画でヒットを連発してきましたが、多部さんもテレビドラマ『デカワンコ』(2011年)『ドS刑事』(2015年)などで、抜群のコメディエンヌぶりを発揮されてきました。喜劇はお好きですか?
【多部】 好きは好きですが、喜劇がとくに好きっていうわけではありません。シリアスなものより、(喜劇の)現場は明るいから好き、というくらい。コメディに多く出演しているイメージがあるのかもしれませんが、そればかりではなく、いいバランスでやれているのかなと思います。

――オファーを受けて出演を決める際のポイントにしていることは?
【多部】 出演作を選ぶときの決め手は……やはり、ほかの人に演じてほしくないと思うかだと思います。私にしかできないとかは思いませんが、自分がチャレンジしたいか、したくないかというのはあります。

◆いまのハタチの子と自分の頃もそんなに変わらない

――今回、要潤さんふんする、音楽プロデューサー・小林さんとのコミカルな恋模様も、楽しかったです!
【多部】 恋といえば恋ですが……あまり恋だとは思わなかったんです(笑)。どちらかというと、経験したことのないドキドキを初めて体験する感覚というのか。

――例えばバーベキューのシーンで、小林さんから差し出された肉にかぶりついちゃう節子の初々しい感じは、いまのハタチよりピュアに見えたりもして。その辺のジェネレーションギャップも計算した上での演技プランだったのでしょうか?
【多部】 あれは台本にはなかったんですが、現場で監督が提案されたのかな? 要さんが提案されたのかな?……でも、いまのハタチは違うんですか?

――ご自身のハタチの頃と比べると、いかがですか?
【多部】 いや、私もあんな感じでしたよ!(笑)。そんなに変わらないんじゃないかな。いまはみんなLINEとかSNSでコミュニケーションをとっているので、もっと簡単な感じなのかな?

――名前も髪型も服装も変えて、もう一度人生を謳歌するヒロインの相変わらずの毒舌ぶりは、生意気なんだけど、一生懸命話す様子がかわいらしかったです。73歳らしい会話のトーンや言葉遣いは難しかったですか?
【多部】 難しかったといえば難しかったですが、どのシーンも楽しかったです。例えば次郎役の志賀(廣太郎)さんと今後共演させていただくことがあるとしても、きっとおじいちゃんと孫とか、上司と部下のような関係だと思うのですが、今回は対等に話すシーンばかりだったので、なかなか貴重だなと思いました。だから志賀さんとのシーンはすごくおもしろかったし、楽しいことばかりでした。歌以外は(笑)。

――共演の要潤さんが瞬きを忘れてしまうほど、聞き惚れた多部さんの歌声に、オファーが殺到するのは必至だと思いますよ?
【多部】 いや、歌には自信がないので!(笑)
(文:石村加奈)

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