松本人志監督4作目となる映画『R100』。さまざまな反響を集める同作だが、今回は長年に渡りダウンタウン作のブレーンを務め、『R100』でも企画協力として携わった構成作家・倉本美津留氏が監督・松本人志について、さらに様々な影響を与えてきた松本の内面までたっぷりと語ってくれた。
■最初は映画監督になるという気持ちは無かったと思う
倉本氏といえば、90年代に圧倒的な支持を集めた『ダウンタウンのごっつええ感じ』を筆頭に、数々の番組で革新的な笑いを共に創造してきた盟友。 松本の映画作品すべてにも企画段階から携わっているが、バラエティとはことなる映画というフィールドでは、どのような形で関わってきたのだろうか?
「毎回ちょっとずつ役割は変わってるかもしれないけど、監督が考えやすい環境を作るということが役割ですね。『どんな映画がええかな〜』っていう雑談レベルのところから始まって、色々なことを話し合いながら、(監督の中に)埋まっているものを掘り出していく作業というか」(倉本)。
松本は今回の『R100』で、原点に立ち返って映画の構造自体を破壊するとコメントしていたが、その想いは当初の企画段階からあったという。「そうですね。とにかくメチャクチャにしてやろうと(笑)。基本的には映画という“ジャンル”自体を壊すというか。今は彼も映画監督と呼ばれるようになりましたけど、最初は映画監督になるという気持ちは無かったんじゃないかなって思うんですよ。新しいジャンルを作りたいという気持ちでずっとやってきた人だから」と振り返る倉本氏。
「彼(松本)の言葉ですが、『誰も見つけたことのない大陸を発見する』という事なんですよね」(倉本)。
■(松本の思考は)ダダイズムやシュールレアリズムに近い
松本監督は常々、映画ではコメディ作品を作るつもりはないと公言してきた。この発言の真意について倉本氏自身はどのように考えているのだろうか? 倉本氏は「従来のコメディ映画と一緒に括られる危険性があるので、分かりやすく『コメディは作らない』と言っていると思うんですよ。元々、テレビでも従来通りの“コメディ”は作ってこなかったじゃないですか? 常に笑いの実験を繰り返してきた人だから」と自身の見解を語る。
笑いというフィールドで、常に“誰も見たことのない景色”を模索する松本人志の姿勢は、芸術家の志向に近いと推測する倉本氏。「ダダイズムだったりシュールレアリズムに近い。彼自身はそんなこと意識したことはないと思うんだけど……。当然新しいことをやろうとすれば反発は生まれるから。それは、これまでにも彼は散々体感してきたことですから」(倉本氏)。
■前の自分に似ているのが一番イヤな人
以前、松本監督にインタビューを行った際、「今回も笑わして下さいねって言われるのがちょっとツラい」とううことを語っていた。その発言の真意ついて倉本氏は「それって多分、『昔の、あの感じでよろしく』って言ってることになるからじゃないでしょうか。例えば『寅さん』シリーズとかなんかは、お決まりのパターンでお客さんを笑わせますよね? それはそれで素晴らしいものだと思うんですけど、彼の場合は、そこじゃない部分でずっと勝負してきましたからね。だから、『今回も違う笑いがあるんで、それを感じてよ』ってことなんでしょうね」と語る。
過去に作った笑いを踏襲するつもりはない…その姿勢がコメディ映画は作らないという発言に結びつくというワケだ。「これまで松本人志が作ってきたモノを入れたら、笑いが起こるということは嫌という程わかってる。でも、そこは“焼き直し”するのが絶対にイヤ。こんなに“焼き直し”するのが嫌な人って見たことがない(笑)」 。
通常なら“枯渇”する不安から、自分のパターンを決めたくなるところだが、松本人志の場合は躊躇なく切り捨てていくという。倉本氏は「前にやらなかったことで貯めてるネタも平気で切り捨ててく。でも、大事なことだと思うんですよ。前の自分に似ているのが一番イヤというね。ストイックすぎるかも知れませんけどね(笑)。枯渇する感覚はないんでしょうね。嫌なんでしょう、貯めておくのが(笑)」と笑う。
今後の松本人志監督について、倉本氏は「僕なんかは勝手に、いっそのこと次作は海外の出資でまずは海外のみ公開でやるとかってやってほしいな、なんて思ってます」と展望を明かす。“生みの辛さ”や世間からの反響などは散々、松本自身受けてきたことなのだ。
「“見たことが無い景色”を探す作業というのは辛いこともあるけど大事だと思う。大げさなことを言えば、“文化を生む”キーパーソンだし、松本人志本人もその責務を背負っているというのは感じざるを得ないというか…。一緒にやらせてもらっていて幸せなことです」(倉本氏)。
■最初は映画監督になるという気持ちは無かったと思う
倉本氏といえば、90年代に圧倒的な支持を集めた『ダウンタウンのごっつええ感じ』を筆頭に、数々の番組で革新的な笑いを共に創造してきた盟友。 松本の映画作品すべてにも企画段階から携わっているが、バラエティとはことなる映画というフィールドでは、どのような形で関わってきたのだろうか?
