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井上主演NHK大河、無名ヒロインの狙い 視聴者の「共感」と「予測不能さ」

 2015年のNHK大河ドラマは、女優の井上真央主演の幕末もの『花燃(はなも)ゆ』に決まった。3日に同局で行われた会見で発表された。主人公は、幕末の思想家・吉田松陰の妹、文(ふみ)。激動の幕末で長州藩に生まれ、松下村塾の塾生たちに囲まれながら、幕末・明治維新を生き抜いたヒロインが「命を燃やし、情熱を燃やし、恋の炎を燃やした」生涯を描く。

2015年の大河ドラマ『花燃ゆ』で主演を務める井上真央 (C)ORICON NewS inc.

2015年の大河ドラマ『花燃ゆ』で主演を務める井上真央 (C)ORICON NewS inc.

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 放送中の『八重の桜』の主人公・八重にも増して、一般的にはほとんど知られていない女性をヒロインにした狙いを、制作統括の土屋勝裕氏は「有名な人物は予想がついてしまうし、興味がなければ観なくなってしまう。信長や秀吉のような歴史のヒーローよりも、歴史に名を残さなかった人たちの目線が今の時代は、共感を得る上で大事なのではないか」と分析。

 さらに、「いままでの大河ドラマの主人公は男で、歴史に名を残した人物が多かったと思うが、歴史に名前は残らずとも一生懸命生きた人々はいて、そこにもさまざまなドラマがある。男たちの影で、頑張っていた文の人生を一緒にハラハラドキドキしながら観ていただければ」と力を込めた。

 井上の起用については、「朝ドラの『おひさま』で、毎朝お茶の間に明るさと元気を届けてくれた。子役の時から注目していて、人気実力ともに今回の主役にふさわしい女優を考えたときに井上さんが真っ先に思い浮かびました」と説明。朝ドラの実績を見込んでの起用となった。

 土屋氏は、これまでに大河ドラマの『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』(2002年)、『篤姫』(2008年)、『龍馬伝』(2010年)に携わったヒットメーカー。「『篤姫』で薩摩、『龍馬伝』で土佐、今の『八重の桜』で会津を描いたので、次は長州をやりたいと思っていた」と、幕末ものに造詣が深い。

 主人公自体はマイナーでも「幕末の長州藩には、松蔭をはじめ、文の最初の夫となる久坂玄瑞、文の再婚相手となる楫取素彦(かとりもとひこ)、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋ら幕末維新の人気者がたくさん出てきます。そんな彼らもプライベートでは、愛人がいたり、玄瑞にも京都に隠し子いたり。女性を切り口にすることで違った人物像が見えてくる」と、今回の企画に自信をのぞかせた。

◆ヒロイン・文(ふみ)について
吉田松陰の妹で、杉家の四女の文(ふみ)。松下村塾に集まった塾生たちに可愛がられ、久坂玄瑞に嫁ぐ。しかし、禁門の変で久坂は自決。夫を失った文は、毛利家の奥女中となり、嗣子元昭の守役を任される。幕末の動乱を乗り越え、久坂家を残そうと奮闘。その後、美和子と名を変え、亡き姉の夫であった群馬県令・楫取素彦の妻となり、群馬の産業・教育の近代化に寄与した楫取を支えていく。

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  • 2015年の大河ドラマ『花燃ゆ』で主演を務める井上真央 (C)ORICON NewS inc.
  • 制作統括の土屋勝裕氏 (C)ORICON NewS inc.

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