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小籔千豊が『新喜劇』への危機感明かす「新喜劇を“古典”にするつもりはない!!」

 吉本新喜劇の最年少座長である小籔千豊が、6月に初めて『俳優座劇場』(東京・六本木)で公演する。常設劇場ではなく、“アウェー”での公演は挑戦でもあるが、小籔は「ぼくらは“ホーム”でやりすぎたんですよ! 関西の水に慣れ過ぎてしまった」と警鐘を鳴らす。現状の新喜劇に危機感を抱く小籔が愛するが故の真摯な想いを明かしてくれた。

■昔ながらの“味”だけを求められるのは正直困るんです

――吉本新喜劇が、初めて東京『俳優座劇場』で公演することが決定しましたね。俳優座公演はかなりの挑戦だと思いますけど、どのような経緯で決まったんですか?
【小籔千豊】実は5年くらい前からやりたいって言っていたんです。でも、最初は全く会社も相手してくれなくて(笑)。今考えれば、「お前ごときの知名度で客呼べるか!」って感じだったんでしょうねぇ。最近やっと東京のテレビにちょこちょこ出させてもらうようになったんで、会社もOKを出してくれまして。

――なぜそこまでアウェーでの公演に拘っていたんですか?
【小籔】最近になって、新宿ルミネで大阪チームが新喜劇をやらせてもらう機会も徐々に増えてきたんですけど、やっぱり吉本の劇場には吉本のファンしか来ない。だったら普段演劇などで使用される劇場で新喜劇をやって新しい顧客を獲得したかった。

――ただ、世間のイメージからすると、新喜劇には、関西を中心に生活に直結した“古典”というイメージもあって、ファンからすると「変わらない魅力」という点も大事にしてるんじゃないかなって。
【小籔】うーん。そこが難しいところでして…。例えば新喜劇を和菓子に例えると、僕らの世代からすると、若い子はやっぱり和菓子を食べないんですよ。だから僕らは饅頭の中にイチゴを入れたりマンゴー入れたり、生地をミルフィーユにしてみたり。だから昔ながらの味だけを求められるのは正直困るんです。僕は若いコたちにも、和菓子を食べない世代にも和菓子を食べて欲しいんです。

──進化していかなければ衰退してしまう危惧があると。
【小籔】僕は新喜劇を古典にするつもりはないんです。他のお笑いと全く遜色がないものにしようと思っているんです。

■芸人としての自我は28歳の時に捨てた

──つまり、新喜劇を最先端の笑いとして論じられるのが小籔さんの理想なんですね。
【小籔】そうですそうです。 新喜劇の良い部分、素晴らしい部分はしっかりと継承していくべきなんです。ただ、時代やニーズに対応していくことの方がもっと重要だと思うんです。その対応という面で努力を怠っていた印象があるんですよ。ぼくらはねぇ“ホーム”でやりすぎたんですよ! 関西の水に慣れ過ぎてしまったことで、そこから出ようという気持ちが無くなってしまったんです。

──だから小籔さんは挑戦として東京吉本の所属になった。でも、東京に進出したのも新喜劇のためだったというのは驚きでした。自分自身が天下を取るという野望の為に進出するのが普通ですよね?
【小籔】普通はそうですよね(笑)。でも、僕は自分の笑いを表現したいとか、天下を取りたいという気持ちはほとんどないんですよ。僕は28歳の頃に一度コンビを解消したんです。相方が「構成作家になる」って言って。つまりそれは、言い方を変えれば「お前と一緒にいても成功できないから一人でやっていく」ということなんですよ。その時、僕もそうとうヘコんでしまって、芸人辞めようと思ってたんです。で、普通の職業について嫁さんと結婚しようと思っていたんです。

──そこで一度芸人に見切りをつけようと思っていたんですね。
【小籔】はい。でも、先輩から同期から後輩まで、周りから「辞めるな」って言われて。その時初めてこんな素晴らしい人たちに囲まれて芸人やっていたんだ!って気付いて。この人らと離れたくないっていう気持ちが芽生えて、もう少しやってみようということで新喜劇に入ったんです。それも、ここだったら安定した収入が得られるかなぁっていう安直な理由だったんですよ(笑)。つまり芸人としての自我は捨てたんです。

■ある社員さんからは「新喜劇辞めろや!」って言われたことも…

──最初はあくまでもワークとして新喜劇に入った。
【小籔】そうです。今だって職業を聞かれたら一応芸人って答えますけど、自分の中では胸を張って言えない負い目みたいなものはやっぱりありますね。最初は新喜劇に入るのも凄く躊躇したんです。で、入った直後にある先輩から凄い近い距離で「なんで会社はこんなヤツ入れたんやろな!」って言われたんです。もう、仰る通りなんスけど、やっぱりキツかったですね〜(しみじみ)。その1ヵ月後位に、ある吉本のある社員さんからも「新喜劇入ったそうだけど、お前失礼やろ! 新喜劇は芸人再生工場じゃない。辞めろや!!」って言われて。

──それはキツイですね…。
【小籔】仰る通りだったので、腹が立つという事は一切なかったんです。でもその時に僕、「カチッ」っていう音が聞えるくらいスイッチが入ったんですよ。いつか、「小藪を新喜劇に入れて良かったなぁ」って思ってもらうために頑張ろうって誓ったんです。

──そこで心が折れずに座長まで上り詰めたのは素直に凄いと思いますよ。
【小籔】先輩方の中にも僕の考え方に賛同してくれる方もいて、内場(勝則)さんが「これからは小藪や!」ってお偉いさんの前で言ってくれたのも凄く嬉しかったですね。何より僕は一度芸人として終わった人間なので、新喜劇のためなら何でもします!って気持ちしかなかったですから。

──今回の『俳優座』での公演が新喜劇にとって新たな転機となりそうですね。
【小籔】そうですね! これで若い人にも全く伝わらない内容なら「何を言うとんねん、若い座長よ」ということになりますんで(笑)。120%自信を持ってる作品で挑みますよ。



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