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今年は「東京出身」女優に注目!? 朝ドラヒロイン2作連続起用

 4月からスタートした朝ドラ『花子とアン』の主演が吉高由里子に決まった頃(昨年6月)、女優評論家の高倉文紀氏は「ここ数年、地方出身の若手女優の活躍が目立っていたが、2014年は東京出身の女優が大きな注目を集めそうだな」と語っていた。地方と東京で女優を比べる発想がなかったこともあり、しばらく後になって真相を聞いてみると、景気との関係性を交えて、持論を明かしてくれた(以下、コメントは全て高倉氏)。

NHK朝ドラは2作連続で「東京出身」女優を起用(左から)杏、吉高由里子 (C)ORICON NewS inc.

NHK朝ドラは2作連続で「東京出身」女優を起用(左から)杏、吉高由里子 (C)ORICON NewS inc.

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――これまで地方出身の女優の活躍が目立っていたとのことですが、どんな方がいますか?

 「綾瀬はるか(広島)、新垣結衣(沖縄)をはじめ、満島ひかり(沖縄)、佐々木希(秋田)、戸田恵梨香(兵庫)、大政絢(北海道)、武井咲(愛知)、川口春奈(長崎)、橋本愛(熊本)など、挙げればたくさんいます」

――東京と地方出身の女優の違いは、どんなところにありますか?

 「東京出身は、洗練されていて、都会的な雰囲気がある女優が多いと言えます。情報量の多いメディア環境の東京で生まれ育った女優は、おしゃれでクールな都会育ちの役を演じるにおいては、体にしみこんでいる部分が多いので圧倒的にうまい」

 「一方で、地方出身の特徴は、素朴でピュアなヒロイン像にハマる女優が多い。デビュー当時の新垣結衣や橋本愛、佐々木希もそうでしたが、東京に出てきて仕事をしているということもあって、普段は人見知りな性格の人が少なくない。ヒロインの心境と自分自身の境遇を重ねて自然に演じられるので、『あまちゃん』の主人公のように、内気な女の子が悩みながら、成長していくタイプの役を得意としている」

――では、これまで地方出身の女優が目立っていた理由はどんなところにありますか?

 「日本経済の状況との関連性が一つ考えられます。不況になると時代に連動して、ヒロインの内面の心情を描写したシリアスな作品が増える傾向にあります。特に日本映画は、そういうタイプの作品が得意で、地方を舞台にした物語が目立ちました。代表的なヒット作としては、蒼井優が主演した2006年の『フラガール』、新垣結衣が主演した2010年の『ハナミズキ』など。実際、ここ数年は取材でお会いする事務所関係者の話を聞いても、プロデューサーや監督が素朴でピュアなヒロイン像にハマる女優を探していたようなので、地方生まれの女優の発掘に力を入れている感は強かったです」

 「昨年は、NHK大河ドラマで広島出身の綾瀬はるか(『八重の桜』)、朝ドラでは『あまちゃん』で兵庫出身の能年玲奈が活躍。さらに、ドラマ内のご当地アイドル・GMTのメンバーにも福島出身の優希美青、徳島出身の山下リオらが出演していましたしね」

――最近はその流れに変化が生まれている?

 「最近は、実際に流れが変わってきています。朝ドラにしても、3月末まで放送された『ごちそうさん』の、4月スタートの『花子とアン』の吉高由里子は共に東京出身。2作連続で東京出身者がヒロインを務めるのは珍しい。過去5年間の朝ドラヒロイン10人のうち、東京出身が多部未華子(『つばさ』)と堀北真希(『梅ちゃん先生』)の2人だけだったことを考えると、流れは東京と言えます」

――では、流れが変わってきた理由はなんでしょうか?

 「アベノミクスで、少しずつ景気がよくなりつつあることが影響していると思います。それと、地方出身女優の活躍が続いたことに対する揺り戻しも考えられます。現に、洗練された都会的な雰囲気を持つ、ポジティブな女性をヒロインとして描くドラマや映画が増えてきてます。前クールの月9ドラマ『失恋ショコラティエ』は、代官山をイメージさせる街を舞台に、東京出身の石原さとみが小悪魔系おしゃれ女子のヒロインを演じました。また、杏主演の春ドラマ『花咲舞が黙ってない』は、東京の金融街にある銀行の本部に勤める仕事がデキる女性が主人公。『花子とアン』も明るいキャラクターがヒロインで、演じる吉高にも都会派のイメージがあります」

――そのほかにも、東京出身で活躍している人はいますか?

 「そのほかでは、『花子とアン』に出演する黒木華土屋太鳳。NHKドラマ『銀二貫』で初ヒロインを演じる松岡茉優も『あまちゃん』で埼玉出身のアイドル役でしたが、実際には東京出身。また、今期フジテレビ系『ファースト・クラス』で8年ぶりに連ドラ主演する沢尻エリカもそうです。そのほか、引っ張りだこの本田翼、JR東日本「行くぜ、東北。」のCMで話題の木村文乃、映画『愛の渦』で主演を演じる門脇麦、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』にオーディションでヒロインを射止めた大原櫻子も新世代の東京出身女優。揺り戻しも含めて、流れはあるはずです」

 「あと、余談として女優とは異なりますが、女性アイドルも不況に強いと言われてます。景気が悪くなると、明るい気持ちになりたいという思いがアイドルを求める傾向になりやすいです。過去にも、山口百恵ら初期の女性アイドルが出てきた70年代前半は、石油ショックの影響で経済が落ち込んだ。円高不況のあとの80年代後半には。おニャン子クラブが人気を集め、バブル崩壊後の90年代後半には、広末涼子が支持を集めました。今回のデフレ不況においてのAKB人気も同じような傾向があてはまるかと思います」

高倉文紀
女優評論家。『日経エンタテインメント!』『girls!』などの雑誌で女優の取材・分析を手がける。アーキテクト「タレントパワーランキング」のホームページでは、注目の次世代女優をピックアップする『月刊ニッポン女優総研リポート』を連載中。http://www.talentsearch.jp/

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