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大泉洋、不況の時代だから続けられたタレント業

 NHK朝ドラ『まれ』のダメお父さん役が良くも悪くも(!?)話題になっている大泉洋。最新主演作『駆込み女と駆出し男』(5月16日公開)では、弱々しい一面が自身に似ているという“戯作者志望の見習い医者”役を好演している。そんな大泉が、演じるキャラクターと比較しながら、これまでの自身の生き方やメディアでのイメージについて思うことを語ってくれた。

『まれ』撮影現場でスープカレーを差し入れしたことはないと語る大泉洋(写真:鈴木一なり)

『まれ』撮影現場でスープカレーを差し入れしたことはないと語る大泉洋(写真:鈴木一なり)

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◆別の時代に生まれたら就職していた

 『まれ』の夢を追い続けるダメなお父さん・津村徹役がすっかり板についている大泉。一方、『駆込み女と駆出し男』で演じる信次郎は、医者になりたいという気持ちと戯作者への憧れがあって、どちらに進むか決めかねている弱々しい一面と、素直な子どもっぽい一面とをあわせ持つ人物。ふたりのキャラクターはまったく異なるが、どちらも素の大泉に似ている気がする。

「『まれ』のお父さんはまったく私に近くないです。大きな夢を持たないし慎重な男なので。信次郎のように、進む方向をなかなか自分では決められないというところは、近いと思います。でも私は、最終的に出した自分の答えは間違っていないという思いはありますけど」

 順風満帆の道のりではなかったかもしれないが、厳しい芸能界で大成功を収めている俳優のひとりであり、老若男女から愛される存在であることは間違いない。そんな大泉が、これまでの人生のなかで“自分の答え”に迷っていた時期とはあるのだろうか。

「大学時代になんとなくアルバイトでテレビに出るようになって、親から『あんた将来どうするの?』と聞かれても『そのとき考えるわ』って言いながらこの仕事を続けてきたので、タレントとして生きていくと決めた瞬間がないんですよ。その結果、今はテレビや映画に出させていただくのも楽しいし、仲間とやっている舞台も楽しい。でも、よく考えると、私らの頃は『将来を決めないこと』に対して追い風だった時代だったのかもしれないですね。不況で就職先も見つからない、だったら好きなことをやってもいいんじゃないっていう空気がありました」

 同年代(ロスジェネ、団塊ジュニア)の人たちにはわかるかもしれない。必ず何者かにならないといけないという圧力がなかった時代。そんな時代に20代を過ごしたことが今の大泉を形作っているという。

「終身雇用の制度とかも崩れていく時代でしたからね。それは私がこの仕事を続けていくのにいい時代だったのかもしれません。もし別の時代に生まれていたら、慎重な男だからやっぱり就職していたと思いますね。当時、テレビに出ていたのもありますが、北海道での舞台もある程度上手くいっていたので、辞めないで済みました。私は堅実な人間なので、それがなかったら続けていなかったかもしれないです」

◆「北海道に帰れ」って手紙が届いた

 そうして続けている俳優業は順風満帆。出演作品が常に絶えることがない超売れっ子であり、TEAM NACSの全国公演チケットは即完売する大人気ぶり。そして……、妻子持ちであるにも関わらず、あるアンケート調査では「理想の結婚相手」1位に選ばれている。

「そうらしいですね。ファンの方から教えてもらいました。『しあわせのパン』に出演したときに『そろそろそういう時代が来るんじゃないの〜?』なんて言ってたんですが、一向に来なかったんです(笑)。そしたらねぇ、まさかそんな時代が来るとは……(笑)」

 その1位に選ばれた理由を自己分析してもらうと。

「単純に、私がいたらずっとしゃべっていて家庭が楽しそうだと思っていただいているんですかね。ふだんはそこまでしゃべりっぱなしではないんですけど。こういう調子でずっとしゃべり続けたら、うっとうしいと思いますよ(笑)」

 タレント、俳優などメディアで活躍するうえで避けられないのが、出演番組や演じる役柄からのイメージの定着、インタビューなどからの発言の波紋だろう。それに対して意見や反論する機会はほとんどなく、ケタ外れの人気者ゆえの苦労も多いようだ。

「我々の仕事だと、誤解されたまま終わってしまうことはあります。最近、驚いたのは、私が『まれ』の現場で常にスープカレーを差し入れしているって記事があったんですけど、そんなことは一度もないんですよ(笑)。まったく事実がないんですから、もう小説です。これは今、たまたま話す機会があったから良かったですけど、やっぱりそういうことが多い商売ではあります。テレビのバラエティ番組でも、笑ってもらうためにはそう返すしかないでしょっていう場面は多々ありますし。『まれ』でも、『お父さんがひどすぎて娘がかわいそうだから、大泉は北海道に帰れ!』って手紙が番組に届いたそうです(笑)」

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