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ゆずの曲が時代を超えて愛される理由「捨てられずにずっと残る音楽を届けたい」

 ヒャダイン(前山田健一)が特別出演した新曲「OLA!!」MVも話題を集めている人気デュオ・ゆずが、ORICON STYLEのインタビューに応じた。『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語〜サボテン大襲撃〜』主題歌「OLA!!」のヒャダイン、両A面として4月15日発売のシングルに収録される「ポケット」では蔦谷好位置と、様々なクリエイターとのコラボも目立っている彼ら。時代が変わる中でも、長年にわたって幅広い世代から支持されてきた理由を、彼らの“ゆずれないもの”から探っていく。

『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語〜サボテン大襲撃〜』の主題歌「OLA!!」も話題を集めるゆず(写真・尾鷲陽介)

『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語〜サボテン大襲撃〜』の主題歌「OLA!!」も話題を集めるゆず(写真・尾鷲陽介)

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■しんちゃんとメキシコで“オラ”がひらめいた

――今回、よくぞ“OLA”というキーワードがひらめきましたよね。
北川悠仁】 僕らはメキシコに行ったことがないし、お話をいただいた時は、『クレヨンしんちゃん』の映画の主題歌で、しんちゃんがメキシコに行って、どうやらサボテンが暴れるらしいってくらいのヒントしかなくて(笑)。でも、それが逆に良かったみたい。しんちゃんと言えばなんだろうって考え始めたら、しんちゃんは自分のことをいつも“おら”って言っているし、メキシコといえばラテンで、スペイン語で“こんにちは”は“オラ”って言うなとか、自分の中でヒントを膨らませていくことができた。あと、サウンド的にもラテンをPOPSに落とし込んでみようとか、ワールドミュージック的なアプローチをしてみるのも面白いかもとか、どんどんイメージが広がっていきましたね。

――もう何年間も、ゆずはSAKURA STUDIOを使っていましたけど、今作は新しいスタジオ(STUDIO HOUSE)で制作されたんですね。
【北川】 『新世界』を作ったときに、SAKURA STUDIOでできる制作のひとつのやり方にやりきれた感があったんです。7、8年使っていたSAKURA STUDIOは、ゆずの2人だけで録れるものを作る秘密基地みたいな場所だったけど、新しいスタジオにはたくさんの人を呼びたかったというか。今までやったことのない楽器やミュージシャンたちが集えるような場所にしたくて、機材だけじゃなく内装にもこだわりました。
岩沢厚治】 自分たちのスタジオっていうだけでも気分的に落ち着きますね。なにより家から近いし(笑)。

――マリンバやケーナなど、この曲には様々な楽器が入っていますね。
【北川】今は打ち込みでもかなり生音に近いものを再現できるけど、ゆずの弾き語りでも打ち込みでも再現できないところ、さらにその先に行ってみたかったんです。今までゆずで使ったことのない楽器が奏でる新たな温もりや新たなスパイスを入れたくて、南アフリカ出身のマリンバ奏者やバリバリのクラシック畑のイタリア人バイオリニストなど、いろんなミュージシャンに参加してもらいました。
【岩沢】どの音にも人間臭さがあるというか、奏でる人の人間性までも音になってますね。
【北川】まるで旅をしているみたいに、1曲の中にいろんな場面が出てくるし、子供も大人も最後までワクワクする気持ちを味わい続けられるような曲にしたかったんです。たくさん楽器を入れると曲が長くなりがちだけど、3分半くらいに収めてるんですよ。

■年下のクリエイターとも果敢に組んでいきたい

――「ポケット」のアレンジは蔦谷好位置さんが手がけていますが、蔦谷さんや「OLA!!」のヒャダインさんなど、最近は様々なクリエイターとのコラボレーションも目立ちます。
【北川】 僕らは2人組なので、いろんな人と一緒にやりながら自分たちが気づいていない側面を知ったり、化学反応を起こしたいなと思って、いろんな方たちと制作をやるようになったんです。蔦谷くんと初めて組んだのは7、8年前ですけど、「ポケット」ではゆずと蔦谷くんのスタンダードが出来上がりつつあるなって思いましたね。これからもいろんな方たちとやっていきたいし、自分たちより年下の人とも果敢に組んできたいです。この真っ赤な衣装も、才能ある30代のクリエイターさんのアイディアなんですよ。
【岩沢】 全身真っ赤って、かなりインパクトありますよね。
【北川】 MVでは僕たちの周りに何十種類もキャラクターが出てくるから、真っ赤な僕らはアイコンや象徴みたいな感じなのかも。ゆずだけで「OLA!!」を表現するCDジャケットやMVは、この衣装も含めて、ちょっとシュールだったり、不思議な世界感になっているので、アートワークからも新鮮さを感じてもらえると思います。

――音楽の届け方が多様化している時代の中で、何をいちばん大事にしてゆずの音楽を届けたいと思っていますか?
【北川】 今はインターネットを通して映像を見るチャンスがいくつもあるので、自分たちが発信したいビジュアルをたくさんの人たちに見てもらえるから、音だけじゃなくアートワークからも新しいことを発信していきたくて。ただ、ゆずの曲が聴いてもらえる方の一部になれたらいいなっていう気持ちは昔も今も変わらないですね。捨てられちゃう曲じゃなく、ちゃんと届いて、その人の中にずっと残ってくれたら、ツールは何でもいいんです。配信だけ、映像だけ、ライブだけでもいい。今回の2曲に関してはパッケージで出した方が、より多くの人に伝わるだろうなと思ってCDで発信しました。
【岩沢】 ゆずを発信する場所はいくつもあるけれど、自分の中ではライブを大事にしてますね。新しい曲を作ったらレコーディングをしたくなるし、レコーディングをしたらライブで演奏したくなるし、ライブが続くと曲が作りたくなってという感じで、気持ちのサイクルが変わっていく中で、どんな曲を作っても、この曲を歌う場所はライブなんだなっていう気持ちは強いですね。

――8月15、16日には弾き語りライブ「二人参客」、そして17日には、同じ会場でゆずファンクラブイベントと、横浜スタジアムでの3daysイベントもありますね。
【北川】 『新世界』のツアーで弾き語りのコーナーをやって、改めてゆずの弾き語りっていいもんだなと思ったので、単発で弾き語りライブをやりたいんだけどってダメもとでスタッフにお願いしたんですが、2日間もやらせてもらえることになって。嬉しいですね。
【岩沢】 今までやってきた弾き語りとはまた違うやり方や見せ方ができるといいですね。とにかくステージには2人だけしかいないので、まな板の上の鯉の気分で覚悟を決めつつ、3日間楽しみたいです。 

(文/松浦靖恵)

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