映画評論家らが優れた人材や作品を表彰する『第23回日本映画批評家大賞』の授賞式が28日、東京・丸の内のシャングリ・ラ ホテル東京で行われた。

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　松田龍平（30）は映画『舟を編む』で主演男優賞を受賞し「素晴らしい監督やキャストに囲まれていろんな影響を受けながらやっていました。僕が賞をいただけることに実感がないですが、壇上に上がることがうれしい」と照れ笑い。「次の作品もありますし、背中を押してもらっているなと思って、日々邁進していきたい」とさらなる飛躍を誓った。

　『ばしゃ馬さんとビッグマウス』で主演女優賞を受賞した麻生久美子（35）は「ちゃんと表現できるか、とにかく毎日プレッシャーと戦う日々ですごく苦しかった」と、才能がないと感じながらもシナリオライターを目指す女性を演じた撮影を振り返った。演じた役柄のモデルが同作の吉田恵輔監督だったと知って悩んだと明かすも「吉田監督が『夢がかなわない人たちの話を夢がかなった僕たちがやるんだから、刺し違えるくらいの覚悟でやらないと』と言っているのを聞いて襟を正された」と感謝を伝えていた。

　映画界・演劇界に功績を残した人物を称えるゴールデン・グローリー賞に輝いたミッキー・カーチス（75）は「こんなに長生きすると思わなかったし、こんな賞をもらえると思っていなかった」と感慨深げ。「これも去年入れたペースメーカーのおかげ。死ぬまで生きるつもりです」と宣言して会場を笑いに包んでいた。

『第23回 日本映画批評家大賞』受賞者一覧

作品賞：『舟を編む』
監督賞：吉田恵輔（『ばしゃ馬さんとビックマウス』）
主演男優賞：松田龍平（『舟を編む』）
主演女優賞：麻生久美子（『ばしゃ馬さんとビックマウス』）
助演男優賞：伊藤蘭（『少年H』）

新人賞：黒木華（『草原の椅子』）、大原櫻子（『カノジョは嘘を愛しすぎてる』）、星野源（『箱入り息子の恋』）
新人監督賞：中野量太（『チチを撮りに』）、白石和彌（『凶悪』）
ゴールデン・グローリー賞：加賀まりこ、吉行和子、ミッキー・カーチス
ダイヤモンド大賞：有馬稲子

ドキュメンタリー監督賞：『オース！バタヤン』
編集賞：井上秀明（『青木ヶ原』）

▼アニメーション部門
作品賞：『かぐや姫の物語』
監督賞：高畑勲（『かぐや姫の物語』）
功労賞：小島俊彦（『かぐや姫の物語』ほか）、 伊藤克已（『キタキツネの物語』ほか）