「毎回ちょっとずつ役割は変わってるかもしれないけど、監督が考えやすい環境を作るということが役割ですね。『どんな映画がええかな〜』っていう雑談レベルのところから始まって、色々なことを話し合いながら、(監督の中に)埋まっているものを掘り出していく作業というか」(倉本)。
「彼(松本)の言葉ですが、『誰も見つけたことのない大陸を発見する』という事なんですよね」(倉本)。
■(松本の思考は)ダダイズムやシュールレアリズムに近い
松本監督は常々、映画ではコメディ作品を作るつもりはないと公言してきた。この発言の真意について倉本氏自身はどのように考えているのだろうか? 倉本氏は「従来のコメディ映画と一緒に括られる危険性があるので、分かりやすく『コメディは作らない』と言っていると思うんですよ。元々、テレビでも従来通りの“コメディ”は作ってこなかったじゃないですか? 常に笑いの実験を繰り返してきた人だから」と自身の見解を語る。
笑いというフィールドで、常に“誰も見たことのない景色”を模索する松本人志の姿勢は、芸術家の志向に近いと推測する倉本氏。「ダダイズムだったりシュールレアリズムに近い。彼自身はそんなこと意識したことはないと思うんだけど……。当然新しいことをやろうとすれば反発は生まれるから。それは、これまでにも彼は散々体感してきたことですから」(倉本氏)。
■前の自分に似ているのが一番イヤな人
以前、松本監督にインタビューを行った際、「今回も笑わして下さいねって言われるのがちょっとツラい」とううことを語っていた。その発言の真意ついて倉本氏は「それって多分、『昔の、あの感じでよろしく』って言ってることになるからじゃないでしょうか。例えば『寅さん』シリーズとかなんかは、お決まりのパターンでお客さんを笑わせますよね? それはそれで素晴らしいものだと思うんですけど、彼の場合は、そこじゃない部分でずっと勝負してきましたからね。だから、『今回も違う笑いがあるんで、それを感じてよ』ってことなんでしょうね」と語る。
過去に作った笑いを踏襲するつもりはない…その姿勢がコメディ映画は作らないという発言に結びつくというワケだ。「これまで松本人志が作ってきたモノを入れたら、笑いが起こるということは嫌という程わかってる。でも、そこは“焼き直し”するのが絶対にイヤ。こんなに“焼き直し”するのが嫌な人って見たことがない(笑)」 。
通常なら“枯渇”する不安から、自分のパターンを決めたくなるところだが、松本人志の場合は躊躇なく切り捨てていくという。倉本氏は「前にやらなかったことで貯めてるネタも平気で切り捨ててく。でも、大事なことだと思うんですよ。前の自分に似ているのが一番イヤというね。ストイックすぎるかも知れませんけどね(笑)。枯渇する感覚はないんでしょうね。嫌なんでしょう、貯めておくのが(笑)」と笑う。
今後の松本人志監督について、倉本氏は「僕なんかは勝手に、いっそのこと次作は海外の出資でまずは海外のみ公開でやるとかってやってほしいな、なんて思ってます」と展望を明かす。“生みの辛さ”や世間からの反響などは散々、松本自身受けてきたことなのだ。
「“見たことが無い景色”を探す作業というのは辛いこともあるけど大事だと思う。大げさなことを言えば、“文化を生む”キーパーソンだし、松本人志本人もその責務を背負っているというのは感じざるを得ないというか…。一緒にやらせてもらっていて幸せなことです」(倉本氏)。
2013/11/02