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内村光良、コントっぽい芝居から脱却 コンプレックス克服へ

 お笑いコンビ・ウッチャンナンチャンの内村光良(50)が、「役者の仲間入り」がしたいという「気概を持って」、撮影に臨んだNHK・BSプレミアムの連続ドラマ『ボクの妻と結婚してください。』が、きょう10日よりスタートする(毎週日曜 後10:00、全6話)。「泣きと笑いを同時に楽しんでいただきたい」と自信を持ってすすめられる、内村の「代表作」になった。

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■“役になりきる”ことを学んだ

 デビューは1985年。相方・南原清隆とともに、「お笑い第三世代」代表の一角として、とんねるず、ダウンタウンとともに日本のバラエティー界をリードした。今年、芸能生活30周年。コントを主体とした芸風でさまざまなキャラクターを番組で演じ、ドラマや映画でもその才能を発揮してきた。

 「いままで何本かドラマや映画をやってきましたが、被害妄想かもしれないけど、『内村が演技するとコントっぽいよね』と言われているんじゃないかというコンプレックスがあって。それをこの作品で払拭したいと思った」と語る。

 クランクイン前も「役者としての代表作にしたい」と意気込んでいた。放送を間近に控え手応えを感じている。「役者を名乗っても恥ずかしくない。役者の仲間入りができるように頑張りたいという気持ちで臨みました。コメディーの要素もたくさんあるんですが、シリアスな場面でコントの自分とは違う自分を見せられたらいいなと思って取り組んだので、ちょっとはいままでのドラマよりも自分の中では納得できた。皆に支えられて、ひとつステップアップできたかなと思っています」。

 コントを主体とする芸風でやってきたからこそ、芝居との演技の違いにこだわるのかもしれない。「コントもドラマもどちらも演じているわけだけど、コントのほうがちょっと冷めいているんですよね。自分の中にもう一人、俯瞰する自分がいて、だから途中でアドリブもできるし、突っ込める。ドラマの役になりきるというのとは、やはり違うな。今回、とにかく恥ずかしさを捨てようと心がけて、照れずにわんわん泣き、照れずに笑って、役になりきるということをほんのちょっと学んだかな」。

■「木村多江は天才!」共演者から刺激

 同ドラマは、2012年に講談社より出版された放送作家・樋口卓治氏の同名小説が原作。バラエティー番組の放送作家の三村修治は、人を笑わせるのが大好きな男。「楽しい」ことを追求して仕事一筋でやってきたが、余命が6ヶ月と宣告されてしまう。そして、男は考える。家のローンを抱え、たいした貯金もないごく普通のサラリーマンの自分が、妻と息子の人生から笑顔を絶やさないために、いったい何ができるのか? 男は残りの人生のすべてを賭けて、自分の代わりに家族を守ってくれる人、妻の再婚相手探しに奔走する。

 昨年2月、同小説を原作とした舞台(脚本・演出:小松純也)にも主演していた内村。その時、妻を演じた女優・木村多江をドラマ版でも起用した。ドラマの脚本は『最後から二番目の恋』などの岡田惠和氏、演出は映画『60歳のラブレター』『神様のカルテ』『トワイライト ささらさや』などの深川栄洋監督が担当している。

 「三村家の3人は舞台と同じ設定だったのでやりやすかったですし、岡田さんの脚本もとにかく新鮮で。舞台と同じだと思い当たるシーンがひとつもなくて。新たな気持ちで挑めました。木村多江さんは天才ですね。舞台の時、同じ場面で同じ涙を流しますからね。やりながら『すっげーな』って思っていました。一人息子・陽一郎を演じた子役の伊澤柾樹も天才子役でしたね。陽一郎に向かって『お父さん死んじゃうんだっ』というシーンは、せつなかったですね。ほかにもエキストラにアドリブをぶっこむ筧利夫さん、せりふを一言一句間違えない吉田栄作さん…、みんな素晴らしかったです。いろんな刺激を受けました」。

 演出を手がけた深川監督は、本作で「90年代テレビドラマ」と「お笑い番組」に対するリスペクトを大切にした作品作りをテーマに掲げ、「昔のテレビにあった自由な気分を大切にいくつものオマージュを私なりに織り込んでいます」とコメントしており、内村を驚かす演出も多々あったという。

■主人公に自分を重ねて「一瞬一瞬を大切に過ごしたい」

 このドラマの主人公・三村修治は、テレビ局の営業マン。子どもの頃から夢だったバラエティー番組のディレクター一筋で生きてきた。最近、営業部へ異動したが、同時にすい臓がんを患っていることが発覚。余命半年を宣告される。

 「三村という男はバラエティーの現場が大好きなんですね。そこが自分とすごく似ていて。病気になって、会社を退社した日、誰もいない無人のスタジオにコントで使うセットが建ててあって、それを見回すシーンがあって。それがすごく自分と重なって、俺、引退したらこんな感じになるのかなって(笑)。うるうるきちゃって。心が震えました」。

 主人公を特徴づけるのは、自分の死後も妻や子どもが笑っていられるように、再婚相手を探すという行動に出ることだ。「どんな時でも人を笑わせたいというのは、お笑い芸人みんなに一致するところであって。でも、この主人公はつまんないんですよね。つまんない一発ギャグをするとか、つまんないこけ方をするのが、ちょっと難しかったですね。いっちゃなんですが、こけ方うまいんですよ。そういう鍛錬を積んできたんで、こけ方で笑いをとってきたという自負もありますので。つまんないけど、でも人を楽しませようとする点は共通していますね」。

 続けて「でも、自分が余命半年と言われたら、『俺、死ぬから』と言って、資金を集めて映画を作ると思うんですね。自分のことしか考えないと思うけど(笑)。撮影しながら思ったのは、家族と特に子どもたちともっとたくさん過ごさないとなって。それで、娘と『アニー』を観に行ったり、かるた取りをしたりしました(笑)。一瞬一瞬を大切に過ごそうと、この作品をとおしてより強く思うようになりました」と話していた。

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