ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

2013年映画興行アニメが牽引 『風立ちぬ』3年ぶり100億円超え

 日本映画製作者連盟(映連)は28日、都内で記者発表会を開き、2013年(平成25年)の全国映画概況を報告した。総興行収入は1942億3700万円(前年比△9.53億円、99.5%)に終わり、2000年以降14年間で12番目の成績だった。総動員数は1億5588万8000人(前年比100.5%)だった。

2013年映画興行収入1位はスタジオジブリの『風立ちぬ』120.2億円で現在も上映中(C)2013 二馬力・GNDHDDTK

2013年映画興行収入1位はスタジオジブリの『風立ちぬ』120.2億円で現在も上映中(C)2013 二馬力・GNDHDDTK

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 2013年に日本国内で公開された作品は邦画591本(前年比+37本)、洋画526本(同+97本)の合計1117本で、初の1000本超え。劇場がフイルム上映からデジタル上映に移行したことで小規模公開の環境が整ってきたことや、ODS関連の増加(公開本数277本、前年は190本)が要因と見られる。興収の内訳は邦画が1176億8500万円(構成比60.6%、前年比91.8%)、洋画が765億5200万円(構成比39.4%、前年比114.2%)で、洋画が若干の回復をみせた。

 興行収入1位はスタジオジブリ・宮崎駿監督作品『風立ちぬ』(東宝)の120.2億円(上映中)で、邦画では5年ぶり、邦・洋画合わせても3年ぶりの100億円の大台超え。2位はディズニー/ピクサーの『モンスターズ・ユニバーシティ』(WDS)の89.6億円、3位『ONE PIECE FILM Z』(東映)の68.7億円と、上位3作品をアニメーション作品が占めた。10億円以上の興収があった邦画は34本あったが、このうち12本がアニメ作品で、この12本だけで邦画興収全体の3分の1以上、約410億円を稼いでいる。

 邦画4社(松竹、東宝、東映、KADOKAWA)の中では、東宝の一人勝ちが続く。2013年は同社だけで673億2000万円を稼ぎ、歴代4位の成績を残した(ベスト3はいずれも700億円超え、1位・2010年、2位・2012年、3位・2008年)。東宝の島谷能成社長は「宮崎駿監督の傑作『風立ちぬ』の一年でした。100億円の大台を超え、映画界全体を牽引してくれました。宮崎監督の長編からの引退は返す返す残念でたまりません」と本音を吐露。

 さらに「不滅のシリーズとも言うべき、春休みの『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』(39.8億円)が、新しい声優陣による新バージョンでの最高興収を更新、『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(36.3億円)もシリーズ17作目にして最高興収をたたき出しました。夏休みの『劇場版ポケットモンスター ベストウィッシュ「神速のゲノセクトミュウツー覚醒」/「ピカチュウとイーブイ☆フレンズ』(31.7億円)も期待通りのヒット。アニメ作品満開の一年でもありました」と総括した。

 アニメ作品の台頭については、「2013年は単純に面白い作品が多かったと思うし、レベルも上がってきている。『ドラえもん』のようなファミリーピクチャーから大人の鑑賞に耐えるもの、若者の鋭い感性に応えるものまで広がっていて、この傾向はしばらく続いて、落ち着くところに落ち着くと思う」と見解を述べた。

 東映の岡田裕介社長は「なぜ、アニメが流行るのか、話すと長くなりますが、スターがどんどん変わっていく中で、今はアニメのキャラクターがスターになってきている。若者の間でスター像が変わってきたからなのではないでしょうか」と持論を述べていた。

 邦画の実写では50億円を超えるメガヒットはなかったが、福山雅治主演の『真夏の方程式』(33.1億円)、嵐・櫻井翔主演の『謎解きはディナーのあとで』(32.5億円)とフジテレビの連続ドラマの映画化2作品が30億円を超えの大ヒット。TBSの『劇場版SPEC〜結〜漸ノ編』(27.5億円、上映中)、『同〜爻ノ編』(20.6億円、上映中)も好調で、連ドラ発作品のヒットが目立った。

◆2013年興行収入上位10作品

1位:『風立ちぬ』120.2億円※(東宝)
2位:『モンスターズ・ユニバーシティ』89.6億円(WDS)
3位:『ONE PIECE FILM Z』68.7億円(東映)
4位:『レ・ミゼラブル』58.9億円(東宝東和)
5位:『テッド』42.3億円(東宝東和)
6位:『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』39.8億円(東宝)
7位:『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』36.3億円(東宝)
8位:『真夏の方程式』33.1億円(東宝)
9位:『映画 謎解きはディナーのあとで』32.5億円(東宝)
10位:『そして父になる』32.0億円(GAGA)

※は上映中作品。WDS=ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

◆興行収入10億円以上のアニメ作品(邦画のみの順位)

『風立ちぬ』(1位:120.2億円※)
『ONE PIECE FILM Z』(2位:68.7億円)
『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』(3位:39.8億円)
『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(4位:36.3億円)
『劇場版ポケットモンスター ベストウィッシュ「神速のゲノセクトミュウツー覚醒」/「ピカチュウとイーブイ☆フレンズ』(8位:31.7億円)
『ドラゴンボールZ 神と神』(9位:29.9億円)
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』(15位:20.8億円※)
『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』(23位:17.0億円)
『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』(26位:13.0億円)
『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』(29位:12.1億円)
『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(32位:10.4億円)
『映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち』(33位:10.3億円)

※は上映中作品。

関連写真

  • 2013年映画興行収入1位はスタジオジブリの『風立ちぬ』120.2億円で現在も上映中(C)2013 二馬力・GNDHDDTK
  • 2013年映画興行収入2位はディズニー/ピクサーの『モンスターズ・ユニバーシティ』89.6億円(C)2013 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
  • 日本映画製作者連盟 記者発表会の模様 (C)ORICON NewS inc.
タグ

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索